こんなにあたたかくなってくると、浮かぶのがこの季語。
「山笑う」
山また山に囲まれた盆地である秩父生まれの私にとって、山は子どもの頃からの原風景です。
いまは空気の澄んだ日に、高層階の我が家から、遙か遠く秩父連山の蒼い山並みが見えるだけですが。
逆に体の縮こまってしまう、寒い冬の季語は「山眠る」
眠っていた季節が目をさまし、笑う。それが春の季語「山笑う」です。
山が眠ったり、笑ったり・・・。
なんて日本語はユーモラスで、豊かなのでしょう。
あたたくなり、木の芽も動物たちも人間も、みんなうれしくて、くすくすと笑ってしまいたくなるこの季節。
でも、今年は被災地の皆さんの上におとずれている春を想います。
避難所で、あるいは知らない土地で、笑えるような春をみんなが迎えられるようになるのは、いったいいつのことでしょう。
(写真は、山のサイトからお借りしました)