折にふれて

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Late For The Sky  …記憶の中の空

2016-07-24 | 折にふれて

夏空を飛行機が飛び去っていった。

何気ない光景でしかないのだが、

この空を眺めていて、ふと「Late For The Sky」の歌詞の

最後に描かれた情景を思い出してもいた。

Jackson Browne Late For The Sky


ジャクソン・ブラウンの初期の代表曲で、初めて聴いたのは高校生の時。

当時のレコード解説には訳詩などなく、

ただでさえも難解と言われるジャクソン・ブラウンの歌詞、

出来の悪い高校生には理解のしようもなかった。

なんとなく、恋人との気持ちのすれ違いを描いた歌詞らしいということはわかったが、

それはそれとして、情感あふれるメロディとのびやかなジャクソン・ブラウンの歌声だけでもじゅうぶんだった。

その歌詞を暗記するほど聴きこんだものだが、

以来40年余り、今でもふとした拍子に耳にすると、ついつい口ずさんでしまう。

歌詞が難解と書いたが、別にむずかしい単語が使われているわけではない。

タイトルの「Late For The Sky]にしてそう。

曲を締めくくる歌詞でもあるが、ジャクソン・ブラウンがいったい何を伝えたいのか、当時はよくわからなかった。

ところが、最近になって、なんとなくその意味がわかってきたように思う。

直訳すると、「あの空には遅い」。

「あの空」とは、お互いの気持ちが修復できないまま、ついには恋人が去ってしまう、

その朝の空を指しているのではないか。

転じて、「あの空に置き去りにされたまま...」

恋人とのそれまでの葛藤を「Late for the sky」という言葉に込めたのではないかと思う。


How long have I been running for that morning flight
Through the whispered promises and the changing light
of the bed where we both lie
Late for the sky

どれだけ走り続けたなら、

あの朝のフライトに間に合っていたんだろう・・・。

ベッドで身をよせながら、朝までささやき合った約束。

あのときの空に僕は置き去りにされたまま・・・。


 

ただし、あくまでも、個人的な解釈に過ぎず、諸所ご意見もあるかも知れない。

しかし、もともと歌とはそんなもの。

自分の心情に置き換えて楽しむことができたなら、それでいいのだと思う。

 


Late For The Sky   By Jackson Browne


お互いすべて語りつくしたはずなのに、
なにが悪かったのか、まだわからない。
それで僕たちは、 ふたりの足どりが
その始まりから、風の中に消えさってしまうまでを、一晩中たどろうとした。
ふたりの人生がどうしてこんなふうになってしまったのか、
とにかく知りたくて。


君の瞳の中をじっと覗き込んでみる。
もうそこには僕が知っている人は誰もいない 。
孤独の空しさに、驚きすら感じてしまう。
かんたんに言葉を口にすることはできるけど、
愛し合っていた頃に比べると、
その言葉も今はもう何の意味も持たない。

僕が君の中の何を愛したのか・・・
そして君が僕の何を愛したのか・・・もう知ることはないだろう。
おそらく君は、誰か理想の人を僕に映して見ていたのだと思う。

また目が覚める。もう自分の心を偽ることはできない。
僕はもうひとりぼっち。
そして、ふたりのあの熱い思いもすでに終わろうとしている。

僕はどれくらい眠っていたんだろう・・・。
どれくらい孤独に夜を過ごしてきたんだろう・・・。
長い間夢を見ていただけなんだろうか・・・。

目をとじて考えてみる。
君が必要とする男になろうと努力すれば、元のとおりうまく行ったのだろうかと。

・・・・・・・

僕はどれくらい眠っていたんだろう・・・。
どれくらい孤独に夜を過ごしてきたんだろう・・・。
長い間夢を見ていただけなんだろうか・・・。
そして どれだけ走り続けたなら、
あの朝のフライトに間に合っていたんだろう・・・。

ベッドで身をよせながら、朝までささやき合った約束。
あのときの空に僕は置き去りにされたまま・・・。



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