今日は午後からリピーターさん教室。って事で、まずは明後日から始まるコープみらいの埼玉地区の出張教室用のミモザのカフェトレイの下地の仕上げから・・・となるのだけれど、昨日、後1回塗ればOKって所までやってあったので、さぁ・・
って感じだったが、えっ?・・・何か変だな?って確認すると、以前彫ってあった下地の彫り下げが甘かったか、それともニスが溜まってしまったか?いずれにせよ、掘り下げる事になったのね・・・それをまさかの7枚。まぁ確認して良かった。
そんな訳で、午前中は直しで終わり。そんな中、送迎前にすーさんに会ったんだけど、ほんの数分話したんだけど、まぁ30年位は付き合いがあるんだけれど、まさかの話があって・・・それがすーさんはタイル屋になりたくてなったって言うのね。
何か、タイル屋になる前に、何個か仕事したらしいんだけれど、タイル屋に出会って、面白いな・・・って思って入ったんだって・・・。もうビックリ。そもそも俺は蛙の子は蛙。単なる父の仕事を継いだだけだから、農家なら農家だし、
それが酒屋だろうが、漁師だろうが、きっと稼業を継いだってだけだから、特にこだわりは無く、ただ単に折角始めた事だから、ただ一生懸命やっていただけなのね。もっと言えば楽しいなんて思った事は一度も無いって言っても過言じゃ無いのね。
こんな事を踏まえて、厄介なのは、当時のすーさんからは良くお金の為にやってんだろ・・仕事なんてって言うようなセリフを良く聞いたのね。でも今聞いた話はそうでは無かった。逆に俺はなるべくそう思わないように・・・って感じで、
何しろ割り切ってやるような事が出来なくて、手間が掛かり過ぎちゃったりもしたのね。まぁ極端に言えば嫌いにならないように頑張ってたんだろうね。きっと。じゃこんな違いがあったとして、一体こんなたわいも無い話のオチは何か?
それは俺は結局タイル屋を辞めたのね。そう、好きじゃ無いんだからまぁ結果として当然なのね。特に当たり前で何もビックリはしないが、そこじゃ無くて、何で好きじゃ無いか?なのね・・・結局、施工屋さんだからなんだろうね。
要するに施工屋さんではオリジナルは作れない。タイル屋さんは常に工務店さんから仕事を頂く事になるから、四角いタイルを決められた通りに張るだけになる。つまり送りバントのサイン通り、楽譜通りの演奏、チェーン店のラーメン屋さん・・・
全て決められた通り。そこに個性は一切要らない。俺はそこがダメだったんだろうね。今となって思うのは・・・。ただね、その当時ではそれが理由とは思わないし、気が付く事も無い。良く人に言ってた、変わったタイル屋になりたい・・
この表現がまさか、本当は芸術家になりたい・・・って意味だなんて思わなかったしね。ただオリジナルを追求すれば、おのずとそうなるのは当たり前。ただね、そう簡単じゃ無いのね。何しろ仕事を第三者から受けていては、そんな機会に
巡り合う確率は低い。つまりいつそんな事が出来るの?って位の確率。こんな表現は簡単で、いつスキーした?いつご飯作った?いつ旅行行った?ほらすぐ判るでしょ?時々なんて場合はこんなもん。これで結果なんて残せるはずが無いのね。
練習もしないで結果なんか出るはず無いのね。ただ厄介なのは、練習機会に恵まれないと、試す事も出来ないし、かと言って練習ばかりでは、練習は身に付いても実践の緊張感は実践でしか味わえないのね。
いずれにせよ、簡単な話で、同じ事を繰り返す事で施工屋さんは、反復練習で上手くなるのだけれど、そこにデザインなんて考える事は一切無いのね。つまり真っすぐに張る、水平垂直、水を流すみたいな決まりを守る人達なのね。
でも今の俺は、常に考えないとならないし、何1つ同じ事の繰り返しはほぼ無いから、常に新しい事を考えないとならないのね。ただこれも結構残酷でね、例えば新車を出して4年後自分否定・・・あれよりこれのが良いから・・・って。
こんな生き方になるのね。つまり結論としては、すーさんの選んだタイル屋の道では、何しろ同じ事を繰り返す生き方になり、個性はいらないが、反復練習で身に付いた張る技術で、それ相応の金額が手に入る。所が逆にオリジナル側、
つまり芸術なんて道を行けば、依頼が来ようが来まいが、常に用意し準備し、その日が来る事を前提に毎日待ち続けないとならず、お金の保証は何処にも無いのね。こんな違いがあるのね。それでもこっちを選んだのね。
だから休みも無く、毎日深夜までやって・・・そんな事も修業とでも思って続けられる訳で・・・。まっタイル屋の時とは違って、普通では無くなったのね。いずれにしても、そんな事を思い返すたわいも無い話だったのね。
そんなこんなでリピーターさん教室。ここでも先生休み無しですね・・・なんてさっきの続きのような話でスタート。ただそれよりも何よりも、初めての1cmタイルでここまで綺麗に線を作れるってのは中々出来る事じゃ無い事を説明したんだけれど・・・
例えば、こんな事を話しをしたのね。これだけ最初から出来る人が、10年続けたとするでしょ?その時にこれを10年前にこれを作った・・・って見るとしたら?凄く最初から上手かった・・・って思えないかな?
もっと言い方を変えれば、その人の一番下手だった作品がこれ・・・みたいに思えたら、いくらか感じる事があると思うんだけどね。ここが大事で、普通は段々上手くなって行く・・・つまり最初はへたっぴから。これが普通。
だから、過去を振り返った時に、今見ると愛着はあっても、内容はねぇ・・・なんて言う常連クラスの人達なら良く聞く話なのね。それが最初から上手いとなると、もしこの先続けて行って振り返った時、今と変わりが無い・・・ってどんな気分かな?
