海外でも深刻なのは変わらない模様です。
最近は国内の感染者で報道がいっぱいいっぱいになり、対岸の火事見物というわけにはいかなくなってしまいました。世界に目を向けると、感染者の実数自体に差はあるものの、中国・韓国・台湾はほぼ押さえ込みに成功し、イタリア・ドイツ・イランは減少傾向、アメリカ・日本・ロシアなどは高止まり傾向にあるといえます。最も押さえ込みに成功しているといわれていたシンガポールも一気に増えてきましたし、日本を含めて高止まりにある国は、ピークがこれから訪れるのかも知れず、長期戦を覚悟しなければいけないでしょう。
一時爆発的に増えたものの減少傾向にある国は、その分日本などより早く集団免疫を獲得する割合が増えているということかもしれません。しかしそれには膨大な犠牲者を伴っています。たとえばイタリアでは20万人が感染し2万5千人が亡くなっていますけど、5万5千人はすでに回復しているのです。人口は日本の半分なので単純に数値を倍にして比べると、この2ヶ月間の感染率は日本の40倍、致死率は200倍、そして回復率は600倍になります。回復したからといって集団免疫を得たとは言えないかもしれませんけど、1年という長期のスパンで見たときに、イタリアはほぼ治まり徐々に経済活動を再開できているのに対し、日本人はまだ自粛を続け群発地震のように感染が続いているという可能性もあるわけです。同じ水準で自粛することが前提なので、経済的な面で見ると日本の方がより長く痛みを伴うことは確実でしょう。まあ日本はそれよりも「コロナ致死」を上げないことに重きを置いた結果なので受け入れるしかありませんけど。
時間稼ぎのような政策は、アビガンなど治療薬に希望が見え始めているからやっていけるのかもしれません。しかし不思議なのは、中国やイタリアなどの惨状を見ていながら、日本も仮設医療施設を作ろうという動きが感じられなかったことですね。マスクについてはまず総理が率先して2枚配り、企業でもシャープが動き他社も追いついていますけど、次に足りなくなるのは間違いなく病床であり、一朝一夕では何ともならないものです。ホテルの借り上げなどで間に合えばよいのですけど・・・
「対岸の火事」を「他山の石」とできると良いのですけど、思い出せば国会では花見がどうのとかしかいってなかったような(笑)