時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

居眠り磐音 江戸双紙39 ~秋思ノ人~18

2012-06-27 | 読書
初冬の陽射しが
山の端を照らす頃
甲府勤番追手組支配職として
4年目の秋を迎えた速水左近は
甲府勤番支配を解く
と言う思いがけない知らせを受けた

甲府勤番赴任に際し
共としてつれて来た三人
内用人の北村小三郎
小姓の悠木平八
老中間の猪造と共に
一路江戸に向かっていた

一方
田沼一派の
速水左近暗殺計画を予感した坂崎磐音は
速水家の長兄・杢之助18歳
弟・右近16歳
霧子の三人を引きつれ
暗殺を阻止せんと
夜明けの甲州道中を急ぐのであった



徳川御三家
水戸の徳川治保
尾張の徳川宗睦
紀伊の徳川治貞も動かして
速水左近を江戸に戻しちゃうとはね~
坂崎磐音ってどんだけ~

流石に
田沼意次も
このお三方に言い寄らせたら
速水左近の江戸復帰を‘否’とは言えまい…

しかも
‘奏者番’とか言う役職への
異例の補職らしい
‘奏者番’とは
若年寄&老中への就任できる家柄の
臣の修行期間にあたるらしく
なかなか大変なポジションだとか
まぁ~
元々徳川家治の御側御用取次を務めていたから
城中表にも中奥にも
知り合いは多いし
仕来りにも精通している上に
京の朝廷との付き合い&仕切りも
万事承知之助

新任でありながら
寺社奉行を務める備後福山藩主
阿部正倫から
今後は
何か分らぬことがあれば速水左近にどのの知恵を借りよ!

とまで言わしめてしまった…

何やら
高野山奥之院副教導・室町光燃を通じ
朝廷に働きかけ
京都所司代の役職に
速水左近を就任させようとしているらしく…

坂崎磐音と言う人物は
基本的に
政に関わらず
一介の剣術家でありたいと願う
人でしたが
どうやら
そううまくはいかないようです


そうそう
老中田沼意次の側室
おすなの弟・五十次なる輩が登場~
金欲しさに
田沼家に出入りしているらしい
しかも
浅草田原町の読売屋「世相あれこれ」にも入り浸り
店の頭(今で言う‘編集長’)仁左衛門が
田沼意次&意知親子の暴露本制作に取り掛かり始めたっぽい

謎の切れ者・仁左衛門と
坂崎磐音が手を組んだら
これまた面白い展開になりそうです!

一方
佐野家の家系図を
田沼意次に奪われたままの
新番士佐野善左衛門政言も
何やら
田沼意次側に寝返りそうな雰囲気

展開が
全く見えない…
次回作は
坂崎家の長女か次男の誕生ですかね~
σ(^^;) 的には
次は女の子だと思います