20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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新刊5冊ご紹介 

2014年09月04日 | Weblog

 ご恵贈いただいたまま遅れていた、新刊のご紹介です。

        

『じゅんばんこ!』(季巳明代作・はせがわかこ絵・フレーベル館)

 2011年に直販で出版された絵本が、このたびハードカバーの絵本として生まれ変わりました。

 年長さんになったさくらこちゃんは、ある日、お母さんに宣言します。

「きょうから、一人で寝る!」と。

 子どもの心によりそって、あたたかく展開する物語の最後には、もうひとつ仕掛けが・・・。

 これを読んでもらった子どもたちは、きっとその夜から、さくらこちゃんの真似をしたがりそうです。

 季巳さんのやさしさの詰まった絵本です。

 この絵本は、台湾・韓国・中国でも翻訳出版されているそうです。

        

『カバカバえん おばけとえんそく』(光丘真理作・山本省三絵・佼成出版社)

 日本児童文芸家協会に所属していらっしゃる仲良しの友人、山本省三さんと光丘真理さん、おふたりで作られた絵本です。

 おばけのようちえんで、バスにのって遠足にいきます。

 そこでの出来事が、ちょっとユーモラスに、そしてちょっと怖く、真理さんのリズミカルな文体で描かれています。

 山本省三さんのカラフルな絵が、光丘真理さんの文章をあと押ししています。

 日頃、仲良しのおふたりは、絵本の世界でも、息がぴったり合っています。

         

 

『6番目の季節』(かとうけいこ作・おぐらあけみ絵・文芸の森社)

 かとうけいこさんの、これまでの人生がぎゅっとつまった、あたたかい作品集です。

 親子で楽しめるミュージカル絵本を、という思いから詩あり、歌あり、掌編あり・・・。

 そしていまは亡きご両親へ捧げる思いも、ここには込められています

 Facebookでお孫さんたちの、まぶしい成長の姿を記して下さっていますが、この作品集にその原点がありました。

 このご本からは、ご家族がこれまで生きていらした歴史への、熱い思いまで伝わってきます。

         

 

『扉をあけると』(紙ひこうき編著・銀の鈴社)

 日本児童文芸家協会、所沢支部の5人の皆さんで作られた同人誌『紙ひこうき』の単行本化です。

『ジャンケンポン仮面、ケンザン!』(かとうけいこ作)

 後出しじゃんけんで勝ったものの、クラスメイトから責められた「マルオ」は、気が滅入るばかりです。

 そんな「マルオ」にじいちゃんがアドバイスを・・・。

 さて、ジャンケン仮面の正体は・・・。

 読み終えて、子どもたちは、じいちゃんの深い愛と、大人の知恵に、やさしさをもらうことでしょう。

 

 

         

『ことばの詩集—方言と手紙』(銀の鈴社)

 掌の本とあるように、11センチ×8センチの小さな、それでいておしゃれな詩集です。

 31人の方々の方言をめぐる詩と、お手紙が収録されています。

 どれも抱きしめてしまいたくなるような作品ばかり・・・。

『べっちょない』うたかいずみ

 うたかさんの生まれ故郷、兵庫県・播州の方言、「べっちょない」。大丈夫という意味だそうです。

 元気がでなかったとき、「大丈夫。べっちょない」と言われると、心が安らぎます。

 うたかさんの詩からは、子どもの頃のおばあちゃんとの思い出や、やさしさの実感が伝わってきます。そして読み手をやさしい気持ちにしてくれる詩です。

 

 皆さま、どうぞお読みになってください。

 

コメント (2)
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