庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

戸口の向こうに ハル・ボーランド

2005-09-06 22:40:03 | 拾い読み
一冊の古本が昨日、忘れたころにやってきた。アメリカの自然作家、ハル・ボーランドの“Beyond Your Doorstep"だ。(“戸口の向こうに”とでもしておこう) もう一月ほども前にアマゾンUSの古本屋で見つけてオーダーしたもので、記録を見てみると、価格85セントとなっている。もっとも、手数料+送料が9.79ドル。ちょっと割に合わないなぁとも思うが、これは仕方がない。

1971年発行のペーパーバックなのでページは相当に黄ばんでいる。表紙を開けたら裏に“スーザン・ベックへ、愛をこめて・・・トディーおばちゃん。1971年”と赤ペンで書き込みがあった。前の持ち主がスーザンなら、彼女は相当な読書家だったらしく、裏表紙には図書館の2週間分の借り出し予定表と、返却遅延料5セント/週のメモもある。

<center><img src=" "http://www.geocities.jp/kantaroliberal/pic/beyond1s320.jpg">

ネット上の古本屋が充実するにつれて、私が購入する書籍も古本の割合が徐々に増えてきたのだが、こういう書き込みや余白のメモ、場合によってはアンダーラインなどに出会うのも一つの楽しみなのだ。これから多少とも関わろうとしている世界を、既に関わった人がどのように扱っていたかを知ることは、本との出会いの二重の喜びとなりうるのである。

早速、パラパラとめくって目に飛び込んできたボーランドの言葉を少し。

「田舎で学ばれる顕著な教訓があるとすれば、それは‘忍耐は美徳である’ということだ。自然はめったに急がない。」 
If there is any outstanding lesson to be learned in the country it is that patience is a virture. Nature seldom hurries.