ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

私の関西百山(40) 三上山

2013-12-26 14:25:49 | 私の関西百山

三上山(432m)  <信楽・大和高原>
【みかみやま】守山付近から見ると美しい円錐形で近江富士と呼ばれるが、実際は雌雄のピークを持つ双耳峰である。頂上部には巨大な磐座があり、古くから西山麓にある御上神社の御神体山とされてきた。

この神社の祭神はもと山頂に祀られていたものを、麓に勧請したものという。神社の説明板に「第七代孝霊天皇の御代に天照大神のお孫の天之御影の神がこのお山に御降臨になったので、爾来三上の住民はお山を神山として信仰し…毎年旧六月一八日の未明に山頂で神迎えのお祭りを続けている」と記されている。

しかし、『近江名所図会』には「絶頂に八大竜王の祠あり。毎歳六月十八日竜王祭とて、遠近来たって登山す」とある。これは頂上にあった石の地蔵を竜王として、雨乞いの神・農耕の神として崇敬していた。また、御上神社社伝の天之御影の神は、別名を天之一目箇神といい、忌火の神・鍛冶の神でもある。『近江名所図会』には「俗に蜈蚣(むかで)山という。秀郷の由縁によりいいならわしける」とある。この俵藤太の蜈蚣退治は「瀬田の橋下に住む大蛇の願いで、三上山に棲み山を七巻半する大ムカデを退治した」という有名な話である。

この山は戦国時代以来、荒廃していたが徳川秀忠によって御留山として保護され、緑の山となって特にマツタケの名産地になった。私たちも、たまたま松茸シーズンに行って入山料が必要と知って湖南アルプス・竜王山へ転進したことがある(1988年10月)。また、この山だけでは時間に余裕があるので、行く度に近くの菩提寺山や太郎坊山へ寄り道している。

 表登山口

御上神社の駐車場に車を置き、国道八号線を渡ると表登山口で頂上まで3kmの標識がある。すぐにきつい石段の登りが始まる。

 魚釣り岩

途中に神が岩上から釣りをしたという魚釣岩がある。山全体が水成岩で出来ているようだから、伝説にもいくぶんか事実は含まれていると思う。

 妙見堂跡

登山口から10分程で妙見堂跡。ここからいよいよ本格的に登り出す。

 割石

10分も登ると割石。ちょうど一人が横になって、くぐり抜けられるほどの割れ目がある。

 姥ヶ懐

更に急坂となり、部分的にスラブ状の手摺のある岩場となる。姥ヶ懐という。

ひとしきり登ると鳥居と社のある頂上に着く。

近江平野と琵琶湖を前に比叡、比良の連山、遠く白山らしき白い山も微かに見え、素晴らしい展望である。

下りは裏参道を取る。すぐに雌山。ここからは東面の眺めがよい。どんどん下って一揆の犠牲者の「義民の碑」と御上神社御旅所のある広場に出ると、直ぐに登山口に帰り着く。登り900M、下り1100Mの行程だった。

【参考コースタイム】御上神社11:10…表登山口11:15…頂上12:05~12:55…天保義民碑14:00…御上神社14:15(2001.12.16)