時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

NODA・MAP 第16回公演『南へ』

2011-03-24 | 舞台/役者
2時間10分
リアルな日本の縮図が
東京芸術劇場中ホールに展開!

野田秀樹の
予言とも言うべき叙事詩
NODA・MAP 第16回公演『南へ』
余震にビビリながら観劇して参りました

300年
噴火していない無事山の火口で
自殺しようとした女・あまねが
火山観測所に保護される

そこへ
南のり平と名乗る男が
観測所に着任した

無事山に
天皇皇后両陛下が訪れるという噂と
噴火が近いという
予測の真偽をめぐる騒動
火山の鳴動
地震
噴火の予測に右往左往するマスコミ

そこに
嘘つき女・あまねと
自分が本当は誰なのか
分からなくなった男・のり平の
ルーツが絡んで参ります

時空を越え
300年前の昔にワープしたかと思いきや
何故か
太平洋戦争の時代がリンク…

お国のために命を捧げた英霊
真実の証明としての腹切り
北朝鮮の密入国
戦後の事なかれ主義
様々な時代が登場する中で
昭和を生きた日本人の多くは
これらを見て見ぬふりしてこなかったか

例えば
テレビのプロ野球に
一喜一憂するだけの観測所長のように

様々な問いかけ
尽きることのない問題
それらが
次々に沸いて出て
混迷のまま幕を閉じる

噴火を
誰とも知らぬ人に知らせる為
山を駆け下りるのり平

折りしも
3月11日午後2時46分頃発生した
東北地方太平洋沖地震による
福島第一原発の事故…
関東一円に電気を
供給するために作られた原発でした

誰かも知らない人のために
俺は腹を切るのか…


のり平の言葉が
重く圧し掛かりました