さきほど正午のNHKニュースを見ていました。新型インフルエンザ対策の関係者が国会で質問に答えたことについて報道していました。女性の専門職の方が、この人は空港の水ぎわ検疫に従事した人なのですが、自分たちは「政府のパフォーマンスに利用された」と不満を語っていました。
報道陣が検疫従事者を追いかけまわし、それがマスメディアで毎日毎日報道されたことに対する不満です。検疫従事者は緊急事態の検疫活動で心身ともに疲れきったことでしょう。疲れきった身には、それらがわずらわしかったのでしょう。そのことは私にも十分理解できます。
しかし、私は怒りを覚えた。「政府のパフォーマンスに利用された」と語るこの人に怒りを覚えた。政府は報道陣の前だけの特別なことを検疫陣に強いたのでしょうか? そうではないでしょう。
今回の新型インフルエンザ感染については、個人から企業・各級役所にとって初めての経験でした。鴻池前副官房長官を除くあらゆる関係者が、国会で話していたこの女性と同じように、全力を尽くしていたでしょう。(あの時点での女性同行伊豆遊行を見れば、鴻池氏の精神構造は異常というほかありません。)
まして、当初はその毒性の程度が明らかでなかった。重症化して致死性があり、強力な感染力があるという前提に立っていました。より悪い条件を設定して対応することは、いいことじゃないですか!
緊急事態への対応の仕方について、あと講釈やあと批判はいくらでもできるでしょう。しかし、地方自治体も学校も病院も、そして政府も全力を尽くしていたではありませんか。
国会で語った女性検疫官の「自分だけが苦労をした」ような物言いには、怒りを覚えます。かの女性は検疫計画に異論があったのかもしれません。
それにしても真実のところは、過重な仕事に従事させられたという不満があるのでしょう。緊急事態への対応が過重な作業をもたらし、政府のパフォーマンスさえなければもっと労動が軽減されたのにという感想なのでしょう。ふだんに時間から時間までというゆるい仕事に従事してきたので、こうした不満が出るのでしょう。なんということか! 検疫関係者が検疫作業に従事するのは、その人の職務です。
私の家内の義弟は小学校長をしています。対策で大変な思いをしておりました。彼の息子夫婦は若手の小学校教師です。学校が休校になって、その間は家庭訪問と学童の実情聴取に忙殺されていました。もう一人の知人である外国航路の客船関係者は、ゴールデンウィークも出社して対策に従事していました。