川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
★自分用メモは、新聞・Webなどのノート書きです。

北京冬季五輪――日本は、開会式閉会式不参加でウィグル弾圧・彭帥#MeToo告発支援を、競技参加で五輪精神発揮を

2021-11-26 14:31:22 | Weblog



今、中国は、習近平の対内一代皇帝支配体制化、対外経済中国一強支配政策としての一帯一路、対外政治中国一強支配政策としての九段線領海=東シナ海~南シナ海の内海化という海外膨張政策をとっています。



<IOCバッハ会長 中国政府に同調、彭帥テレビ電話で>

国際オリンピック(IOC)バッハ会長が11月21日、中国の女子プロテニス選手、彭帥さん(35) とテレビ電話で話しました。

彭帥さんは国際的に有名なテニス選手で、共産党最高指導部メンバーだった張高麗・前筆頭副首相(75)による性暴力とその後の不倫関係を告発した後に消息不明となっていました。

バッハ会長は、彭さんは北京の自宅で安全に元気で生活していると説明しました。

バッハ会長は北京入りする来年2022年1月に彭さんを現地での夕食に招待し、 彭さんは感謝を述べた上で、今は自身のプライバシーを尊重してほしいと話し、友人や家族と過ごすことを希望。今後もテニスは続けていく予定だといいます。

中国は国内で今、大々的に有名芸能人の取り締まりをしています。指定された芸能人はSNSの利用を禁止されています。

彭さんも同様に個人的に発信することを許されていません。今は中国内のどこかで軟禁状態にあると見られています。彭さんが張高麗・前筆頭副首相による性暴力とその後の不倫関係を告発した事実も、すぐあとに削除されています。そのことを話題にすることも許されていません。

彭さんにこれら報道を見聞きして思うに、日本人の常識的な感覚でいう「自由な」生活環境にあると肯定することはとてもできません。

バッハIOC会長は、2020/2021コロナパンデミックの日本にあって東京五輪開催に関する国民世論が中止に傾いている時、開催にこだわる日本政府を支持してきました。

バッハ会長は、パンデミック禍の日本政府を支持したのと同様に、ウィグル族の漢民族化強行弾圧に対する国際的人権批判や「彭帥#MeToo告発」隠しに対する女子テニス協会(WTA)はじめの国際的批判に対抗して、2022冬季オリンピック開催成功のために中国政府に協力してみせたのです。



<米国と友好国の北京冬季五輪「外交的ボイコット」策>

米国は今、ウィグル人権問題や「彭帥#MeToo告発」隠し問題で中国に抗議して、北京冬季五輪「外交的ボイコット」策を検討課題に挙げています。 

外交的ボイコット策とは、来年2022年2月に開催される北京冬季五輪の開会式に外交使節団を派遣しない、というものです。



<米国同盟国日本の北京冬季五輪対応策への考え方>

それでは日本はどうすることがよいのでしょうか。

昭和敗戦後の日本は米国占領下で民主主義に衣替えをし、米国庇護の下で冷戦を切り抜け平和を守り、経済力を磨いてきました。戦後日本は時によって見方によって、国内外ともに米国の属国と評されるほどの米国陣営国です。

米国が北京五輪ボイコットと言うなら、日本政府はそのように傾きます。米国が北京五輪外交的ボイコットというなら、そのように傾きます。それがこれまでの日本です。

習近平中国の対内・自由抑圧、対外・軍事脅迫は許せるものではありません。しかし、中国国民がみんな、中国政府のこの方針に賛成なのではありません。いつの時代のどの国家でも、当事国の国家の姿が当事国国民個々の姿と同一というものではありません。

いつの時代のどの国に在っても人々は、ささやかで平凡な暮らし――生活苦に陥りたくはない、病苦にさいなまれたくはない、争いのある生活は避けたい――の中に生きる温もりを見出しています。

こういう生活のあり方を生活保守と呼ぶならば、中国人であれ、米国人であれ、日本人であれ、みんな生活保守の人々です。むやみに他国や他国の人々を排撃することを避けて、良い方法がないのか思案を重ねることが大切になります。



<切磋琢磨してきた五輪選手がかわいそうだという声>

東京五輪中止の声が高いとき、中止論に対抗するようにしていつも話されてきたことは「出場目指してがんばってきた五輪選手がかわいそうだ」論です。

五輪出場権試合に負けて出られなかった選手はどう考えるのだろう。もともと五輪出場ランクに縁のない技術ランクのスポーツ選手はどう考えるのだろう。

国体や高校野球やほかのありとあらゆる競技。昨年の東京五輪年にコロナで中止になった競技選手はどう考えるのだろう。教室授業が一年を通じてほとんどなかった大学生はどう考えるのだろう。

