今日は午前中に両親を連れて親戚の所に行って、帰り道に購入した車の準備が出来たようなので取りに行く・・・そんな予定にしたのね。先日、父から唯一残っている姉さんから、いつ逝ってもおかしくない歳になったから、かつに頼んで来て・・・って言われたのね。
俺にとっての叔母さんは、割と気丈な人で、余り弱音を吐くような人では無く、あの時そうして置けば・・・って後悔はお互い少ない方が良いだろうし、連れて行こうとは思うものの、夏は一年で一番忙しくなる季節なんで、そうなるとほぼ無理になる。つまり今月が良い事になる。
ただ、そもそも休みって言う事を自分の都合で取るって事はほぼ無いのね。だからこうした時に使うとしても、流石に丸々1日って訳には行かないし・・・そんな中、車を取りに行く場所が親戚の通り道にあるんで、それならセットにすれば、どれもこれも都合が良いんで今日にしたのね。
そんな訳で向かう道中、何か持って行きたい・・・って言われたんだけれど、恐らく用意はしていないし、途中で買うって事になると・・・って考えれば、前の日に、もしそうだったら・・・帝釈天で草団子でもと思っていたのね。お年寄りなら知名度は高いし、途中だし、平日の朝なら混雑も無い
だろうし・・・。そんなこんなで一時間ちょいで到着。場所はキッコーマンで有名な野田市。そうね、お互いに久しぶりのように喜んでいたんだけれど、正月に会っているし、その前のいとこが連れて来た事を含めると、一年の間に3回は会っている事になるんだけれど・・・本当に久しぶりな感じ。
何しろそれが、何か再会の番組とか、被災でもあったような喜び方で、少なくとも今この人達には、共通にこんな喜びは無いのか・・って思うと、年老いるとはこんな感じになるものなのか・・・と思ったりもして。ただ叔母さん夫婦は90歳を超える年齢で、入れ歯じゃ無いし、杖も付かずに、
叔父さんはガンで何回も入院しているのに、普通に生活しているし、お酒も呑むらしいし・・・やっぱり煎餅は固くなくちゃ・・・って。何だか元気全開って感じで、生きている感満載なのね。ただ叔母さんがボソッと、でもね、外で働いた事無いし、ここしか知らないから・・・って言うのね。
でもさ、そのままで終われれば、困らないで終われるじゃん・・・それはそうしたかった・・・って言うなら、それは後悔として残るだろうけれど・・・ね。ただ会話の中に、デイ・サービスに行っている・・・って言うのがあって、聞くまでも無かったが、突っ込みどころは満載だったのね。
俺も月に1回教えに行っているから、ちょっとかじっているのね。では90歳過ぎの人ってどんな感じ?って言うと、杖を突き、お風呂に入れて貰ったり、勿論入れ歯だったり、教えていても中々上手く出来なかったり、時には何度も会っているのに、始めまして・・・って言われたり・・・。
そんな中に、この叔母さん夫婦が入れば、何か不思議な空間に感じるだろうね・・・きっと。何しろ人って常に自分が普通と思っているのね。しかも、叔母さんの口を借りれば、ここしか知らない専業主婦って事になれば、そこら周辺の人しか知らない事になる。予定調和な空間なのね。
そうね、例えとしては小学生的に、そこの地域の人達の集まりね。所がデイ・サービスって場所は、年齢も性別も違っていて、地域としても幅広く、元気な人もいれば、場合に寄っては車椅子の人もいたりする。要するにここにはいつもの予定調和は無いのね。
トレーニングのマシンだってある。普通そんなもんは家庭には無いのね。ただそこがこの叔母さんがロッキー的で、たしかにマシンは無いんだけれど、裏の畑は急な坂になってて、東京なら何件も建つような土地で・・・そこでじゃがいもを収穫って。座ったら転がるよ・・・普通。
キウイは脚立で収穫だし・・・ある意味、マシンよりマシンだわっ。こんなの普通な訳が無いのね。そんな人が、やれお茶だのなんだのって動き回るから、叔母さんそんな人いないだろっ?って言うと、そうなんだよね・・・って。実はそれもここしか知らない人の悩みで無い悩みなのね。
そもそもそこしか知らないから・・・って言うセリフで感じる事は、大きくなった子供達にそう言われたんだろうね・・・世間知らずのようにね。だから、働く女性の考え方を知らない事を卑下したようなセリフにも聞こえるのね。でもそれならそれで、逆に専業主婦のベテランなのだから、
その人にしか判らない事もあるものなのね。それを子供達もその日が来たら気が付くだけなのね。やがて働けなくなる日が来るだろうから。俺はそこの話だけを言う叔母さんに、デイ・サービスって外に出たんだろ・・・そこはここでは無い外の世界だよね?どうだった世間の老人は?
