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うれしいニュース、ペルーの熱帯雨林で27種の新種が発見される

2024-12-25 | 先住民族関連

 

2024年12月24日(火)8時0分 カラパイア

新種認定されたユニークな頭部を持つ魚 © Conservation International/photo by Robinson Olivera

国際NGO「コンサベーション・インターナショナル」がペルーの熱帯雨林を調査したところ、新たに27種の新種が発見されたそうだ。

 今回の調査で探検チームが足を踏み入れたのは、ペルー北部の「アルト・マジョ・ランドスケープ」だ。

 38日間の調査期間中、哺乳類・魚類・両生類・昆虫などの新種を含め、合計2,044種の動植物が確認されたという。そのうち27種が新種認定された。

 これほど多くの生物が発見されただけでもスゴイことだが、注目すべきはそこがかなり人口密度が高い地域であることだ。

 このことは、生態系の管理を持続可能な方法できちんと行えば、人間が暮らす地域であっても豊かな生物多様性を維持できるという、心強い事実を証明している。

人間が暮らす地域で豊かな生態系を確認

 今回調査対象となった「アルト・マジョ・ランドスケープ」は、アンデス山脈からアマゾンまで広がる生態系と地域社会が複雑に入り混じったモザイクのような土地だ。

 そこには雄大な自然だけでなく、先住民族の土地や都市などが点在する。そうした多くの人間が暮らす地域であっても、38日間の調査で2,000種以上が記録されたのだから驚くべきことだ。

 その素晴らしさについて、コンサベーション・インターナショナルのトロンド・ラーセン氏は、ニュースリリース[https://www.conservation.org/press-releases/2024/12/20/27-new-species-including-four-mammals-discovered-in-human-dominated-peruvian-rainforest]で次のように語っている。

4種の哺乳類の新種発見はどんな探検でも驚くべきことですが、それが人口の多い地域でのことだったのですから特筆すべきものです(ラーセン氏)

 研究チームが記録した哺乳類のうち、4種が新種認定された。これには、トゲネズミ、コウモリ、リス、そして半水生の水かきをもつ非常に珍しいネズミが含まれる。

新種認定された半水生(半陸上性)のネズミ(Daptomys属)。この種は、世界で最も稀少とされる半水生の齧歯類のグループに属しており、これまでに知られている種も数回しか観察されておらず、その生態は謎に包まれている。CREDIT: © Conservation International/photo by Ronald Diaz. Ronald Diaz

2,044種の動植物を確認、27の新種や絶滅危惧種も多数

 今回の調査で発見されたのは、哺乳類(151種)、魚類(68種)、爬虫類・両生類(45種)、昆虫(289種)、鳥類(536種)、植物(955種)の2,044種だ。

 アンデス・サドルバック・タマリンをはじめ、そのうち少なくとも34種はこの地域でしか見られない固有種であるという。

 さらに新種も27種発見されている。

 哺乳類4種、奇妙な頭が特徴的な魚をはじめとする魚類8種、ほかにも、ヒメアマガエルなどの両生類3種、蝶・甲虫などの昆虫12種が新種認定された。

カラフルなひれを持つ (Knodus sp.) は科学的には新種で、ペルーのアルトマヨで発見された CREDIT: © Conservation International/photo by Robinson Olivera. Robinson Olivera
新種のカエル(Pristimantis属)、今回発見された両生類の1種、約600種が記載されているこの属は、脊椎動物(背骨を持つ動物)の中で最も多様性に富むグループとして知られている。CREDIT: © Conservation International/photo by Frank Condori.Frank Condori
この蝶(Oleria属)は、遠征中に観察された218種の蝶の一つである。多くの蝶の羽は色鮮やかな鱗粉で覆われているが、この蝶の羽の透明な部分は、熱帯雨林の薄暗い林床で捕食者から身を隠すのに役立っている。. CREDIT: © Conservation International/photo by Marlon Dag.Marlon Dag
「チャカザリハチドリ(Lophornis delattrei)」は、美しいハチドリの一種で、観察するのが稀な種である。今回の遠征では多くのハチドリの種が記録され、全体で536種の鳥が記録された。そのうち26種が絶滅の危機に瀕している。CREDIT: © Conservation International/photo by Marlon Dag.Marlon Dag

 さらに48種の動植物が新種である可能性があり、現在調査が行われているところだ。

 また新種ではないが、イエローテール・ウーリー・モンキー、カオカザリヒメフクロウ、ハーレクインフロッグなど、絶滅の危機に瀕している珍しい動植物たちも49種確認されたという。

人間と自然が共存するためのヒント

 すでに述べたが、アルト・マジョ・ランドスケープは、比較的人々がたくさん暮らしている地域だ。

 コンサベーション・インターナショナルは、アワジュン族をはじめとする先住民族や地域社会と協力しあい、人々と自然双方のニーズのバランスをとる持続可能な生活や農業を支援してきたという。
アルト・マジョ・ランドスケープを蛇行しながら流れる川のドローン写真。この地域の川と湿地の多様性は、そこに生息する植物や動物の驚くべき多様性に貢献しており、地元の先住民コミュニティの維持に不可欠だ。. CREDIT: © Trond Larsen.Trond Larsen

 今回発見された多数の動植物は、その賜物といえるだろう。

都市や町に近い地域でも、他所では見られない豊かな生物多様性が保たれていることがわかりました

このことは、人間の影響が強い地域でも、持続可能なやり方で生態系を管理すれば、生物多様性の豊かさを守れることを証明しています(ラーセン氏)

 今回の探検で明らかになったことは、今後のアルト・マジョ・ランドスケープ保全計画に役立てられていく。

 それは生物多様性の保全だけでなく、人々が営む農業の持続可能性を高め、同時に住民にとって不可欠な自然からもたらされる生態系サービスの確保を目的としたものであるそう。

 そうした営みを通じて、互いにつながり合ったより強靭な地域に育っていくのだそうだ。

追記:(2024/12/24)本文を一部訂正しました。

https://news.biglobe.ne.jp/animal/1224/kpa_241224_1127819225.html

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