20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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興福寺の寺宝と畠中光亨展

2017年01月20日 | Weblog

           

 先日、高島屋で行われていた「興福寺の寺宝と畠中光亨展」をみてきました。

 奈良の興福寺には、東京で見そびれた、阿修羅像をみに、わざわざ行ったことがあります。

 

 その興福寺の、中金堂が300年ぶりに再建されるので、そこに描かれた14名の祖師画を、奉納前に特別展観したのです。

 しかし、私は、その畠中光亨という画家に、惹きつけられました。

 インドから日本に至る仏教の伝来に造詣が深いらしいです。

 

 その中に原発の絵がありました。

 作者は、インド、イギリスで、たくさんの原発の取材をしたらしいです。

 40年で廃炉と言っていたのに、まだ稼働していると、原発の様子を、日本画で描いています。

 また圧巻だったのが、「塩の行進」というタイトルの絵です。

 イギリスはインドに、綿花を売って、塩の税を課すという基本的人権も脅かす行為をして、それに抗議した、ガンジーを先頭にした人々の抗議の行進。

 なんと、三百キロも続いたそうです。

 その様子を、日本画で描いています。

 美しさと、切なさと、強い問題意識。

 

 デパートの展示とは思えない、奥行きの深い、美しく、考えさせられる展覧会でした。

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