時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

剣客商売十二 ~十番斬り~ 54

2014-12-17 | 読書
白い猫 
密通浪人
不寝鳥
十番斬り 
同門の酒
逃げる人   
罪ほろぼし

七編収録



年内で
全巻読破するかしないか
それが問題だったりしています

剣の道を究めんとも
その先に
何があるのか
今回も
様々な剣客が登場します

「白い猫」は
平山源左衛門が
秋山小兵衛に
真剣勝負を挑む話なのですが
そこが
クライマックスではないのです
無頼浪人を切った返り血を
顔にも着物にもあびた
凄まじい姿の小兵衛が
願正寺に辿り着いたとき
そこには
果たせぬまま
命尽きた亡骸が…

「十番斬り」
人生をどう生きるか
王道を進むも
逸れるも
その切っ掛けは
紙一重
死期を前にして
世話になった村人の為
無頼浪人を一掃しようとした
村松太九蔵
その思いを
継ぐかのように
小兵衛の
藤原国助作二尺三寸が
冴えわたります

「逃げる人」
父にも似た雰囲気を持つ
高橋三右衛門こと
山本半之助と
秋山大治郎の出会い別れ
武士の
慣習に縛られた
悲しき生き様を目の当たりた
大治郎
悩みながら
自ら答えを出す我が息子を
無言で見守る
小兵衛父…

今回も
余韻の残る
渋いお話でございました