三国山(876m)、赤坂山(824m) <野坂山地>
「みくにやま」は越前・若狭・近江の三国にまたがるのが山名の由来だが、「あかさかやま」は『頂上の南方直下を越える旧街道の粟柄越は赤坂海(ママ)道ともいわれ、それが山名の由来と思われる(松田敏男氏・新日本山岳誌)』。すぐ近くに位置する、同じ日に歩いた二つの山を併記する。
<奥琵琶湖の展望とキンコウカ咲く湿原>
若い頃に何度もスキーに来た懐かしいマキノスキー場。ここから赤坂、三国と縦走して黒河峠から下って来るコースが普通だろうが、この日は時間の都合でマキノ林道入口空地に駐車して、T夫妻と4人でピストンした。黒河峠まで40分の荒れた林道歩き。反対側・敦賀の方からは立派な道が登ってきていて、登山口に案内板と立派なトイレがある。何度か緩いジグザグ道と水平道を繰り返すと、三国湿原。
僅か50m程の間だが、黄金色のキンコウカの花がびっしり咲いている中を木道で通る。ベンチのあるコル状の所を登り返すと三国山への分岐で、右に折れて林の中を行き、最後に急な木の階段を登ると山頂だった。電波塔の建ち並ぶ乗鞍岳が正面に見える。
「明王の禿」へは頭上に見える転落防止の鉄柵めがけて登る。荒々しい断崖に花崗岩の奇岩が立ち並び、琵琶湖の眺めが素晴らしい。正面に目指す赤坂山が富士山形の美しい姿を見せる。コルから明るい笹原の登り。道は急だが、広くて歩きやすくカンカン照りでないので助かる。ホトトギスやウグイスが騒がしいくらいに鳴く。登り切ったと思うともう一登り木の階段がある。それでも思ったより楽に赤坂山に着く。
真ん中に三角点がある広い頂に、たくさんの人が腰を下ろして食事していた。涼風が吹き抜けて爽やかで、すっと汗が引くと寒さすら感じて慌てて着換えをした。展望は360度ですぐ北に三国山、東に乗鞍岳、南に琵琶湖が見える。木製の展望図によると敦賀湾や白山、伊吹、霊仙も見えるようだが、残念ながら雲で遮られていた。
午後になると、次第に空の青い部分が拡がってきて暑さが増した。ときどき流れてくる冷たい風に慰められながら元の道を帰る。期待のキンコウカの花にも出会えたし、結構歩きごたえもあって充実した一日だった。(2000.7.9)
【コースタイム】マキノ林道P9:25…黒河峠10:05~10:15…三国山分岐11:05…三国山11:20~11:25…明王の禿11:55…赤坂山12:15~12:55…三国山分岐13:30…黒河峠14:05~14:15 …マキノ林道P14:45