上手くはなっていると思うけど、そんなに昔と変わらない・・・って。ここなのね。最初へたっぴなスタートを切る人達って言うのは、言い方を変えれば、伸びしろが多いとも言えるのね。つまり本気に取り組む姿勢に慣れれば、いくらでも
上手くなる可能性はある。しかし、難しいのはやる気なんて目に見えないもの・・・これを例えると、努力して頑張ります・・・だから東大に入りたいです。この意気込みで何人入れると思う?有名塾でも落ちる人達はいると思うのね。
きっとこんな希望を持っていて努力を惜しまずやったとしても、こんな結果になると思うのね。同じセリフでモザイクをやったとして、一体どうなりたい?どうしたい?って時に、子供達なら宿題で学校に持って行くとなると、良くも出る。
しかも、やる気だけあれば、お金も出してくれるし、片付けだってやって貰える。もう巨匠なみにね。だから結果も付いて来る。所が大人の場合、趣味って言われると、東大では無いから、イメージは大学に行ければ、何処でも良いですとか、
えー大学なんか無理ぃぃ・・・みたいになると、そりゃこっちも甘くなる。けれど、じゃプロになりたいですって来られても、技術なら教えられるけど、仕事を取るって言うのは、そう簡単なものでは無く、職人にはなれても、社長となると
そりゃ別物。こうした両極端な事が起こりがちなのね。所がこれが中々難しいんだけど、その趣味です・・・の姿勢を一切崩さずに続けて行く事が出来ると、継続は力なり・・・になるのね。つまり最低1か月に1回モザイクをし続けるって。
そうなると、習慣になるのね。この習慣が身に付いて繰り返すと、技術が向上して来るのね。えっとどうやったっけ?って1か月振りでは、忘れちゃった事も多いけれど、それでも数ヶ月経つと、どーやって切るんでしたっけ?って言わなくなる。
そんな繰り返しで習慣になると、慌てて作らなくなるのね。こんな姿勢になると、区切りが良いから・・・なんて無理して進めて質を落とすような事はしなくなるのね。つまり美に関しての眼も向上して行くのね。
こうなると、時間は掛かるが質は落ちない。だから結果は付いて来る。これが大作の作り方になるのね。でも期日を決めたり、早く終わらせたい・・・と思えば、始めたばかりで腕は未熟であって、そこに急げば結果は伴うはずも無く・・・
つまりやる前から結果は見えているのね。ただこれがネットで見たデザインでこんなの作りたい・・・って感じなら、タイルさえ揃えば、割とお手軽簡単に出来たりする。しかも色も好みの色合いでね。これなら楽しいで済むのね。
ラクだから。音読み訓読みの違いであって、紙一重の話。しかもデザインはしないのだから・・・。全ては朝の話に繋がって来るのね。こんな事を踏まえて、リピーターさんには、これだけの技術があって、しかもウォンバットの大作も作った。
だから時間を掛けるって姿勢も整っている。恐らくきっとこれもたどり着く事が出来るであろう。まだ早いがこれが終わる頃には、どんなタイルであっても好きな形に切る事に慣れているはず。つまりこの先、続けて行く前提なら、次回は
オリジナルにすると良い・・・って話をしたのね。この方の場合、このままオリジナルを作らないと、最高な出来栄えは贋作作りとなるし、美空ひばりを目指す事になる。つまり歌を歌う歌手。これだけで続ける難しさがあるのね。
これでは考えるって部分が成長しないのね。オリジナルって考えないとならないのね・・・常に。どーしようかな?と。これが大事になるのね。最初は真似から入っても良いのは、道具や素材に慣れる為なのね。でもこんなに上手く切れる。
それならもう切る張るって行為に教える事は少ない。つまりどーやって、自分の考えてる作品に具体化するか?と向き合うって言うのであれば、俺も先生を続けられるが、このまま贋作作りのままでは、近い将来、単なる相談相手位にしか、
なれなくなるだろうし・・・ただね、難しいのは趣味の範囲なら、それでもう十分のグレードにはなっているのね。ここは無理強いは出来ないのね・・・少なくとも、どっかの大学に入るレベルには十分なのね。ここからは学校名を決める。
そんな事が必要になって来ると思うのね・・・具体的に。そうすると、どーすれば良いか?は明確になると思うのね。そこで海外のモザイクの本を見せたのね。どー思う?って。多分理解出来たと思うんだけど、自分の作品がここに入れるか?
ってイメージして見て・・・それを無理無理って言うのであれば、じゃそうなんだね・・・だし、えっ?これなら行けるかも・・・って言うのであれば、でしょ?だし、自分の眼で判断すれば良いのね。行けるか?行けないか?
海外の本の凄い人達・・・と思い込まずに。素直な気持ちでキチンと見る事が出来れば、どれが上手くて、どれが下手で、これより上手くて、これより下手か?は判断出来る。後はどの位になりたいか?なのね。
まだこの話は早いかな?とも思ったけれど、まぁ良い機会だったし・・・と話して見たのね。そんなこんなで陸前高田の仕込み。
人に言う位だから、こっちもコツコツやらないと・・・慌てずに質を落とさず・・・一生残って人に見て貰う前提でね。その時に何十年か経って、あれがkatsuの・・・って言われた時、あれがぁ・・・って言われるのか?やっぱりkatsuだねとなるか?は、今決まるのだから・・・。