奉公人の小僧達による
伊勢神宮への大量群参が
何かに憑かれたように
一路
伊勢神宮へ向かう頃
時を同じくして
更衣で沸き立つ大黒屋から
丹五郎(16)・恵三(12)・栄吉(11)の姿が消えた
鳶沢総兵衛勝頼は
第二の‘影’から呼び出しを受けた
場所は
東叡山寛永寺東照宮権現の社殿前
ふいに鈴の音が響いた
…
再び 鈴の音
……
社殿の向こうの人影が遠ざかろうとしていた
お待ちくだされ
鳶沢総兵衛勝頼
お呼びにより参上つかまつりました
相響き合う呼鈴の音なしとはなんとした
いささかの理解つきませぬ
さる四月朔日 家康様より拝領の水火一対の呼鈴のかたわれ
‘火呼鈴(ひこれい)’そたなの店に届けさせた
なんと…
われらが‘影’である証明は
与えられし水火一対の呼鈴が響き合うことによって証明される
今のそなたには影働きの資格なし
十日の猶予をそなたに与える
一刻たりとも過ぎたるとき
百年余のそなた一族の御役は終わる
‘火呼鈴’は何処!
鳶沢一族大ピンチ
どうも‘火呼鈴’を受け取ったのは
一番小さい栄吉らしい
総兵衛に残された時間は非常に少ない!
‘火呼鈴’を取り戻すべく
総兵衛は
作次郎と稲平を連れ
自ら東海道を下ります
総兵衛をはじめとする鳶沢一族
丹五郎のお伊勢参りを仕向けたのは
口入れ屋十一の海助の妾・いね
この二人と結託し
大黒屋を一掃せんと画策するは
木綿問屋宮嶋屋の隠居・理八&に
元柳沢家家臣・筆頭御師光太夫
そして
赤穂浪士の江戸入りを阻止出来ず
大失態を犯した隆円寺真悟
その背後には
柳沢保明…
因みに
1704年(宝永元年)
七万二千石の川越藩から
甲斐甲府・十五万石の太守に昇進し
名も柳沢吉保に変わりました
甲府は
徳川一門にしか与えられない幕府の重要拠点であり
柳沢吉保が太守となるのは
異例中の異例!
綱吉の寵愛もかなりのもんです…
この早々たる面子を
かく乱し手玉に取ったのが
若干11歳
今だに寝小便をする栄吉なのであります
非常に厄介な子供です
実は…
超能力者なんですってよぉ~
予知能力があるんです
子供達を
伊勢参りに扇動したのは
柳沢吉保一派なんですけど
他にも
扇動している人物が
栄吉なんです…
自らを
火之根御子(ひのもとのみこ)と名乗り
ハーメルンの笛吹きの如く
子供や大人まで
何百と云う人々が栄吉の後に従って
伊勢神宮へ…
何故
栄吉は
鳶沢一族滅亡に導くような行動を取ったのか
その真意を模索しつつ
伊勢神宮への大量群参を扇動した
柳沢吉保の陰謀を暴き阻止しつつ
‘火呼鈴’を取り戻さねばならぬ
総兵衛…
大変…
鳶沢一族に対し
大罪とも云うべき行為に及んだ
栄吉の末路や如何に!
前作『停止!』で
総兵衛との勝負に負けた深沢美雪ですが
その勝負から一年が経過致しております
で
美雪は
鳶沢村の分家長老・次郎兵衛の指示で
久能山下根古谷の月窓院に身を寄せておりました


