時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

千里眼の瞳 完全版

2008-12-27 | 読書

多数の死者を出した
山手トンネル事件から四十九日
予定された合同慰霊祭に
友里佐知子が現れるという確信をもった岬美由紀は
彼女の思考パターンを読み罠を仕掛ける

美由紀の前に再び姿を現した友里とジャムサ
その対決の末に
メフィスト・コンサルティングが
最も危険な存在だとマークしたのは
岬美由紀

そんな中
北朝鮮の支配者の息子が偽装旅券の使用で身柄を拘束され
同行していた女性の発言が波紋を呼ぶ
美由紀が自衛隊時代に体験した
北朝鮮ミグ機の迎撃と拉致事件との二転三転する結末を
息もつかせぬ展開で描いた
クラシックシリーズ第5弾


岬美由紀と友里佐知子の対決は
あっけないと言うか
意外とシンプルでしたが
友里佐知子の最期は
ある意味重い
人の情・怨念にまさに押し潰された
と言う印象です

また
ジャムサの取った行動の意外性が
興味深い

元々『千里眼の瞳』には
なかったエピソードだったことをすっかり忘れ
全く別の作品として読み始めてしまいました

なので
北朝鮮?拉致??李秀卿???

そうです
‘完璧版’と言う認識も
すっかりぶっ飛んでおりました

その上
小生の脳内には
今の時点でノン・クオリアと言った
新たな組織がインプットされている訳です

ついてに
ダビデとの対決もすでに完了しているのに
ダビデ初登場…

かなり混乱をきたしております

北朝鮮のミグとF15との攻防
潜水艦の攻撃
航空自衛隊時の美由紀の活躍も
久しぶりに思い出せたもの嬉しい

しかし
この中で掲げられている問題は
絵空事ではなく
とても現実的なことばかり

実際
女性を長期的に監禁する事件もしかり
自衛隊のあり方や
北朝鮮の拉致問題についても
先は不透明なのです

現代社会を投影しているような
ストーリー
鋭い視点と考察

お見事です

きみらにも言い分はあるだろう
たがいに主張したいことは山ほどある
だが
ここでは
人として話をしようじゃないか


人民思想省の最高幹部・雀鳳漢は
意外な言葉を美由紀に発している

地球上に住む同種類の‘人’として
と言っても
果たして理解し合えるのかは
正直疑問であるが

『千里眼の瞳 完全版 』では
双方理解し合える存在として結ばれている

実社会においても
そうなる日が来ることを望む

それにはやはり
精神構造の更なる成長が不可欠なのでしょう

取り合えず
この手の努力を
最近諦めて
と言うより
疲れ果てて
放棄した身には
到底無理な話です…

日本では
25日に
クラシックシリーズ7『千里眼の死角 完全版』
クラシックシリーズ8 『ヘーメラーの千里眼 完全版 上/下』
が発売になってますね

早速インターネットで購入したσ(^^;)
来年早々には読めるかな?
早く年明けないかな~