コロナ死の遺族やコロナ患者になった人たちはどう考えるだろう。
コロナ感染におびえながら満員電車で出勤していた人たちはどう考えるだろう。
コロナの影響で日々の暮らしに追い詰められている人たちはどう考えるだろう。

「五輪選手がかわいそうだ」五輪開催論に賛成していた人の中には、五輪経済の恩恵を受ける会社の人たちがいたでしょう。電通やパソナのことや竹中平蔵が思い浮かびます。政府やIOC、JOC関係者やその広大な裾野の人たちがいたでしょう。安倍さんや菅さんや森さんの顔が思い浮かびます。



<オリンピックの再生を願う>

東京五輪とコロナにさいなまれた結果、身に染みて知ったことがあります。オリンピックは国際政治にもまれるものであり、開催当事国や国際オリンピック協会(IOC)にとって利害の塊である一大政治ショーであり一大商業イベントであることを。

一流選手にとって現代のオリンピックは、平和を出汁にしてメダル栄誉を釣りにした商業イベントであり、賞金獲得やCM出演料、将来の関連役職などを当てにできる出世スポーツの祭典であるという側面があります。

五輪は腐っている。私はそう思います。

数年間か十年間、五輪を休止して根本的な見直しの後に再開するのが良いと私は思います。私はその一方、五輪が国際友好、国際交流と国際平和に果たしてきた意義には大きいものがあると評価します。

五輪は生まれ変わってほしい。私はそう思います。

五輪を大切にするならば、経済大国以外の国でも容易に開催できる形態に作り直す必要があります。簡素化には、ふくらむ一方の種目を大幅に縮減することも必要になります。

日本の国体開催が都道府県を順に巡っことを参考にして、あるいは開催国をギリシャに固定し、五輪精神を正しく質素に広める機会に再生してほしいと願っています。



<北京冬季五輪外交策――私はこう思います>

こうしたいろいろなことを思い合わせながら、日本は北京冬季五輪に参加して、開会式閉会式不参加で、ウイグル人権問題や「彭帥#MeToo告発」隠し問題に対する日本の意思を世界に対して表示するのが良いと考えます。

そして五輪競技には参加してメダル獲得競争への熱意で五輪が大切なイベントであると認めている日本の意思を世界に対して表示してほしい。

中国政府は当然不満このうえないでしょう。今の中国政府は傲慢であります。しかし、日本のこんな表現法なら日中両国に折れ合いがつくメリットがあると私は思います。



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土曜日に注目したニュース2題 ①世界に朗報、1回の田植えで2度収穫3倍収量 ②魚に心はあるか? 10センチの熱帯魚が鏡を見て顔を見分ける

2021-11-21 05:54:05 | Weblog


11月20日毎日新聞で2つのニュースに注目しました。


<1> 世界に朗報、1回の田植えで2度収穫3倍収量

わたしたち人間をはじめ、地球上の一切の有情非情には地球温暖化への適応に大変な時代が始まっています。そこへ、米増収に挑戦している農研機構九州沖縄農業研究センターから1個の朗報です。実用化はまだ先のことですが。

この米増収法が実用化すれば、日本が世界の食糧事情にも貢献できてすばらしい結果につながるでしょう。


(毎日新聞2021.11.20.大阪夕刊から記事の一部)

 農研機構九州沖縄農業研究センターの中野洋博士らは福岡県筑後市の拠点で2017~2018年、再生二期作でどれだけ収量を増やせるかを調べた。

 米が多く実る独自開発の稲を4月中旬に植えて8月に収穫し、肥料を与えて11月に再び刈り取った。

  2回の合計で10アール当たり1400キロ超を収穫した。通常の稲作は500キロ程度のため、3倍近い量だ。稲を十分に成熟させ、地面から50センチと長めに刈り株を残すと収穫が特に増える結果になった。ただ、この実験で使った稲では2回の収穫とも一般の品種に比べ味が劣り、改良の余地があるという。




<2> 魚に心はあるか? 10センチの熱帯魚が鏡を見て顔を見分ける

これは、ちくま新書『魚にも自分がわかる 動物認知研究の最先端』のお話です。毎日新聞20日朝刊の書評を読んでびっくり。それでひきつづいてアマゾンで読者評を読みましたが、しかし本はまだ読んでいないというお粗末ながら紹介いたします。

