梅雨が明けたと聞いて、居ても立ってもいられず、夕陽撮りに出かけた。。
ここは加賀海岸国定公園、加佐の岬。
石川県最南西、福井県に接する加賀市、
金沢からだと車で1時間半ほどの距離にこの岬がある。
今は金沢に住んでいるが、元々、生まれ育ったところが加賀市。
昔から変わらない海岸線の景色はいつ眺めてもなつかしく、
近場の夕陽撮りとなると、まず出かけるのがこの岬だ。
海に沈む夕陽を捉えることはできなかったが、
夕暮の空模様とすれば、じゅうぶんに満足。
さらに、日没後の薄明かりが残る尼御前(あまごぜん)岬へ。
尼御前岬の眼下に広がるのが、石川県有数の漁港、橋立港。
かつてここは、北前船の船主を多く輩出し、日本一の富豪村と呼ばれたこともあったという。
小樽に現存する赤れんが倉庫のいくつかは橋立出身の船主が、
北海道における商売の拠点として建てたものだが、
今では、それを知る人は地元でも少ない。
また、漁港として整備されるまでは、
ここには県内有数の海水浴場があって、
夏休みになると、年中行事として家族総出で出かけたものだった。
しかし、海の家が林立したその海水浴場も、
今では、ずいぶんと小さくなり、かろうじて一軒が残るのみ。
水着に着替えるや、海の家を飛び出し、
火傷するほど熱い砂の上を爪先立ちで走って海に飛び込んだこと。
ひとしきり渚で遊んだ後、家族が待つ海の家を見失い、一軒一軒探し回ったことなど。
そんな子供の頃の記憶を呼び起こす懐かしい風景がここにある。
夏の海といえば、「渚の誓い(So much in love)」。
アート・ガーファンクルやイーグルスのティモシー・B・シュミット、
日本では山下達郎もカヴァーしているが、
オリジナルは1963年のザ・タイムズまで遡る 。
この曲を聴いていると、不思議と両親と出かけた海水浴の思い出がよみがえる。
The Tymes, "So Much In Love"
「9」のつく日は空倶楽部の日