「決して許されない」=教員の駆け込み退職―下村文科相
いや、許されないも何も当然の権利でしょう・・・これは絶対、国の決定の方が間違っていると思います。
10年くらい前にも退職金の減額はあったのですが、少なくともこれまでの減額の仕方は「来年度から下げるから、今年度中にどうするか身の振り方考えてね。」というスタンスでした。それが、今回は夏に突然「今年度400万下げるから」と言い出し、組合の抗議があって「段階的に、今年度は150万下げる」という方向に持っていきかけた時点で衆議院が解散になってしまい、一時棚上げとなり「今年度下がることははもうないのかな?」と思い始めた今年1月になって、降って沸いたように「今月末までに辞めないと150万下げるよ」と言い出したという顛末です。普通、退職するには、後始末や後任人事のことも頭に入れ、概ね1ヶ月前には打診するようですが、決定から〆切までに一月もないような決め方をしている以上、今回のような駆け込み退職騒ぎとなってしまっても仕方ないのではと思います。
「担任なら最後まで責任をもって子どもを見るべきだ」という意見は確かに正論ですが、最後の年に担任を持つことを決意した時点では、退職金を下げる話は全く出ていなかったわけで、もし決まっていたらまず間違いなく担任から外してもらうように頼んだでしょう。また、下げるなんて話がなければ、3月に待ち構える成績付けや指導要録の記入、学級編成等、最後の激務から逃げるなんて選択肢は頭になく、責任をもって3月までやり遂げたことでしょう。150万と言えば、車一台買える大金です。3月末まで努めると150万損をするという現状は、とりあえず1月に辞めてしまっても2ヶ月分の給料より高いですし、何なら2月から“足りなくなる教員の後補充”として臨時採用で現場に戻ってくれば、大した損もしないわけです。こんなわけの分からない事態に陥れ、現場を混乱させているのは文科相も同罪であり、資質がどうとかいう資格はないでしょう。混乱を憂うのなら、教育委員会でなくちゃんと財務省にかけあって、せめて今年度は退職金を満額出すよう説得するべきだと思います。
国は給料の1/3を賄っているので、その分を補填する気があれば、県によっては「ウチは来年度から実施」とすることもアリなようです。現に三重県はそうするらしいです。岐阜県は今週末に知事選があるので、まだ態度を決めていないようですが、今のところ「2月末」という方向でいくようです。そうすると、1月末で切った愛知県よりも、もっと悲惨な状況になることは明白です。つまり、3月分の給料と引き換えに、成績付けから解き放たれ、さらに150万も多くもらえるわけですからね・・・そして、そのしわ寄せは、我々残された教員に降りかかってくるわけです。
いっそのこと一緒に辞めてしまったほうが楽かもしれませんが、10年やそこら勤めただけではまだそんなに退職金ももらえないわけで、最早八方塞り、万事休す・・・ただただ、こんな事態にしてしまった国の方策を恨む今日この頃です。