昨夜、お夕食後に、洗い物をしていたら、リビングでパソコンで夫が面白そうなYouTubeを見ています。
その音につられて、私も隣の椅子に座り、「田中角栄論」の本の話。
保守主義と、新自由主義の切り返し地点のキーワードが田中角栄など。神保哲夫と、宮台真司の話を、面白く聴きました。
宮台真司は「江戸川乱歩」が好きとか。
1930年代の浅草大衆文化の変遷。
そこから東京の中心が、浅草から銀座へと移行していく。
そんな話も面白かったです。
アニメ論では、神保哲夫が、安倍政治と論考をつなげ、語り出したり・・。
中でも、面白かったのが、宮台真司の「浅草論」
実は、乱歩にとっての浅草公園は不思議のワンダーランド、様々な出会いが生まれる魔術的な場所だったそうです。
特に大正期から昭和初期の作品には浅草を舞台としたのも、浅草から事件が始まって東京中にそれが広がって行くものがいくつもあるそうです。
「目羅博士の不思議な犯罪」「二人の探偵小説家」「人間豹」「地獄風景」「押絵と旅する男」「幽鬼の塔」「一寸法師」「影男」「猟奇の果」「盲獣」「闇に蠢く」など多くの作品。
中でも宮台が興味を持っているのが「押絵と旅する男」
彼風に言えば、「消えゆく闇」と「明るくなるあかり」その混沌こそがおもしろい。
余談ですが、彼のお連れ合いは、ずっと井田真木子さん(『14歳 見失う親 消える子どもたち』・講談社)だと思っていました。
でも勘違いでした。
なぜ、そう思ったかというと、1998年に出版された、この本からは宮台の影響とも思える社会学的視点が濃厚でしたから。
あの時代、私はこの本を、子どもを知るために、夢中になって読んで勉強しました。
その後、彼女は44歳の若さで、お亡くなりになっているようです。
Z世代の話を、そのYouTubeでも宮台真司が、語っていましたが、この「14歳」という本は、今も、当時と変わらない時代を、Z世代は生きているのだと、確認させてくれています。
私の部屋の本箱の隅に、埃をかぶって詰め込んでありました。