川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
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高校剣道部の不愉快なリンチ練習の思い出

2013-02-06 19:08:43 | Weblog


京都の中学時代、体育の時間にラグビーをよくやりました。大人になって考えてみると、ラグビーをやらせた先生が学生時代にラグビー部だったのかもしれません。私はラグビーをおもしろいと思いましたし、好きになりました。そのころは同志社大学のラグビー部が学生日本一の常連だったという記憶があります。どちらかというと、私の小中学生時代は読書系で運動系ではありません。それがラグビーファンになったのです。

私は、当時としては背が高かったので、高校に入ってラグビー部に勧誘されました。入学ほやほやの1年生の教室をラグビー部の生徒がのぞいてまわります。そしてこれはと思う生徒がいると教室に入ってきて勧誘するのです。私はラグビー部に入ることにしました。

ところが父親が反対するのです。ラグビーはガラが悪いと言います。どこかのラグビー部がけんかをして新聞ざたになったことがあったようでした。とにかく父親は反対です。それなら柔道部にすると私は言いました。柔道を特にやりたかったわけではありません。そのとき、ほかのスポーツと言えば、なぜか柔道しか思い浮かばなかったのです。

父は柔道にも反対です。やはり、がらが悪いと言います。何がいいのかと聞くと、どうしてもスポーツというなら、「剣道」と言います。剣道は礼儀正しい、と父の推せん理由です。単純というか素直というか、私は剣道部に入りました。

剣道部に入りましたが、私は剣道で強くなりたいとは思いませんでした。体力を鍛える、という考えでした。自分で部活動は週に3回と決めていました。行ったときは一生懸命に練習に励みました。腹筋や腕立て伏せや蛙飛びにも励みました。1年生としては、優れているわけでもなく劣っているわけでもなく、ほかの同級生並みだった思っています。夏休みや冬休みの練習には行きませんでした。

1年生から3年生の間、学校の体育祭にあるクラス対抗のいろいろな試合に出て、水泳や走りの科目ではトップにはなれなかったけれど、出たものには2位か3位に入っていました。たった一つ相撲のクラス対抗では、ころりと負けました。

2年生になると、同級生もリーダーシップを取り始めます。剣道部の2年生では、父親が剣道場の師範で、小学校から剣道をしていて、高校入学時には剣道2段で格別に強いのがいました。これが同級生のトップ。まじめに励んで強いのが別に一人いました。彼は高校生で初段を取りました。この2人が2年生のリーダーでした。

2年生の2学期だったと思います。体育館で、乱取り練習をしていました。指導は2年生の剣道2段。体育館でははかの運動部も練習しています。

乱取り練習は、二手に分かれて試合形式で打ち合いをするものです。一組ごとに次々に変わって打ち合いをします。ところがその日は、一手は私だけ。相方の一手は全部員です。剣道2段のような強い先輩が後輩を教えるために、相手を変えて乱取りを続けることはあります。

しかし、私のような一般部員に相手を何人も変えて乱取りをさせることはありません。

乱取りは打ち合い練習ですから、1本入ったから終わりになるわけではありません。そこはリーダー任せです。剣道をやったことのない人が見ていて何分というような短い時間でも、足と腕がまいります。私のように鍛えていない者には、健康のために体を鍛えるという不心得者には、2人か3人を相手に続ければ、足がほとんど動かなくなります。手は竹刀を支えられなくなって、竹刀の先がだらしなく下がります。

その日、練習に参加していた部員は十数人くらいだったと思います。数人の相手が終わったころには、立っているだけです。足はまったく動きません。竹刀も前に向けて持っているだけで、先は床につくほどに下がっていたと思います。相手はわら人形相手に打ち込んでいるのと同じです。面、小手、胴。打ち込み放題です。

剣道では、面、こて、胴の防具をつけていますが、そこへ打ち込んでピタリと決まるのなら練習の必要はありません。面を狙った竹刀は、側面を滑り落ちて肩に当たります。小手を狙った竹刀は、狙いがずれて肘下から肘上に当たります。胴を狙った竹刀は、脇を抜けずに腕に当たったり、脇を抜けても腰に当たったりします。体中やられ放題です。