一年の間に
色々あったんです
あえて書かないけど…

密かに
月窓院を抜け出し
情報収集に独り奔走しておりました
総兵衛に
美雪と協力して
探索にあたれと言われた駒吉は
面白くない!
拗ねてしまいまして
単独行動に走り
宮嶋屋の罠にハマります
で
それを美雪が助けたりなんかして…
江戸では
造船中の大黒丸が
口入れ問屋・十一屋が雇った輩に
火付けされて全焼…
伊勢神宮への大量群参が
何かに憑かれたように
一路
伊勢神宮へ向かう頃
時を同じくして
更衣で沸き立つ大黒屋から
丹五郎(16)・恵三(12)・栄吉(11)の姿が消えた
鳶沢総兵衛勝頼は
第二の‘影’から呼び出しを受けた
場所は
東叡山寛永寺東照宮権現の社殿前
ふいに鈴の音が響いた
…
再び 鈴の音
……
社殿の向こうの人影が遠ざかろうとしていた
お待ちくだされ
鳶沢総兵衛勝頼
お呼びにより参上つかまつりました
相響き合う呼鈴の音なしとはなんとした
いささかの理解つきませぬ
さる四月朔日 家康様より拝領の水火一対の呼鈴のかたわれ
‘火呼鈴(ひこれい)’そたなの店に届けさせた
なんと…
われらが‘影’である証明は
与えられし水火一対の呼鈴が響き合うことによって証明される
今のそなたには影働きの資格なし
十日の猶予をそなたに与える
一刻たりとも過ぎたるとき
百年余のそなた一族の御役は終わる
‘火呼鈴’は何処!
鳶沢一族大ピンチ
どうも‘火呼鈴’を受け取ったのは
一番小さい栄吉らしい
総兵衛に残された時間は非常に少ない!
‘火呼鈴’を取り戻すべく
総兵衛は
作次郎と稲平を連れ
自ら東海道を下ります
総兵衛をはじめとする鳶沢一族
丹五郎のお伊勢参りを仕向けたのは
口入れ屋十一の海助の妾・いね
この二人と結託し
大黒屋を一掃せんと画策するは
木綿問屋宮嶋屋の隠居・理八&に
元柳沢家家臣・筆頭御師光太夫
そして
赤穂浪士の江戸入りを阻止出来ず
大失態を犯した隆円寺真悟
その背後には
柳沢保明…
因みに
1704年(宝永元年)
七万二千石の川越藩から
甲斐甲府・十五万石の太守に昇進し
名も柳沢吉保に変わりました
甲府は
徳川一門にしか与えられない幕府の重要拠点であり
柳沢吉保が太守となるのは
異例中の異例!
綱吉の寵愛もかなりのもんです…
この早々たる面子を
かく乱し手玉に取ったのが
若干11歳
今だに寝小便をする栄吉なのであります
非常に厄介な子供です
実は…
超能力者なんですってよぉ~
予知能力があるんです
子供達を
伊勢参りに扇動したのは
柳沢吉保一派なんですけど
他にも
扇動している人物が
栄吉なんです…
自らを
火之根御子(ひのもとのみこ)と名乗り
ハーメルンの笛吹きの如く
子供や大人まで
何百と云う人々が栄吉の後に従って
伊勢神宮へ…
何故
栄吉は
鳶沢一族滅亡に導くような行動を取ったのか
その真意を模索しつつ
伊勢神宮への大量群参を扇動した
柳沢吉保の陰謀を暴き阻止しつつ
‘火呼鈴’を取り戻さねばならぬ
総兵衛…
大変…
鳶沢一族に対し
大罪とも云うべき行為に及んだ
栄吉の末路や如何に!
前作『停止!』で
総兵衛との勝負に負けた深沢美雪ですが
その勝負から一年が経過致しております
で
美雪は
鳶沢村の分家長老・次郎兵衛の指示で
久能山下根古谷の月窓院に身を寄せておりました


一年の間に
色々あったんです
あえて書かないけど…

密かに
月窓院を抜け出し
情報収集に独り奔走しておりました
総兵衛に
美雪と協力して
探索にあたれと言われた駒吉は
面白くない!
拗ねてしまいまして
単独行動に走り
宮嶋屋の罠にハマります
で
それを美雪が助けたりなんかして…
江戸では
造船中の大黒丸が
口入れ問屋・十一屋が雇った輩に
火付けされて全焼…