20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『クラスメイツ』前期・後期〔森絵都作・偕成社)

2014年09月17日 | Weblog

          

          

 

 『気分上々』(角川書店)など、短編の名手でもある、森絵都さんの新作です。

 24人のクラスメイツの物語。

  森絵都さんの短編のうまさには定評があります。

 作家は人間を観察し、人間をどれだけ描写する力を持ちうるかが勝負だと、この本を読むと思わされます。

 

 一時期、現代アメリカ文学でミニマリズムの世界が流行し、日本のYAでも「ひりひりするような」心理描写がもてはやされました。

 森絵都さんデビュー作のころは、ちょうどそんな頃だったかも知れません。

 久しぶりに、YAを書かれたという森絵都は、その繊細な人間をみつめる眼差しを内包させつつ、更に高みにのぼっていました。

 感受性の文学におさまらない、ダイナミックな関係性を作り上げようとしている、人間を見つめるまなざし、筆の力に圧倒されました。

 

 今夜は、仲間うちの読書会「Be子どもの本」です。

 今月のテキストが、このご本です。

 どんな意見が飛び交うでしょう。

コメント
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