そして終わりが来た。最後は剣道2段。面も小手も胴も、一式打たれ放題にやられて一番終わりに「突き」。突きというのは、腕をまっすぐに伸ばし、相手の喉元に狙いを定めて竹刀を突出し、体ごと相手の喉元に飛び込んでいく技です。

まともに突きを食らって、私は後ろに吹っ飛びました。ほんとうに宙を飛ぶような感覚でした。足先がふわっと宙に浮かぶ感覚がはっきりとありました。そして、後ろにのけぞった形のままで背中からどうっと落ちました。

そして、剣道2段が私の剣道部追放を宣言しました。これらのことはほかの運動部も練習している体育館の中で行われました。

私は一人で家にたどり着きました。家にたどり着くだけのために、二条城の裏門に面している高校から堀川通りを渡って歩きました。何の感慨もなく景色も何も目に入りませんでした。気力だけで家にたどり着きました。

喉のアザを見て、母は驚きました。それどころか体中至るところアザだらけです。体の前面と腰回りから尻上部の回り、両手、両足上部はアザで埋まっていました。母は警察を呼ぼうとしました。私は、母を止めました。それを後になって後悔しました。警察に訴えるべきでした。

あれは、練習に名を借りたリンチでした。週3日練習が部として御法度なら、追放するだけでいいのですから。‥‥私はその後、一切、運動をしなくなりました。武道は大嫌いです。剣道なんか、いくらきれいごとを言ったって、もともと殺傷道ではありませんか。



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地場の頼りない国防軍問答

2013-02-02 23:40:07 | Weblog


きょうは朝から60代の男性3人、50代の男性1人の4人が寄って、ご近所の用事を済ませました。それが終わった後の雑談でのこと。

政府のインフレ政策が進むと、年金が目減りするなあ。消費税も苦しいなあ。そんな雑談が終わって、そのうちの一人が「ぼくは国防軍に賛成や」と、急に話題を転換しました。そのことをよほど話したかったらしい。

自分のことを自分で守れへんなんておかしい。自衛隊は撃たれへん言うやないか。自分とこの国のもんが危なうても、よその軍隊に頼まなあかん言うやないか。朝日は何も言わんけど、産経ははっきり言う。本を読んだけどおもしろいで。

年金が目減りすると言って嘆息していた様子とはうって変わって元気です。もう七十に届きそうな年ごろなのに、なんでそう単純に考えるのかと思いました。

尖閣は自衛隊の戦闘機がスクランブルしてる言うやないですか。ということは向こうの戦闘機も出てきてるでしょ。アメリカが本気で心配するくらい危ないんですよ。どっちかの誰かがタタタと撃ったり、ミサイル一発なんてやったら戦争ですよ。どこの国でもそんな小競り合いから戦争が始まるんですよ。小競り合いと言ったって、何人かが死に、何人かが怪我するんでしょ。こんどのアルジェリアの10人でも、なかなか氏名がわからなかったのは、パッと見てパッとわからないからですよ。体が傷んでるからでしょ。

誰も戦争しようなんて言うてへん。自分のことを自分で守らんと、よその国に助けてもらわんならんて、それはおかしいわな。憲法も改正したらええねん。

守る守ると言いますけどね、だいたいが何でそんな危ないとこへ日本人を送るんですか。撃たれそうなところへ人を送って、それで今度は送りこんだ人が危ないから撃てるようにしたい。邦人保護を言うんなら、そういうところへ人を送らないようにするのが先でしょうが。

自衛隊でも民間人でも、危ないところへ人を送って、その送った人を守るために撃てるようにしたいというのは、マッチポンプではないか。邦人保護を言うなら、そういうところへ行かずにすむようにするのが、第一の良策でしょう。

物事は単純素朴に考えた方がいいです。そのことの本質が見えてきます。

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