時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

剣客商売十三 ~波紋~ 55

2014-12-18 | 読書
消えた女
波紋
剣士変貌

夕紅大川橋

小兵衛の剣友を見舞った帰途
大治郎の頭上を
一条の矢が疾った
心当たりはなかったが
これも剣客商売ゆえの宿命か
お前が家を出るときから見張られていたのではないか
小兵衛の一言で
大治郎は
次の襲撃を呼び寄せるように
下帯ひとつの裸身で泰然と水浴びをはじめた
「波紋」他五編収録



「消えた女」
或る日
秋山小兵衛は
四谷の御用聞き・弥七の配下
傘屋の徳次郎と遭遇~
何やら
御用の筋で張り込み中だとか
何気なく
張り込み先を見た小兵衛は
そこで
見てはいけないモノを見た!
似ている…

秋山小兵衛の娘!?
大治郎の母・お貞と
出会う以前に
思いをはせた小兵衛…

後ろめたい事は
何一つないけれど
おはるにも言えない
ましてや
大治郎にも言えない

剣客・秋山小兵衛
色々あら~ね

「波紋」
父・小兵衛ンの名代として
老剣客・藤野玉右衛門を訪ねた帰り
突然
一本の矢が
大治郎を襲った
同時に松林から
表われた曲者二名が
が大治郎に切りかかった
がしかし
敢え無く返り討ち…

女房を寝取られて
桶屋の七助が
関山百太郎を
出刃包丁で刺殺した
因みに
この百太郎
大治郎を襲撃したひとり

桶屋を逃げ出した
七助が
身を寄せたのは
腹違いの弟
岩戸の繁蔵の元

暫くして
繁蔵は
内藤新宿にある
傘屋へ
人相書きが回っている
井上権之助の情報を持ちこんだ
つまり
徳次郎さんのところです

この井上何某が
何故か
秋山大治郎を付け狙い…

そもそも
何故大治郎が狙われたのか
と申さば
これまた
己の所業を棚に上げ
その時に受けた
屈辱を晴らさんと
家臣を使って
仕返ししようとした
旗本・岡部阿波守光俊の仕業…

大枚叩いて
大治郎殺害を依頼した
曲者どもが
難無く捉えられ
どうした、弥七
それが、大先生。そこの、真中にいる…
こいつの人相書きが、まわっているんでござんすよ
何じゃと…
それにしても、これはいったい…


まぁ~
見事に波紋
広がりました



これらの波紋を
旨い具合に繋げたと申しますか
地味~に活躍した
繁蔵が
秋山小兵衛から
いたく感謝され
小商いでもしなさいよ!
と援助を申し出て貰える
兄・七助は
弥七曰くおとがめなし!
となりました

人と言うのは
何が
何処で
どう
繋がって
いるのか…
面白いですよね~