(上掲写真)2017.10.21. 安倍首相 衆院選秋葉原遊説
<憲法に基づく野党の臨時国会招集要求を無視>
2017(H29).6.19.通常国会閉会に伴う記者会見でこう語っています。
「信なくば立たずであります」
「何か指摘があればその都度、真摯に説明責任を果たしていく」
「国民の皆様から信頼が得られるよう、冷静に、一つ一つ丁寧に説明する努力を積み重ねていかなければならない。その決意をこの国会の閉会に当たって新たにしております」
一方、通常国会が終わったあとにも、次から次へ、「森友・加計問題」の新事実が出て参ります。
このことから4野党共同で、臨時国会を早急に開くよう政府に求めましたが、いつ開くとも答えが出ません。
憲法 第四章 国会
第五十三条 〔臨時会〕
内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の
総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなけれ
ばならない。
4野党の臨時国会開催要求は憲法53条の要件を満たしていましたが、内閣支持率が30%台に急落しているため、政府・自民党は歓迎しません。「臨時国会を開かない」とは言っていないので、違憲とまでは言えませんが、政治的サボタージュです。
<内閣改造>
森友・加計問題にかかわる安倍首相自身への批判をかわしたい思惑で、内閣改造が行われました。自民党でもいいけれど、安倍だけは替えてくれ。自民党支持者や保守系浮動層の間にこんな声まで出ていました。
安倍首相自身への森友・加計疑惑の風をやわらげるための内閣改造。安倍晋三の私的事情による内閣改造でした。
8月3日、改造内閣成立。内閣改造成立の日、8月3日、総理大臣記者会見で次のように話しました。
「謙虚に、丁寧に、国民の負託に応えるために全力を尽くす。一つ一つの政策課題にしっかりと結果を出すことで、国民の皆さんの信頼回復に向けて一歩一歩努力を重ねていく」
「今回の組閣では、ベテランから若手まで幅広い人材を登用しながら、結果重視、仕事第一、実力本位の布陣を整えることができたと考えています」
安倍首相がこう話したのは8月3日、改造内閣組閣記者会見。しかしなんということでしょうか。、この内閣改造の日からたった53日目の9月25日、衆院解散になりました。話が違いすぎる。あんましです。たった53日間で、心変わりしたのです。
<不倫疑惑に勝機を直感、衆院解散へ>
安倍首相は、内閣改造によって、世論と野党の「森友・加計」攻勢をしのぐつもりでした。そこへ、山尾志桜里議員の不倫疑惑が降ってわきました。不人気の民進党がこのダメージを受けました。安倍首相はこれを勝機と見て、衆院解散に踏み切りました。
ひとことで言えば、安倍首相は、競争政党議員の不倫疑惑に政争の勝機を直感したと言えます。一国の衆院解散動機が、これか…。不倫疑惑を勝機と直感して一国を総選挙に動員することには、世界の有力国家・日本の指導者としての矜持のかけらも見られません。ふつうなら恥じ入ると思うのですが…。安倍首相の人間としての格の低さに絶句です。
<国難解散―北朝鮮の脅威>
9月25日「衆院解散」記者会見で、安倍首相は「解散の意義」を次のように結論づけました。
「この解散は、国難突破解散であります。急速に進む少子高齢化を克服し、我が国の未来を開く。北朝鮮の脅威に対して、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この国難とも呼ぶべき問題を、私は全身全霊を傾け、国民の皆様と共に突破していく決意であります」
「国難突破のために解散」。国語的には落第ではありませんか。
「国難」に対応することばは「挙国一致」でしょう。
国民こぞってまとまって国難に立ち向かおう、ということですよね。
「解散」ということばは文字通り散ってしまうのだから、国難に対応しようという主旨には合いません。そのうえ、衆院解散は各政党の競争をあおることになるので、なおさらバラバラですね。