この本の著者は、大阪市立大学大学院理学研究科(動物機能生態学研究室) 幸田正典教授で、世界で初めて,魚に自己認識能力があることを証明する論文を発表しました。

鏡に映った自分の姿が,自分のものであるということを認識できることを鏡像自己認知と言い、自己意識が存在する証拠であるとされています。

人間以外の動物でも鏡像自己認知を持ち得ることを初めて証明したのは、ゴードン・ギャラップという研究者です。1970年に,チンパンジーが鏡像自己認知を持つことを証明する論文を発表しました。

その後,ゾウ,イルカ,カササギも、鏡像自己認知能力を持っているという研究が発表されました。そして2019年、幸田正典教授が世界で初めて,魚類(ホンソメワケベラ)が鏡像自己認識を有することを示す研究結果を発表しました。

国内外の研究者によって、霊長類 → 哺乳動物 → 鳥類 → 魚類へと、鏡像自己認知を有する生物の範囲が開拓されてきました。

幸田教授は、魚には内省的自己意識や「こころ」があるという仮説を立てています。

私は、草木成仏とか、一切衆生悉有仏性ということばが、ぽっと浮かびました。

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「ほんまかいな」。著者の語り口につられて、思わずこんな言葉が口をついて出た。「ホンソメワケベラという10㎝もない小さな熱帯魚が、鏡で自己の顔を覚え、そのイメージに基づいて鏡像自己認知を行っていることが、明らかになった。そのやり方はヒトとほぼ同じなのである。つまり、小さな魚とヒトで、自己認識という高次認知とその過程までもがよく似ていたのだ。こんなことをこれまで誰が予想しただろうか」。

 脊椎(せきつい)動物の脳については、爬虫(はちゅう)類脳(脳幹と大脳基底核)、旧哺乳類脳(大脳辺縁系)、新哺乳類脳(大脳新皮質)と進化につれて新機能が加わる三段階仮説が唱えられ、魚や両生類は蚊帳の外だった。ところが近年、魚類で大脳、間脳、中脳、小脳、橋、延髄のある脳が完成しており、神経回路網も全脊椎動物で同じと分かってきたのだ。(毎日新聞書評者・中村桂子氏)

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 筆者はまず第一章で、約4億年前のヒトの祖先魚の段階で脳の構造や脳神経は基本的にヒトと同じであったことや、現代の魚の脳内神経回路網がヒトとほぼ同じであることがわかってきたことを明らかにしたうえで、第二章で、社会性の高い魚が相手個体の顔を見て個体識別をしていることを確認した筆者らの実験結果を紹介している。 

 第三章以降では、鏡に映った自分の姿が自分だと認識できること、すなわち鏡像自己認知の問題に特化している。

 筆者はまず第三章では魚以外の動物で行われてきた鏡像自己認知実験について、第四章ではこれまで類人猿、ゾウ、イルカ、カササギでしか確認されていなかった鏡像自己認知を、筆者らが魚(ホンソメワケベラ)への実験で確認したこと及び論文査読者からの批判に応えた追加実験について、第五章では論文発表後にヒトや霊長類の知性研究の二大巨頭から寄せられた批判に応えた追試実験について解説する。

 第六章ではホンソメがその鏡像自己認知を、鏡像の動きがいつも自分と同じだからということではなく、自分の姿それも体ではなく顔で行っていること、すなわちそれは、ホンソメには顔心証(自己顔の心証)に基づいた内面的自己意識があることを意味することを、最終第七章では内面的自己意識と内省的自己意識の違い及び魚には内省的自己意識や「こころ」があるという筆者の仮説を具体的かつ詳細に示すことなどが今後の課題であることを、それぞれ詳しく解説している。 (以上、アマゾン評者・gl510 )



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再び「18歳以下の子どもへの10万円一律給付案」に関する高市自民党政調会長の見解について

2021-11-13 22:42:03 | Weblog


公明党の2011衆院選公約の「18歳以下の子どもへの10万円一律給付案」が大きく議論を呼びました。

これの実現策に関する選挙後自公与党協議をにらんだ橋下徹氏(実質的に「維新の会」代理人)と高市自民党政調会長の意見を前回2021-11-09当ブログで批判しました。橋下氏と高市氏、両氏の見解は10万円一律支給案の対象外となった国民の不満を煽り立てて党利党略を益するだけで、もう少し視野を広げてみれば国民の福祉全般の枠を阻害するものだと考えたからです。

公明党は、所得制限を設けずに一律給付するのは行政側の支給スピードを遅滞させないためとしました。これについて国民民主党の玉木代表は、確定申告時や年末調整時の回収という策を設定すれば所得制限をしてもスピード支給できるとしました。

