ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

私の関西百山(27) 錫杖ヶ岳

2013-11-22 10:43:00 | 私の関西百山

錫杖ヶ岳(677m) <布引山地>
【しゃくじょうがたけ】伊勢と伊賀の国境となる布引山地北端の山。槍のように鋭い山容を修験者の錫杖に見立てた山名であろうか。古くは百丈岳とも呼ばれ、雨乞いの霊山であるとともに、東海道名所図会に「錫杖嶽峩々と聳えて風色斜めならず」と記されたように、東海道の名勝の一つでもあった。山頂部は花崗岩の露頭で、土地の人は「雀頭(じゃくとう)」と呼び、展望に優れている。4度登っているが、うち錫杖湖へ二度降りた。一番印象に残る、最初に二人で登った思い出を記す。

1994年の初登り(1月8日)に前年秋、霊山からその尖鋒を見て登高欲をそそられていた錫杖ヶ岳に登る。名阪国道加太トンネルを過ぎて向井ICを降り舗装の林道に入る。登山口の標識から良く整備された道を、荒れた谷を左手に見ながら緩く登る。

30分足らずで柚之木峠に着き、南側、経ヶ峰方面の展望が開ける。ここで直角に左に折れ、明るい尾根道を登る。
  桧と雑木の混じる狭い尾根道を小さく登り下りして、落葉樹の枝越しに頂上の見える所に来る。ここから胸をつくような急坂になり、木の根が階段のようになっている所を木の幹につかまって登る。足下に丈の低い熊笹が見られるようになると、

岩場が混じるようになり、ニヵ所ほど連続して鎖が設けられている。



難なく登り切ると、大きな花崗岩が積み重なったような頂上についた。



先着のパーティに写真を撮って貰い、ゆっくりと四囲の展望を楽しむ。まさに360度の眺めで、

北に油日・那須ヶ原山・高畑山・鈴鹿峠、

その右に綿向・雨乞・鎌・野登など、南は経ヶ峰から青山高原、西に霊山と見飽きない。

眼下の錫杖湖の姿も美しい。やがて人声がして数人のパーティが上ってきたので、頂上を明け渡し、湖への降り口を少し下った屋根付きの立派な展望台で昼食にする。元の道の下りは本当に楽で、辺りの植物を見ながらあっという間に峠に着いた。再び暗い荒れた谷間に沿い、車を停めた林道に帰る。天候は申し分なく、短い所要時間で大展望が楽しめ、幸先の良い初登りとなった。

<コースタイム> 駐車地点9:35…登山口9:45…柚之木峠10:10…頂上11:02-11:23…昼食後発11:58…登山口12:56