北朝鮮の脅威というけれど、北朝鮮ミサイルは何年も前から日本の上を飛び越しています。日本海には何回も落ちています。Jアラートを鳴らすけれども、自衛隊がミサイル対応をしていない。日本に落ちないからだと言う。
Jアラートのちぐはぐさに、国難と解散の相応しないちぐはぐさが重なります。国難というような、国民を脅すようなことばを使っておいて、安倍首相は「脅威、脅威」としか言いません。国難とまで言うのですから、国民はそのことについてどうすればいいのか、明らかにしてくれません。
だからこれは、「北朝鮮の脅威」を安倍首相の政治勢力維持に利用しているということはありませんか。Jアラートの使い方も同様ではありませんか。
<国難解散―高齢化>
「少子高齢化」問題は、もう30年くらい前から提起されてきました。これを国難と言うなら、わが日本は10年も20年もの間、国難漬けになっているわけです。小泉政権以後、民主党政権は3年3カ月。ほかは全部自民党イニシアチブ政権ですから、放置しておいた自民党の責任です。原発事故と同じですね。
「国難」なんてひとごとみたいに言わないでください。
かつての家族は、働き手男性一人の収入で生活、子育てができました。今は、少数の高給取りを除けば、働き手一人だけで家族を作ることが難しい時代です。共稼ぎ世帯がふつうです。それで保育所・幼稚園が必需施設になっています。
高齢化問題は、親子二世帯同居ができないという居住環境と、かなりな長命化によるものです。これは高齢世帯のうち、日常生活を送っていくのに支障があってなんらかの生活援助が必要であったり、施設居住が必要であったりします。
高齢化問題については、わたしの母が死ぬ前に脳梗塞をやりましたし、今は家内のおかあさんが95歳で、わが家から歩いて10分ほどのグループホームに住んでいます。
ほかに独居老人の叔母が数年前にアルツハイマーが高じて痴呆症認定。わたしが家庭裁判所に申請して成年後見人を選任してもらったり、病院や施設入居など必要あるごとに世話をしています。
それに加えて、居住地の地域包括支援センターの運営委員も務めていますので、一般人としては高齢化問題のアマチュア専門家です。
「高齢化」行政はもう長く経験を積んでいるうえに、体制がかなり整っています。職員や、認知症や寝たきり家族のいる方たちは苦労されています。しかし、地域包括支援センターの組織や職務が軌道に乗っているので、今さら「国難」なんてお笑い種です。
もちろん、保育園・幼稚園・学校などと同じように、生活している人間が対象ですから、課題はいつも山積しているのですが。
<国難解散―少子化>
平成25年4月19日、安倍首相は日本記者クラブで「成長戦略スピーチ」をしました。首相はその中で、待機児童問題にかなり詳しく触れて、終わりに次のように決意を述べました。
「平成25・26年度の二年間で、20万人分の保育の受け皿を整備します。さらに、保育ニーズのピークを迎える平成29年度までに、40万人分の保育の受け皿を確保して、待機児童ゼロを目指します」
平成26年11月21日、安倍内閣総理大臣記者会見(衆院アベノミクス解散)でも、次のように述べています。
「2年間で20万人、5年間で40万人分の保育の受け皿を整備し、待機児童を無くしてまいります。更に学童保育についても待機児童ゼロを実現していく。そのスケジュールは全く変わりません。女性の輝く社会を実現する。この安倍内閣が掲げた旗はこれからも高く掲げてまいります。
平成29年9月25日、安倍内閣総理大臣記者会見(衆院「国難」解散)では、「
2020年度までに32万人分の受皿整備を進めます」と言っています。
このようにくり返して「待機児童ゼロ施策」をはなしています。これもまた、今さら「国難」とはお笑い種です。これを「国難」と言うなら、口から出まかせの演説ばかりで何もしてなかったの? ということになります。
このように、安倍首相はどんな場合でも、少子化対策を常に意識してスピーチをしています。これを「国難」と言いますか?
