時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

しゃばけシリーズ6 ~ちんぷんかんぷん~

2008-12-20 | 読書
「しゃばけ」シリーズ第6弾
週刊新潮や小説新潮に掲載された5作品が集められた一冊

鬼と小鬼
日本橋で大火が発生
土蔵と穴蔵を残し
廻船問屋兼薬種問屋の長崎屋が消失

若だんなさえ助かれば
世の全ては何とかなるんですよ!


って仁吉さん…


煙にむせた当の一太郎
気づけば三途の川縁に…

無事現世に戻れるのか~

ちんぷんかんぷん
上野の広徳寺
破天荒な妖退治で高名な寛朝の弟子になった
武家の三男坊・秋英さんの
摩訶不思議体験

頑張れ秋英さん!

男ぶり
おっかさんの初恋談義
おとっつぁんの積極的アプローチ
滅多に聞けるもんじゃない!

長崎屋の親馬鹿&守りの妖馬鹿は
先代からの伝統だったことを
改めて認識した若だんななのでありました

今昔
箱根にも一緒に旅をして
益々兄弟中が絶好調の
一太郎&松之助
なのに縁談話が…
お兄ちゃんの幸せを願いつつ
ちょいと寂しい弟なのでありました

はるがいくよ
一期一会
出会いがあれば
別れもある

人であろうと妖であろうと
別れは寂しい

人は何度も岐路に立ち
その都度
己の道を突き進んでいくのであります

そして
限りある命を
おっかさんとおとっつぁん
大好きな兄や妖たちと共に
一生懸命生きようと
心に誓う一太郎なのです


江戸有数の大店の若だんな・一太郎
摩訶不思議な妖怪に守られながら
今日も元気に寝込んでました

今回は
一太郎にとって
辛い出来事が待ち受けていました

大切なそして大好きな
松之助兄さんが
栄吉が
それぞれの思いを秘めて
新たな道を模索し始めます

それはとても喜ばしいこと
応援してあげたい気持ちはもちろんある

でも
いつまでも側にいて欲しい
いつまでの側にいてくれると思っていた人たちが
離れていく

永遠の別れではないけれど
一太郎にはこたえるようでした

特に『はるがいくよ』は泣けます
‘命の終わり’について
一太郎が葛藤します

そして
妖である兄やたちの
深い深い愛情を改めて感じるのです

毎度のことながら
「しゃばけ」シリーズに登場するキャラクターは
カサカサになりがちな心を
ほっとさせてくれる

長崎屋をはなれた松之助兄さんや
修行に出た栄吉くんに比べ
相変わらずひ弱な自分を
情けないと思ってしまう
悩める一太郎

でも
嫁取りとか
跡取り問題とか
前途多難
問題は山積だけど
頑張るんだよ一太郎~