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漢字の許容範囲

2016年02月21日 | 私見
<漢字>学校も柔軟評価 とめ・はねで違いOK指針案
これ個人的にはどうかと思うのですけどねえ・・・

実は教師用の国語テストの回答にも、最初に「正答とする漢字」の許容範囲一覧がずらっと載せられています。大雑把に言えば、線がつく・つかない・出る・出ない・線の長さ・止め・はね・はらいなど、ある程度はOKとなっている印象です。しかし、やはり教える側としては、例えば「王」の真ん中の線は短く、「金」の真ん中の線は長くないと、やはり「教えたことが理解できていない」と判断して×にする所ですね。何故なら、この違いは書き順に端を発するもので、「王」は横、縦、横、横と書くので真ん中の横線は短くなりますし、「金」は左払い右払いの後で横、横、縦と書くので、真ん中の線は長くなるわけです。しかしテスト中、全員の書き順を1人ずつ見て回るのは不可能ですから、提出された文字を見て判断するしかありません。なので、やはり教えられた字形で正しく書けていることが、その字をマスターしている評価になるわけです。こんな感じで、教師はそれぞれの漢字を教えるときに止め・はね・払い、つく、出るまで全て意味をもたせて教えているわけで、その通りに書けないのは減点対象にせざるを得ないわけですな。この辺、かけ算の順序のやつと同様の問題をはらんでいるように思えますね。

もちろん行書体になると止めがはねになったり書き順すら入れ替わったりしますし、今小学校で習っている字のある程度は旧字体から簡略化されたものなので、「これが絶対的に正しい」と言い切れるだけの根拠はないわけです。かけ算だって、大人には乗法の交換法則が成り立つことは自明ですから、6×8が8×6でも「何が違うの?」と思うでしょう。しかし小学校の特に低学年は、そういう根拠とか定義が曖昧な状態から少しずつ固めていくしかないですし、ぶっちゃけて言えば正解の根拠は先生が握っているわけです。例えば先に挙げた乗法の交換法則で言うと、初出は小2の「かけ算九九の表」の学習の時に触れ、中1で整数の法則として一般化されますけど、実は高々2~3の例示だけで法則化しているに過ぎず、その時点では完全に証明できたわけではありません。本来乗法の交換法則の証明には「ペアノの公理」というものを学習し、それを元に数学的帰納法を使って証明しますから、最低でも高校数学レベルがないと「自明」だとすら言えないのです。中2の数学で証明問題を学習する際に口酸っぱく教えられると思いますが、「正しいことがまだ証明できていないものを使って証明してはいけない」というのが数学の世界や論理的思考の大前提であり、ではその概念がまだ難しい初等教育の時点で「証明」できないのに何故使って良いのかと言えば、それは結局「先生が正しいと教えたから」とか「教科書に正しいと書いてあるから」使ってよい、という根拠に帰着するしかありませんよね(笑)つまりここはもう信用問題なのです。

低学年の時期は「先生の言うことを正しく聞く」という最も大事なことを学んでいるので、親が「先生が間違っている」などとでしゃばってくると、子どもはどちらを信じればいいのか分からなくなり、将来どちらかに反抗するようになってしまうでしょう。文科省が今更言い出したわけは、おそらく保護者から苦情があったからだと推測できますが、大体そういう漢字に厳しい先生は今もう少ないですし、最近は同じ学年を何年も受け持つことは珍しいわけですから、1年間しっかりと基礎基本を教えてもらえるのだと割り切って見守ってやるべきだと思います。基準さえ揃っていれば贔屓とかじゃないですからね。

大体、1年生が「木」を「ホ」と書いたらやっぱり×じゃないのかなあ・・・つく・つかないの違いだけでなく、木の二画目は止めるしホはハネると教えるわけで、「明らかに違う字です」と強調しています。柔軟に書いたと言うより、それ絶対カタカナと間違えてるでしょ!?

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