玉木国民民主党代表の所得制限案は、所得制限をしてもスピード支給できる方法を提示していて、公明党の説明に対抗できる合理的な提案です。

合理的な玉木提案にくらべてみれば、橋下見解は維新の会に利するための党利党略です。高市見解は公明党に対する自民党に利するため、岸田総理に対する安倍派に利するため、総理をめざす高市氏個人に利するための党利党略です。

両氏のこのたびの見解は合理的な提案ではなくて、党利党略を秘めた国民扇動策にすぎません。こういう扇動策に乗ると私たち自身の首を絞めることにつながります。


■政府部内11月11日検討中の国民生活支援策

毎日新聞 2021/11/11 20:46 は、政府部内検討中の国民生活支援策の概要を次のように報道しています。 

 ・中小企業支援
  コロナ禍で売上げが減少の事業者に、事業規模に応じ最大250万円一括給付。
 ・生活困窮者支援
  住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり10万円を現金給付。
 ・子育て世帯支援
  18歳以下の子供に現金とクーポンで計10万円相当を給付。
  主たる生計者の年収が960万円未満の世帯が対象。
 ・学生の支援
  大学生や専門学校生らに就学継続のための緊急資金10万円を給付。
  対象や時期は検討中。


■18歳以下10万円給付の対象は「主たる生計者の年収960万円未満」の世帯

ここで言う「年収」とは、1月1日~12月31日一年間の額面総収入、を言います。

「主たる生計者」とは、同居家族のうち生計の中心になる所得を稼ぐ家族成員のことです。子育て世帯の一般的なケースとしては、父親が家族成員のうちの主たる生計者に当たります。


■主たる生計者の年収960万円未満か?
■同居家族成員の合計年収960万円未満か?

11月9日自公両党幹事長合意後の11月11日政府部内原案では、「主たる生計者の年収が960万円未満の世帯が対象」となっています。(毎日新聞 2021/11/10 11:18 )

記者会見席上これについて、「例えば夫婦で800万円ずつの年収計1600万円の世帯でも給付の対象になるのか?」と記者質問がありました。

言い直せば、世帯主の年収が800万円で10万円給付の対象になるけれども、一世帯合計年収1600万円であってもやはり10万円給付の対象になり得るのか? 政府意思を再確認する質問です。

岸田首相は、「世帯主ごと(の収入)で判断する。(対象に)なります」と述べました。(朝日新聞 2021/11/13 07:00 ) 上の記者質問の事例で言えば、単独年収800万円なので、世帯合計年収1600万円であっても、10万円給付の対象になります。


■岸田首相記者説明に対する高市自民党政調会長の見解
■共働き家庭で年収960万円未満×2=1,920万円未満まで制限外は不公平

高市政調会長は所得制限なしという公明党案に反対して、所得制限をするべきだと言いました。こんどは「主たる生計者の年収が960万円未満の世帯」の制限額に反対を表明しました。

朝日新聞 2021/11/13 07:00 の記事によれば――
18歳以下の子どもを対象にした10万円相当の給付について、自民党の高市早苗政調会長は12日のインターネット番組で、「共働き家庭でそれぞれが960万円ぐらい稼いでいたらすごい金額になる。個人の収入だと非常に不公平が起きてしまう」と語った 。

こういう極端な例を持ち出して反対する論法は要注意です。 

夫婦2人共に1000万円近い年収という事例がどれほどあるのでしょうか。東京都庁の公務員夫婦なら該当例があるのでしょう。本省の高級官僚夫婦なら該当例があるのでしょう。


■高市自民党政調会長の反対根拠は実態を反映していない

その一方、国税庁の2019年民間給与実態統計調査結果の1年以上勤続者平均年収は4,364,000円です。高市氏が挙げた夫婦同額年収なら合計8,728,000円です。

夫婦共働きが通例になっている現代にあっても、女性の収入は男性にくらべて実に少ないのが現実です。男性に対抗し得る、あるいは男性を越える能力の女性は山ほどいます。

しかし出産・育児で女性は社会活動上決定的に不利な立場にあります。出産・育児を終えた女性には、その道のプロと認められるほどの能力の持ち主であっても、社会復帰してその能力にふさわしい職場や収入を得ることは困難極まりないことです。

妊娠から出産まで10カ月。母乳が必要な乳児期は少なくて1年、多くて2年。母乳が必要な乳児は夜泣きも絶えません。第2子の出産までの間隔は2年後。小学校を終えるまでは危なくて一人放っておくわけにはいきません。二人の子が小学校を卒業するまでと考えると、女性が社会復帰して能力にふさわしい職場を得、相応の収入を得ることは至難なことです。