ほらここにもわざわざ来た老人2人いるよ・・・自分が普通じゃ無いだろ。そのまま知らなきゃ、そのまま死ねただけだよ。でもどうだろうか?知らなかったら、自分も同じなら普通でいられたのに、普通じゃ無い事を気付いてしまったろっ。外に行くって言うのは、新鮮さはいくらでもある。
でも、受け入れる姿勢が無いと、自分が普通なんて通用しないのね。出来なければ卑下したくなるし、出来たら出来たで褒められたりもするが、もし凄く出来ているのに、こんなの普通じゃん・・・なんて一言でも言えば、嫌われる対象に成りかねない。外に出なければ何も起こらないのに。
でもね、新鮮とか刺激って言うのが、ここしか知らないって人の体験した事の無い事として、卑下をするのなら、十分にこれが外の世界って体験は出来るはずなのね。条件が一緒とは限らない人達と、行動を共にするって言うのは、家の中の自分ルールでは無くなるのだから。
そんな叔母さんが、お前にそんな事を言われるとはねぇ・・・って言うから、そうね、親父がタイル屋を選んだから、ハイブリッドなタイル屋として、自分だけ張るって人達とは違う生き方の先生って言う人と、人とは違うって作家の2つをなりわいとしているだけで、そんなのも普通だよ。
そもそもタイルなんて名前になったのも、日本じゃ101年。たっただよ。その中で、タイル屋って、元はレンガ屋だよ。そもそもそれで飯食えりゃそのままで要られるはず。でも斬新な奴がタイルに目を付けた・・・そして生き残る為に変化した。そう考えれば、簡単な話で、いつまで続けられる・・
同じ仕事で。そろそろレンガ屋がタイル屋に化けたように、ハイブリッドにならないと・・・って俺は20数年前に思っただけ。当たる馬券なら借金しても買うのが普通なら、博打って言うのは、当たるかどうかなんて判らないもの・・・。まぁ俺はこの仕事以外博打はしないけどね。
常にに新しい事って言うのは、古典落語側から非難を浴びる・・・新作落語のようにね。ただそれとて、たった100年ごとき続けば、そこそこお祭り騒ぎが出来る。落語なら100年も続けば、新作落語も古典になっちゃうわ。何しろ新しい道を作るって言うのは、時間もお金も掛かるし、賛同して
くれる人がいないと、中々その分野は成熟しないもので・・・へっぽこが何人束になっても、下手っぴって馬鹿にされるだけ。でもその下手っぴでも、何千、何万と広がると、金儲けしたい業者は山程いるから、雨後の筍のように出てくるはずなのね。ただ人は比べるからね・・・。
あれが良い、これが良いとね。ガッチリ比較されても良いような腕も必要だし、教える技術も・・・それは目に見える技術と、目に見えない技術って話になる。話を戻すと、つまり親父がタイル屋って事だから、俺は蛙の子は蛙ってなっただけで、最悪な選択は大工なら左甚五郎、左官なら、
伊豆の長八やら、今なら、はざとさんって鏝絵の名手だっている。そう考えれば、モザイクなんて不在の不在。助かったぁなのね。唯一、親父有難うって素直に言えるのね。それを古典で生きるなら、タイル屋の2世って生きるも良し。ただ俺はスーパー歌舞伎の道側を選んだだけ。
そうね、それとて家庭が無いからだけなのね。あったらやんないし、やれなかっただろうね・・・生活を支えないとならないだろうし、きっと迷う事無く、予定調和で続けられたろうからね。でもどうやらそうでは無かったんだろうね・・・俺はさかなクンを見ていてつくづく思うのね。
ずっと魚が好きだっただけ。それを海辺で育てば誰でもそうか?って言ったら、そこにもサラリーマンな人はいるだろうし、違う生き方も沢山あるだろうね。だから単なる魚好きなら、漁師でも、魚屋さんでも、缶詰工場でも、飼育員でも、アクアリウムのショップでも、何でも出来たはず。
でもね、結論としては学者さん・・・そんなのそこの町で勧めた人は恐らくいないだろうね。でもきっとさかなクンに携わったら、きっと学者になろうよ・・・って言って貰えるだろうね。選択肢が大きく増える。あぁなりたいんだろうね・・・俺は。まずは、だけれどね。
人の歩いた道を歩きたい訳じゃ無いから。誰もやった事の無い方に行きたいのね。まぁそれを天邪鬼と人は呼ぶんだろうけれど、それは出る杭は打たれる的な話で、人は見た事の無いものを簡単には受け入れないのね。特に日本はね。パフォーマンスの良し悪しよりも、何かと比較だから。
それが同じ分野ならまだしも、食べ物と娯楽みたいに・・・ね。ただそれとて、さっきの叔母さんの話と同じで、そう言う場所で生きようとするからであって、そこでは無い場所でも同じ扱いをされるか?となると、もしかしたら・・・って話で、自分がみにくいアヒルの子と思い込んでいるだけ。
笑っちゃうわなのね。自分の姿を良く見ないと、自分だけ白鳥だと、虐められたでは無く、虐めてたのはどっち?って話になるのね。一人だけその群れから離れるのだから。俺はそうなりたいと思っているし、新作落語なら、たった一人の白鳥なんて襲われてあっと言う間に死ぬわって思うのね。
やっぱラドンやキングギドラくらいにはならないと・・・ね。どうせ飛ぶなら。しかも町を破壊する位の威力があるって自覚すれば、そーっと歩くし、気も使わないと行けないだろうし・・・羽ばたくだけで町は崩壊って事になるしね。いずれにしてもそうなりたい。
まぁどんな人でも先人って言うのは、馬鹿にされてそれを克服した人だけが生き残る。仕組みは何処でも一緒。誰もがやらないって言う話は、紙一重なのね・・・良ければ誰もがやるから。ただ、ラドンやキングギドラになれれば、ゴジラくらいじゃ無いと、止められないだろうしね。
まぁこの老人たちが長生きしてくれれば、俺の姿がどんなもんだか見届けて貰えるだろうし・・・この先、何が見せられるか?って言うのは、俺の楽しみでもある。