今回は大気密度について書くつもりでしたが、少し思うに、大気密度を決定する「大気圧」・「温度」・「湿度」のうち、主に高度にともなって大きく変化する大気圧は、ほとんど地上付近で活動する風読みスメ[ツでは無視してもまず問題が起こらない。(頭痛・神経痛・関節痛など持病持ちの人には時に深刻でしょう)
カイトやウィンドで日常的に感じられる風の軽重は、温度や湿度の変化がベースにあって、さらに空気の上下動や拡散・収束・・・など、実にさまざまな要素が組み合わさって生まれるものであるということ。そして、温度も湿度も、上がれば上がるほど空気は軽くなるということを知っておけば、四季の風質(かぜしつ)の違いにも更に敏感になるかもしれません。
常識的感覚では、湿度が上がって水蒸気量が増えれば、空気はそのぶん重くなるはずだろう・・・と意外に思われるかもしれませんが、この説明を始めるともっとめんどくさい話になるのでこのあたりで止めときます^^;。
めんどくさい話のついでに、空気と大気の違いは、大気の下層部分を空気と呼ぶのだそうです。日本付近の緯度で高度10km(極地と赤道下では倍近い開きがある)あたりまででしょうか。もっとついでに、この高度1万メートルまでの大気の層は対流圏とも呼ばれ、地球の自転や太陽熱の働きで、ほとんど全ての気象現象の舞台になる空間です。
特殊な軍用機やバルーンを除いて、旅客機なども大体この辺りを巡航しているのは、それ以上になると翼の揚力やエンジンの推力が極端に落ちるからですが、1万メートルといえば、たったの10km・・・半径6000kmの地球全体をリンゴに例えるとその薄皮にも満たない、きわめて儚(はかな)い膜のようなものです。時速40kmの車を縦に走らせるとたった15分で到着してしまうのですから。
このようにイメージすると、私たちの生命活動がどれだけ微妙で貴重な空間で営まれているか・・・ということを少しは実感することができるのではないでしょうか。