わたしの仕事経験や生活経験によれば、身近にも高額所得の男性は珍しくありません。零細企業の社長なんかは豊かな生活ぶりです。しかし1000万円クラス年収の男性の奥さんで共稼ぎの人は少ない。私の知友の範囲で、今も1000万円以上年収とみられる男性、あるいはかつて1000万円以上であった男性はいますが、みんな奥さんは専業主婦です。

共稼ぎの奥さんが1000万円クラスの収入を得ることができる職場など、奈良県にはありません。大阪でも、収入面で女性が男性に伍することができる職場はしごく限られたものでしょう。こういう点で東京は日本の中でもほかの地域とは比較にならない並外れた都市なのです。

こういう社会実態の中で、「年収960万円×2人分」という高市モデルを論拠にした反対意見は現実性に乏しいものです。

国税庁の2019年民間給与実態統計調査結果の1年以上勤続者平均年収は4,364,000円です。これを正規従業員である夫の年収と見ましょう。同調査の1年未満勤続者平均年収は1,037,000円です。非正規従業員と見ることができ、子育てを終えた女性の再就職年収がこれに近いものでしょう。

高市氏は奈良県衆議院小選挙区2区選出のベテラン議員なのですが、奈良県住民である私の眼には、高市モデルより民間給与実態統計の方がより現実に近いと思われます。

小企業・零細企業のクラスでは従業員に年俸500万を払うのがやっとなのです。従業員の側から見れば年収数百万が上限でそれ以上増えないというのが小企業・零細企業の実態だろうと思います。

生活経験の現場で鍛えた自分の眼を信じて、なおかつ狭い生活経験にとらわれずに、現実離れした議論を見極めていきたいと思っています。



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「18歳以下の子どもへの10万円一律給付案」に関する高市自民党政調会長と橋下維新党外代理人による批判について

2021-11-09 14:32:30 | Weblog



公明党の2011衆院選公約である「18歳以下の子どもへの10万円一律給付案」の実施について、テレビコメンテーターや自民・維新などから多くの異論が巻き起こりました。



■テレビ報道で聞く主張や一般人の声は衆望とは異なっている 

テレビコメンテーターや自民・維新などの声として聞いていているものはほぼ公明批判一辺倒です。これは私が耳にしている一般住民の声の大勢とは全く異なっていて、ほぼ批判一辺倒というテレビ世論を異様に思います。

私が耳にした声は、「助かる」「ありがたい」というものばかりでした。18歳未満の子がいる家庭と、専門学校生・短大生・四大生などをはじめに該当しない人たちの声とは違うところがあるのだろうと思います。



■11月9日夕刻、最新の自公合意内容 (毎日新聞、時事通信による)

(1)焦点になっている18歳以下10万円一律給付公明提案について、
   a.年内に現金5万円支給、合意成立
   b.来年春にクーポンで5万円支給、合意成立
   c.自民が所得制限提案:世帯年収960万円まで、公明は党へ持ち帰り 

(2)自民提案;住民税非課税世帯に1世帯当たり10万円を支給 、合意成立

(3)公明提案:マイナンバーカード保有者へ一律3万円分マイナポイント支給
       ポイント金高について両党で検討継続



■クーポン支給について

クーポンは、使うには不便な点があります。クーポンは経済対策で発行されています。これまでの事例で言えば、クーポンの使用可能範囲が、居住地市町村内限定であるものと県内限定であるものがありました。現金と違ってクーポンは使用先が限定されるので、少し不便なのです。

奈良県内39市町村のうち、10万人以上人口の自治体は、奈良市、橿原市、生駒市の三つだけです。商業施設も人口に応じています。このため買回り品を大阪で買う習慣になっている県民が多い。



■18歳以下10万円一律給付公明提案に対する批判について

(1)自民党・高市政調会長 11月8日午後FNNニュースの取材に応じて
    高市政調会長は、「自民党の公約とはまったく内容が違う」「わたしたち
   は本当にお困りの方に経済支援をするという政権公約を作った。そうでない
   方に支援をするということは書いてない」と述べて、与党幹事長間の協議を
   見守る考えを示しました。

    自民党の2011衆院選向け「令和3年政策パンフレット」には、次のように
   明記してあります。

   〇 非正規雇用者・女性・子育て世帯・学生をはじめ、コロナでお困りの皆さ
    まへの経済的支援を行います。

    公明党の10万円現金支給提案は、上の子育て世帯への経済的支援に該当し
   ます。
しかし高市政調会長は言っています。自民党の公約とはまったく違
   う、困っていない方に支援するとは書いていない、と。

