また、この水辺にカワセミがやってきているようです。
カメラマンのギャラリーたちが三脚を立て、池の周りを陣取っています。
「あれかな?」「これかな?」
カワセミの玉座や、彼がいそうな木々を探しましたが、見つかりません。
この水辺は、鬱蒼とした木立に囲まれています。
ときおり、やわらかな日差しの帯が、水面を揺らします。
そうすると、あたりが金色に光ります。
けれど、いつもは、暗い水辺です。
水の中を覗くと、大きな鯉がなんびきも、世俗のことなど無関係とばかりに、泰然と泳いでいます。