テレビのワイドショーや政論番組で、記者さんやらその道の専門家やらタレントさんやらが毎日、印象批評を話しています。
あの人たち、テレビの評論屋さんは、地方に住んで節約生活をしている普通の人にくらべて、高所得者ばかりです。そして東京都市圏に住んでいる人がほとんどです。だから、テレビ世論は、非常に限定された人生環境にある人の、東京視線、高所得視線、高能力視線に偏っています。
いま話題になっている定額減税。テレビの評論屋さんは、ほとんどが「生活防衛のため貯金にまわる部分も多く、経済効果のほどは疑わしい」と言っています。もっともらしい表情で言ったところで、みんな右へならへ。定額減税批判でほぼ一致。なんという横並びであることか!
もう平成に入ってからは久しく、家計は節約だらけなんです。できれば買いたい家庭の必要品もあれば、家族の衣料品もあります。ともすれば遅れぎみの電気代や保険代の支払いだってあるんです。一家四人分数万円が入ったら、みんなで焼肉に行くか――という家庭だってあるでしょう。
テレビで説明していた若い男性アナウンサー(たぶん独身)は高所得で、戻りの2万円くらいどっちに転んでもいいでしょうが、臨時収入だから仕事帰りにちょっと一杯で使ってしまうのではありませんか。
要するに、貯金にたくさんまわるというのは、生活実感の無い批評です。政府の経済財政担当の与謝野大臣は、「定額減税は社会政策上のことから出たのでしょうから、所得の高い人は考えないと」といった意味のことを話しておりました。一般人の気持ちを代弁しているといった風情の評論屋さんより、政府の大臣の方に私は共感を覚えます。