    公明党の提案で問題になるのは「所得制限」です。所得制限をするのかし
   ないのか。所得制限をするならば、所得制限の上限をどのラインで線引きす
   るのか。これを自公の間で話し合いをすれば良いのであって、高市政調会長
   の居丈高な姿勢には不審を感じます。
   
(2)橋下 徹 氏(維新党外代理人) 関西テレビ「めざまし8」11月8日放送
   上記、橋下徹氏の名前に「維新党外代理人」と並記しているのは、私から見
  た橋下徹氏をひとことで表現するための呼称です。ご理解賜るようお願いいた
  します。

   また、ニュース源の関西テレビはフジテレビ系列の在阪関西エリア放送局で
  す。私はこの番組での橋下発言をFNNプライムオンラインニュースで読みまし
  た。

   橋下氏はこの番組で、「18歳以下10万円一律給付公明提案」について、  
  「天下の愚策」とこきおろしています。  

   そして、「公明党の力があまりにも強すぎするんですよね」とか、「自民党  
  は公明党の言う事を聞かなきゃいけない状况になっている」とか、「これは野  
  党も声を上げて、自民党もシャキッとして、公明の言い分ははっきりおかしい  
  って言わなきゃいけないですよね」と、批判のあり方が公明党ターゲットで感  
  情的です。  

   橋下氏が公明党案に反対するのは、橋下氏が子ども4人だから40万円、MC  
  の谷原氏が子ども6人で計100万円、これおかしいでしょ、というわけです。  
  維新の吉村副代表も子ども3人だから30万円、と言っています。  

   橋下氏が言うのはもっともなことと思います。だけど、これは所得制限をか
  けるかどうかの問題です。話し合えば折れ合いをつけて合意できることで、む
  つかしいことではありません。今の日本で、コロナ対策としての生活支援が必
  要であるということに反対する政党はないでしょう。

   批判が感情的になるのは、これは公明党の手柄になると見て政党間の競争意
  識が働くからです。折れ合いのつけやすい事柄であるにもかかわらず、高市さ
  んは公明に居丈高になり、橋下さんはやたらに公明をこきおろすということに
  なっています。今、困っている人たちのことよりも、高市さんも橋下さんも目
  つきは政治力学目線なのです。

(3)橋下 徹 氏(維新)と高市氏(自民)は安倍友という共通点
    橋下徹氏と松井大阪市長は2012年春ごろ、安倍晋三氏に上京面会して、維
   新代表に招請リクルートしています。安倍晋三氏には当時、同年9月に自民
   党総裁選に出る話が浮かび上がっていました。それ以後ずっと、維新と安倍
   晋三氏は蜜月の仲であり、大阪万博の招請も当時の安倍首相の支持があれば
   こそ成功したと言えます。

    高市氏は今年9月の自民党総裁選に立候補して、一気に自民党の顔の一人
   に駆け上りました。これは安倍晋三氏の強力な支持の恩恵によるものでし
   た。日本会議国会議員懇談会副会長、神道政治連盟国会議員懇談会幹事、靖
   國参拝、国家中心傾向など、安倍晋三氏に極めて近い。

    維新と、高市氏を含む安倍自民とは、親密な関係にあります。両者が自維
   連携すれば、格差是正という課題などが良い方向に向かうことは望むべくも
   ありません。また、維新が言うベーシックインカムも竹中平蔵氏の入れ知恵
   と見受けられるので賛成できません。維新は、自公連立に成り代わって、自
   維連立を指向するでしょう。

    

■所得制限超過所得者から10万円回収することについて

  橋下氏のことばによれば、国民民主党の玉木代表が、所得制限をすることにな
 っても、10万円支給が遅れることはない、年末調整や確定申告を利用すれば簡単
 だという趣旨のことを言っているらしい。

  このアイデアを実行するなら、所得制限をかけても、一律10万円支給は迅速に
 行えます。国は、年末調整時や確定申告時に支給済みの10万円を容易に回収でき
 ます。所得制限をかけるには良い考えだと思います。

  ただ、自民党案の「世帯年収960万円」を所得制限の分岐点にするのは、私自身
 は反対です。1000万円近い所得は多いように見えます。しかし実態は、そこから
 所得税、地方住民税、固定資産税のほか、健保・介護保険・雇用保険、民間の生
 保その他の出費を除外し、住宅ローンの支払いを考えに入れるならば、家計はや
 はり楽ではありません。

