先日、高島屋で行われていた「興福寺の寺宝と畠中光亨展」をみてきました。
奈良の興福寺には、東京で見そびれた、阿修羅像をみに、わざわざ行ったことがあります。
その興福寺の、中金堂が300年ぶりに再建されるので、そこに描かれた14名の祖師画を、奉納前に特別展観したのです。
しかし、私は、その畠中光亨という画家に、惹きつけられました。
インドから日本に至る仏教の伝来に造詣が深いらしいです。
その中に原発の絵がありました。
作者は、インド、イギリスで、たくさんの原発の取材をしたらしいです。
40年で廃炉と言っていたのに、まだ稼働していると、原発の様子を、日本画で描いています。
また圧巻だったのが、「塩の行進」というタイトルの絵です。
イギリスはインドに、綿花を売って、塩の税を課すという基本的人権も脅かす行為をして、それに抗議した、ガンジーを先頭にした人々の抗議の行進。
なんと、三百キロも続いたそうです。
その様子を、日本画で描いています。
美しさと、切なさと、強い問題意識。
デパートの展示とは思えない、奥行きの深い、美しく、考えさせられる展覧会でした。