[通常国会閉会~解散までの経過]
○ 通常国会 閉会
○ 閉会後 森友・加計ともに新事実が次々と
○ 閉会中審査
○ 4野党、憲法53条による臨時国会早期召集を自民党に要求
○ 自公、臨時国会早期召集に難色 憲法53条軽視または無視
○ 内閣改造 仕事人内閣を標榜 → 「森友・加計逃れ」改造内閣
○ 臨時国会召集と同時に冒頭解散 → 「森友・加計逃れ」解散 → 事実上
の臨時国会なし → グレーゾーン違憲
8月3日、官邸において改造内閣の大臣紹介をして仕事人内閣を標榜し、記者会見で内閣改造の意義を述べ、9月25日、「二つの国難」解散動機を説明し、消費税増税の使途その他の公約を説明する。……この支離滅裂さと、「森友・加計」保身と、自らの総理長命化という政治的野心のために、解散総選挙を行った。
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■平成25年4月19日
■安倍総理「成長戦略スピーチ」(日本記者クラブ)
――略――
さて、ようやく、私の成長戦略の中核である「女性の活躍」について、お話させていただきます。
――略――
<待機児童について>
「待機児童」は、全国で2万5千人ほどいます。深刻です。しかし、「全国で最も待機児童が多い」という状況から、あの手この手で、わずか3年ほどで、待機児童ゼロを実現した市区町村があります。「横浜市」です。
やれば、できます。要は、やるか、やらないか。私は、待機児童の早期解消に向けて、このいわば「横浜方式」を全国に横展開していきたいと考えています。
まず、これまで国の支援対象ではなかった認可外保育施設についても、将来の認可を目指すことを前提に、力強く支援します。
これまで支援の対象としてこなかった20人未満の小規模保育や、幼稚園での長時間預かり保育も、支援の対象にします。
さらに、賃貸ビルなども活用して、多様な主体による保育所設置・新規参入を促すとともに、事業所内保育の要件を緩和して、即効性のある保育の受け皿整備を進めてまいります。
保育士も確保しなければなりません。
保育士の資格を持つ人は、全国で113万人。しかし、実際に勤務している方は、38万人ぐらいしかいません。7割近い方々が、結婚や出産などを機に、第一線から退き、その後戻ってきていません。保育士の処遇改善に取り組むことで、復帰を促してまいります。
このような総合的な対策である「待機児童解消加速化プラン」を用意しました。
「子ども・子育て支援新制度」のスタートは、2年後を予定しておりました。しかし、そんなに時間をかけて、待ってはいられません。状況は、深刻です。そのため、今年度から、このプランを直ちに実施します。
平成25・26年度の二年間で、20万人分の保育の受け皿を整備します。さらに、保育ニーズのピークを迎える平成29年度までに、40万人分の保育の受け皿を確保して、「待機児童ゼロ」を目指します。
その実現のためには、保育の実施主体である市区町村にも、同じ目標に向かって、本気で取り組んでもらわなければなりません。政府としても、最大限の努力を行い、意欲のある市区町村を全力で支え、「待機児童ゼロ」を目指します。
■平成26年11月21日
■安倍内閣総理大臣記者会見(衆院アベノミクス解散)
本日、衆議院を解散いたしました。この解散は、「アベノミクス解散」であります。アベノミクスを前に進めるのか、それとも止めてしまうのか。それを問う選挙であります。連日、野党は、アベノミクスは失敗した、批判ばかりを繰り返しています。私は、今回の選挙戦を通じて、私たちの経済政策が間違っているのか、正しいのか、本当に他に選択肢はあるのか、国民の皆様に伺いたいと思います。
――中略――
アベノミクスの成功を確かなものとするために、私は、消費税10%への引上げを18カ月延期する決断をいたしました。
消費税引上げを延期する以上、社会保障を充実させるスケジュールも見直しが必要です。しかし、子育て世代の皆さんを応援する、その決意は揺らぎません。子ども・子育て支援新制度は来年4月から予定どおり実施します。
2年間で20万人、5年間で40万人分の保育の受け皿を整備し、待機児童を無くしてまいります。更に「小1の壁」を突き破り、学童保育についても待機児童ゼロを実現していく。そのスケジュールは全く変わりません。女性の輝く社会を実現する。この安倍内閣が掲げた旗はこれからも高く掲げてまいります。
――中略――
私たちは景気を回復させて、企業が収益を上げる状況をつくり、そして、それが皆さんの懐へと回っていく、この経済の好循環を力強く回し続けることで、全国津々浦々に至るまで景気回復を実感できる、この道しかないのです。
景気回復、この道しかありません。そのことをこの選挙戦を通じて、皆さんにしっかりと訴え続けていきたいと考えています。
■平成28年7月27日