  所得制限をかけなければいけないとするならば所得制限の分岐点は、課税所得
  ではなくて、1年総収入額1500万円~2000万円くらいが良いと私は思ってい
  ます。


■助け合おうではありませんか

 このことで国民同士がせめぎ合うことは、良いことではありません。18歳以上の大学・短大・専門学校・諸学校の学生さんは、我々にも支援金が必要だと政党、政府に運動することが本筋です。失業ほかの理由で困っている人たちも、我々にも支援金が必要だと政党、政府に運動することが本筋です。

困っている者同士がせめぎ合うことは、生活上の悩みのうえにさらに苦痛を重ねるばかりです。そうではなくて、おたがいに助け合って政党、政府に注文をつけることこそが本筋ではないでしょうか。

さらに、今困っていない人たちも、せめて政党や政府への支援要求に力を貸して声を上げようではありませんか。食事の支援活動をしている人たちほどの実行力はなくても、支援の声一つぐらいは捧げてみようではありませんか。




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1946(昭和21).11.03. 日本国憲法公布 11月3日は新憲法、新生日本の誕生記念日

2021-11-03 10:58:38 | Weblog


きょうは明治天皇誕生日、文化の日。
文化の日は1946.11.3.日本国憲法公布の日。
日本国憲法公布の日は、敗戦後新生日本の誕生記念日なのです。
毎年、誕生祝をすることにしませんか。 



1946(昭和21).11.03. 日本国憲法、公布。
1947(昭和22).05.03. 日本国憲法、施行。

  ※コトバンク‥‥「公布」とは、すでに成立した新しい法令を広く一般人が知ること
          ができる状態におく行為。



下記二つの当ブログ記事には、昭和敗戦から憲法成立まで1年余りの新憲法成立過程をまとめて一覧に供しています。 

   2005-07-05 日本国憲法の誕生-資料集その1 ← 参照クリック
   2005-07-06 日本国憲法の誕生-資料集その2 ← 参照クリック



私の手持ちの日記に、山田風太郎『戦中派不戦日記 1945年』『戦中派焼け跡日記 1946年』、高見 順『敗戦日記 1945年』『終戦日記 1946年』、清沢 洌『暗黒日記 1942~1945』の5冊があります。山田風太郎と高見順の日記をほんのわずか、のぞき見してみます。



【1】 山田風太郎「戦中派焼け跡日記 1946年」
新憲法については、幣原内閣(1945.10.9.~1946.5.22.)が1946.3.6.、政府「憲法改正草案要綱」を発表しました。

作家の山田風太郎は当時、貧乏極まりない医学生でした。1946.3.7.の日記に「新憲法制定さる。戦争は永遠に放棄。痴人のたわごと」と書いています。彼の持論は、無防備平和主義を世界の実情から目をそらすだけの話にもならない愚論としています。

新憲法公布の1946.11.3.の日記には「憲法公布。ひるごろ登校」とあります。



【2】 高見 順「終戦日記 1946年」
   高見の日記は連日文字量多く書いていますが、新憲法公布のことは事実だけ
   簡単に記載しています。

十一月三日 三日午前八時を期して新憲法が公布される。
      東京ではいろいろ祝賀の催しがあるらしい。

十一月四日 新聞はいずれも四頁。宮城前の「日本国憲法公布記念祝賀都民大会」
      の写真が一面に大きく出ている。臨御の両陛下を国民が熱狂して迎え
      ている。



政府は、1946.3.6.に発表した「(明治)憲法改正草案要綱」を、1946.4.10.第22回衆議院議員総選挙後の4月17日に「(明治)憲法改正草案」として発表しました。

この(明治)憲法改正草案は衆議院、貴族院の修正可決を経て、10月29日枢密院可決を経て、11月3日日本国憲法公布に至りました。

この間、5月27日に毎日新聞が行った当時の世論調査の結果があります。



政府「憲法改正草案要綱」に関する毎日新聞世論調査結果
  政府提出の新憲法草案を前にして、毎日新聞社が、全国の有識階級2,000人から世論調査を行った結果である。(1946.5.27.)

