(株)カプロラクタム-blog

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STAPついに犠牲者

2014年08月07日 | 時事
笹井氏自殺 「STAP、必ず再現を」 遺書、小保方氏を気遣い
連日の報道で追い詰められ、ついに自殺者まで出る事態になってしまいました。

センセーショナルな報道から手の平返しの追及劇で、最近では小保方さんもトイレまで取材されたり転ばされたりしていましたし、メディアもここの所少し責め立てすぎなのではないかなと思っていました。確かに発見が正しければ化学界を揺るがす大発見だったとはいえ、それが間違いだったというだけで、人死にが出るまで非難する必要があったのかどうか、今思えば大変疑問ですね。STAP細胞がもしあったとしても、とりあえず我々が恩恵を受けるのは数十年先の話ですし、ないなら「残念だな」と思う程度で、尚更関係ないでしょう。今やっている再現実験も、スタッフは最後の望みをかけて是非成功させようと取り組んでいるわけですが、報道によっては監視カメラがどうとか、まるで小保方さんの公開処刑のような捉え方をしているメディアが多い気がします。

優秀な頭脳は国の宝であり、特に日本では予算がつきにくい関係で理科系分野にこういう人が中々育たず、小保方さんも笹井氏も非常に貴重な人材だったわけです。僕も論文を書くので分かりますが、嘘や捏造は論外だとしても、主張をより際立たせるために都合の悪いことは書かなかったり、ぼかした表現にしたり、論文に必要な部分だけを抜き出した写真や統計データを用いることは普通にしています。STAP細胞のように誰も見たことのないような研究で、根拠のはっきりしない主張を、世界的な権威で数多くの論文を審査しているはずのネイチャーに通させる笹井氏の能力というのは、実はものすごい力だと思うわけです。生きてさえいれば、今回の失敗を総括した後に別の研究で再起もできたでしょうし、企業によっては喉から手が出るほど欲しい所も多くあったことでしょう。間違いなく日本に何人もいない逸材であったわけです。すわ不正を暴くぞ~と言う短絡的な正義を振りかざした結果、日本の将来の国益を大きく損ねてしまったのではないでしょうか。メディアは、しっかり自問する必要がありますね。

この件に限らず、報道の仕方の如何によって死なずに済んだ人が過去にも多くいたのではないでしょうか。NHKは是非その辺を今度クローズアップして欲しい所です。