庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

駐⊥竭閨@2

2012-09-13 22:01:00 | 政治

さて、駐⊥竭閧ノついて、私の各論的意見だが、これも結論から先に述べる。

まず、韓国政府は、駐№u実効支配」しているとする根拠、つまりは覇権《はけん》の最たる軍隊やそれに関係する施設を全て撤収すべきである。たいがいは静かに道理を語るあの「姜尚中」(カン サンジュン)でさえ、この「実効支配の継続」を根拠に韓国領であることを主張している事実に私は驚く。

儒教が浸透しているはずの彼の国の指導的立場にある方々が、いつの間に『王道は覇道《はどう》に優る』という孟子先生の教えを忘れたのだろう。王道とは仁愛に基づく治世のことで、対外的には隣国を敬愛する姿勢に立ち、対話による外交に拠るということになる。覇道とは、言うまでもなく、有無を言わさぬ力(武力)による支配姿勢のことで、対外的には、まさにこの「実効支配」がそれに当たるだろう。

この場合、「民間人も居住し交通しているではないか」などという主張に意味がないことは、実際に当地を訪れなくとも、グーグル地図ででも一瞥すればすぐ分かる。駐∮№ヘ人間が生活できるような島ではない。

軍隊による銃撃も砲撃も、国家警察による逮捕・監禁などもなければ、このそう面白いこともなさそうな岩の塊にでも、何らかの興味を持つ人々は、どちらの国の側からも好きなように近づけるようになるだろう。3c60fb2f.jpeg

特に漁師の方々はその機会も多いだろうから、たまには船を寄せ合って一緒に一杯やれば良い。まあ、三日もすればいわゆる「同舟の仲」になることは間違いない。小さな漁村に育った私は、漁師の心根をかなり良く知っている人間の一人だ。どの道、同じような人間が同じようなことをしているのだから、互いに心を開いて仲良くなるのに、言葉の違いはほとんど問題にならないだろう。

「漁師には漁業利権の問題があるではないか」・・・という意見もあるだろう。しかし、この利権は、資本主義あるいは商業主義を命脈とする企業の論理で、農業など土地に梗塞される営みとは遠く異なる、広大な海を舞台とする漁業の本来的営みを忘れた議論ではないか。

境界線を地面に引くことはできるかもしれないが、海面に引くことはできない。米の味は長期間保てても、魚の鮮度は一日で落ちるのである。江戸庶民の「宵越しの金は持たねえ」じゃないけれども、過去数千年に渡る漁師の気質は、富の蓄積からは程遠い、概して極めてサッパリしたものである。利権云々に最も左右されにくい「民間外交」は漁師の交流にあり、と言っても良いくらいだ・・・と私は思う。

ちなみに我が家は、韓国からの大学生を二度ホームステイで受け入れたことがある。彼らは漁師ではなかった。しかし、間違いなく、先に挙げた「王道」を選択し、「民間外交」の一端を担う人たちの一類であった。

(たぶん3につづく)


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夕靄(ゆうもや)

2012-09-13 12:28:00 | 創作
 忽然と 川面を動く 夕靄に しばし見とれて 箸も動かず
 こつぜんと かわもをうごく ゆうもやに しばしみとれて はしもうごかず

 IMGP0604-s.jpg


朝靄(もや)は何度か見た記憶があるが、すでに夜のとばりが降り始めた夕刻に、水面と空気面が接する一点から、放射状に静かに薄く広がって行く「夕靄」に出合ったのは初めての経験だ 晩飯に用意した弁当を食べる箸がピタッと止まるほど、それはまったく神秘的とも言える風景で、白い巨大なアメーバが水面を貼って移動してゆくような、物の怪《もののけ》的印象さえ持った。

私のデジカメのオート撮影では暗くてほとんど何も写らない。夜景モードでは露出時間が5秒ほど、明るすぎてあの雰囲気からは遠いけれども、一応これで記録に残しておく。
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