  憲法草案の天皇制について
    支持 85% 反対 13% 不明 2%
  戦争放棄の条項
    必要 70% 不要 28%
  国民の権利義務
    支持 65% 修正の主張 33%
  国会2院制の可否
    可とするもの 79% 否とするもの 17%


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2011衆院選 開票TV番組 徹夜閑話 ―― 甘利 失権へ、維新の会 スズメバチの群れが飛び発つ、カマキリのゴキブリ退治

2021-11-01 08:11:46 | Weblog









11月1日の朝が少しづつ明るくなるころまで夜通し、NHKの衆院選挙開票番組をつけていました。とは言っても丑三つ時を過ぎたころからは、新聞を読んだり、本をパラパラめくってみたりしながら、開票番組を見ていました。


甘利、失権へ 蜂の一刺し

数々の印象に残る当落がありました。なかでも二つ。

一つは、甘利自民党幹事長の小選挙区落選、重複比例区返り咲き。彼は悪党ですから、神奈川13区の有権者の方々が早々と蜂の一刺しをやってくださったので喜んでおります。悪党政治家や不法政治家は日本のあちこちに生息していますので、私たちは正義心を強くして神奈川13区の有権者につづいていきたいものですね。

司法権を持たない私たちはこのように投票権の行使や、言葉で非難することや、もっと言えばデモをすることや、さらにもっと言えばストライキをして悪党政治家や不法政治家に抗議や非難をすることができます。

司法権を持つ警察や検察も、神奈川13区有権者の甘利への抗議に見習い司法権を正当に使って、森友・加計・桜に広島1億5000万円のことも、けじめをつけてもらいたい。


日本維新の会、大阪の大きな巣からスズメバチの群れが飛び発つ

もう一つは、日本維新の会の躍進ぶりです。獲得41議席には目をみはります。維新の会はいよいよ成長してきました。選挙スターは、コロナ対策やってる観たっぷりで実態は失敗重ねもたっぷりの吉村大阪府知事。公示前は大阪の民放テレビでひっぱりだこ。毎日毎日、大阪のどこかの民放テレビに出ていました。大阪のテレビ局は一部吉本芸人とともに「維新」の広報係のようなところがあります。加えて、橋下徹氏の東京民放レギュラーコメンテーター出演も大きい。あれは「維新」の広告塔です。

維新はこのたび、大阪府小選挙区19のうち、府市議会協力の交換条件で公明候補4選挙区を除いた15選挙区に候補を立てて、全勝しました。大阪府小選挙区で自民党は、全滅です。

維新41議席獲得の都道府県別を見てみました。小選挙区は合計16議席獲得、うち大阪府15、兵庫県1。

比例区は25議席獲得。うち、兵庫県8、京都府1、奈良県1、広島県1、徳島県1、福岡県2、愛知県2、富山県1、東京都2、神奈川県2、千葉県1、埼玉県2、宮城県1。

比例区は11ブロック。北海道、東北、北関東、南関東、東京、北陸信越、東海、近畿、中国、四国、九州の11ブロックです。このうち日本維新の会当選がゼロなのは北海道だけです。こうしてみると、全国政党としての足がかりを得たと言えます。

大阪府から比例区当選者が出ていないのは、重複予定の小選挙区候補が全員当選したからと考えられます。関西では京都・大阪・神戸を三都と言っておたがいに個性を認めあっているのですが、兵庫県の比例区当選が8人なので、大阪色にかなり染められたということでしょうか。

私は橋下徹氏の大阪府知事時代からその政治手法に危険なところがあると見て、動向を注視してきました。私のブログでも、「維新」の記事を何回も書き継いでいます。


】  部屋に出たゴキブリの退治をカマキリに任せた結果  昆虫ハウス101号室

朝が明るくなり始めて眠くなりました。もう寝ようかと思いつつ、ユーチューブのニュースチャンネルを検索しかけて、『部屋に出たゴキブリの退治をカマキリに任せた結果昆虫ハウズ101号室』というのが目に入りました。一気に興味が盛り上がりました。

見て笑った、笑った。ぜひ一見を。見た人は「笑った、笑った」になりますよ。
上の開票話の流れで思うに、このゴキブリは政界ゴキブリでしょうか。


見た人のコメントは次の通り。

・ゴキブリは気持ち悪かったけど、101号室さんの実況にめっちゃ笑いました。

・カマキリがなかなかGに手をださない時は『何してる!』とか言ってたのに、
 食べてくれた後は『移動は僕に任せてください』とか、手のひら返し凄くてw 
 めっちゃおもろかったw 

・「あんなに歩かれたらもうダメだ」ってところから「話が違いすぎるぞ」も面
 白すぎる♪ 

・ゴキブリが一往復してもう一回戻ってきたときが笑けた

・ 長年のGへの恨みつらみそして恐怖がカマキリ先輩のお陰で薄まりました。あり
  がとう!ダブルシールド!!それにしても大爆笑しましたwww 




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