エアコン住民投票、市長の「考慮」条件届かず
これはどうも市長の作戦勝ちのようですね。喉元過ぎれば・・・
以前うちの学校でも同じようなことがありました。運動会の時期について、9月は暑いから巷で主流になっている5月に変えようと担当として提案したのですが、そうなるとPTAとの折衝とか野外学習や修学旅行といった色々な行事の時期もスライドさせなければいけないので、管理職側は難色を示していたのです。そこで、職員会議で多数決を取ろうとしたら、「じっくり考えられた方がいい」と言われアンケート形式になり、1ヶ月待って結果を次回の職員会に提案することにしました。ところが、〆切の11月になり肌寒くなってくると、「まあ何だかんだで乗り越えたから」と変更に否定的な意見が目立つようになり、結局6対4で変わりませんでした。アンケート回収率も5割ぐらい。当事者でさえ熱が冷めるとこんなものか・・・と思ったものです。
今回も、季節的に正反対の時期に投票を行う時点で保護者側に不利に働いたことは間違いないと思います。それ以前に学校のエアコンなんて、市民全体で言えば当事者となるのはごくわずかでしょうし、投票率が3割だったのもまあ仕方がないでしょう。それでも投票の結果は5万対3万で設置派が多数を占めたようですが、投票時期だけでなく、さらに「有権者の1/3以上でないと却下」という予防線もしっかり張っていた市長は50代とは思えない老獪な人物ですね。
所沢市は航空自衛隊の基地があり、防音のため2重ガラスになっていて夏場に窓を開けられないという特殊事情があります。岐阜でも、同条件の各務原市が同じように防音でエアコン付きとなっています。流石に夏場に締め切った部屋では大人でも耐えられないでしょう。
熱中症でも施設管理者の責任を問われる時代になってしまった今、当事者となったらその環境下で子どもに耐えろとはとても言えません。この市長は精神論を主な根拠にしているようですが、ちゃんとスーツで視察に行ったりしているのですかね。
それよりも、全国の小中学校の普通教室エアコン設置率が3割と言うことには驚きました。岐阜県は、前から設置されていたのは先に述べた各務原市くらいで、あとは扇風機があれば御の字と言った感じです。学校が多い東京都は既に99%らしいので、おそらくそういう所が平均を押し上げているのでしょう。教育の機会均等という視点で言えば、住む場所によって不公平が生じることはあってはならないことです。3割まで来ているのなら、こんないちいち住民投票などせず国費で一気に設置を進めてほしいものです。
ところで、またまた朝日新聞の話題ですが(笑)今日の新聞では見出しに「エアコン住民投票賛成多数」となっており、あたかも設置側が勝ったかのような記事になっていました。これ、おそらく今後市長が「条件通りナシで」と言い出したら文句を書く布石になっているのでしょう。1/3の話は後で言い出したわけでなく、ちゃんとその条件で住民投票をすると合意されたものですから、勝ち負けで言えば負けのはずです。投票に協力してもらうよう呼びかける時間は十分にあったわけですし、具体的に後5千人が投票に来れば、仮にその全員が反対しても十分有効だっただけに、意義を周知できなかったことは明らかに失敗です。事実を捻じ曲げて報道する姿勢は相変わらず揺るぎませんね。あと、テレビ朝日ではこの件に触れ、「人口27万のうち5万票は約2割であり、市民の2割が賛成に投じたと言うのはすごい数」「投票に行かなかった賛成票も相当数だろう」などと言っていましたが、何故かこの前の衆議院選挙では、同じく国民の2割が投じた自民党には同じ言い方をせず「たった2割の支持で大きな顔するな」とか言っていましたよね。あの時は棄権票を全部反対だと決め付けていましたが、それこそ投票に行かなかった安倍政権の賛成票も相当だったことでしょう。実数と割合の意味が全く理解できていません。同じ事象でもスタンスによって平気で物言いを変える姿、最悪の末期症状ですな。
話を戻して(笑)特別支援学校にいた時は既に冷暖房完備でしたけど、事務に言わせれば維持に年間億単位の金がかかるらしく、しかも自分は冷房病のような症状で体を壊したので、来年度に向けて導入計画は進んでいますが、まあなくても良いかなとも思っています。・・・と、まあ2月に思い出してもこの程度ですし(笑)やはりこの問題はちゃんと暑い時期に再考するべきでしょう。