残念でしたが、そもそも13歳で挑戦者になっていること自体が驚異的なのですよね。
本人は中学のうちにタイトルを取ることを目標に挙げていましたけど、実際そんなことが起きたら前代未聞なわけで、しかもまだ中2ですからまだ全然チャンスがあるのですよね。藤沢女流名人は15歳9か月で初タイトルを取り、これが男女合わせた囲碁の最年少タイトル記録となっていますが、仲邑二段はそのチャンスまでまだ丸2年半も残しているわけです。つまり「史上最年少タイトル逃す」とした記事は、まだ断定するには早いということになりますな(笑)
内容的には、2局目は完敗、1局目は中盤にチャンスがあり優位に立ったもののヨセで逆転された印象でした。棋風は超宇宙流というか、既に独特のバトルフィールド構築術を身に着けているように見えます。すべて中盤の戦いに向け序盤の損を全く苦にしていないようで、多少不利でも虎視眈々と相手の隙を狙うような、見ている側も何かしてくれそうと期待するような、「スミレワールド」と称すべきわくわくする碁を打っていますね。負けはしましたけど、最強の女流にここまでの碁が打てたらもう誰も棋院の客寄せパンダとは呼ばないでしょう。デビューから3年で、十分にプロとしてふさわしい棋士になってくれました。