■一億総活躍・地方創生全国大会in九州 安倍総理講演
皆さん、こんにちは。安倍晋三でございます。
本日は、一億総活躍と地方創生という、安倍内閣の二大看板政策を「盛り上げていこう」ということで、九州中から、また全国から、たくさんの皆さんにお集まりをいただき、こうしてお招きをいただきましたことに対しまして、まずは厚く御礼を申し上げたいと思います。
この7月は、3年に一度の参議院選挙、勝負の月でありました。その結果がどうなるか、まだ全く分からない時点で、石原さんから講演の依頼をいただきました。果たして、頂いたテーマでこの場で明るくお話しができる環境なのかどうか、不安があったわけでありますが、その結果「アベノミクスを力強く前に進めよう」との新たな高揚感とともに、この場にやってくることができました。全国各地域で、与党または我が党の候補に対して御支援をいただいたこと、この場をお借りしまして厚く御礼を申し上げたいと思います。
今回の選挙の結果、昨日から、我が自由民主党は、参議院で122議席、単独過半数の議席を有することとなりました。これはなんと27年ぶりのことであります。私の初当選は24年前ですから、政治家人生で初めての経験と言えることになります。それほどまでの、安定した政治基盤を、国民の皆様から頂いたことに、身の引き締まる思いがしております。
友党・公明党も議席を増やしました。今後とも、長年の風雪に耐えた「自民党と公明党の連立」という強固な土台の上に、互いに助け合いながら、あらゆる政策を一層力強く推進していかなければならない。そう決意をしております。
子育て中の人、親の介護をしている人、難病や障害のある人、一度失敗を経験した人、人生経験豊かな高齢者の皆さん、恐れを知らない若者たち。多様な人々が、多様な経験や視点を持ち寄ることで、これまでにない社会の活力が生まれると思います。
これが、「一億総活躍社会」なんですね。
その実現のための最大のチャレンジが「働き方改革」であります。
多様な事情を抱えた人たちが、生きがいを感じて活躍できる。そのためには、高度成長時代の「モーレツ社員」のような、長時間働いたことを自慢するような社会は、根本から改めなければなりません。長時間労働を是正してまいります。
さらに、多様な働き方が可能な社会を創る。そのためには、「正規か非正規か」という雇用形態にかかわらない均等待遇を確保する必要があります。同一労働同一賃金を実現し、「非正規」という言葉を、この国から一掃したい。そう決意をしております。
これは、社会全体の所得の底上げにもつながっていきます。
アベノミクスの成果を広く行き渡らせることは、消費の拡大を通じて、次なる成長とデフレ脱却の大きな原動力となるはずです。
――中略――
アベノミクスの果実を生かして、「経済の好循環」を社会全体で力強く回していくことで、GDP600兆円という目標に向かって、成長のスピードを上げていく。「働き方改革」は、成長戦略においても、最大の武器であると考えています
。
一億総活躍に向かって、私は三つの的を掲げました。GDP600兆円に加えて、希望出生率1.8、そして介護離職ゼロであります。
介護しながらも仕事が続けられる。高齢化が進む時代にあって、社会の活力を維持するためには、現役世代が安心して仕事を続けられる環境整備が急務であります。
仕事と介護の両立できる社会を目指し、介護の受け皿を50万人分整備する目標を掲げました。今回の
経済対策により、この流れを加速したいと考えています。
子育てと仕事の両立も重要です。安倍内閣では、政権交代前の2倍のペースで、保育の受け皿づくりを進めてきましたが、来年度末までに合計で50万人分を整備します。
■平成29年6月19日
■安倍内閣総理大臣記者会見(通常国会閉会)
【安倍総理冒頭発言】
昨日、通常国会が閉会しました。
4年前、政権奪還後の最初の通常国会において私は、建設的な議論を行い、結果を出していこう、こう各党各会派に呼び掛けました。その原点は今なお変わることはありません。
しかし、この国会では建設的議論という言葉からは大きく懸け離れた批判の応酬に終始してしまった。政策とは関係のない議論ばかりに多くの審議時間が割かれてしまいました。国民の皆様に大変申し訳なく感じております。
印象操作のような議論に対して、つい、強い口調で反論してしまう。そうした私の姿勢が、結果として、政策論争以外の話を盛り上げてしまった。深く反省しております。
(注)通常国会の期間中に国会の内外で何十回となく「印象操作」ということばを使いました。語彙の貧しい人です。そのうえ自分に異論を唱える人に対して「印象操作」だけで片付ける心の狭い人、度量のない人です。
また、国家戦略特区をめぐる省庁間のやり取りについて、先週、文部科学省が徹底的な追加調査を行った結果、新しく見つかったものも含め、文書を公開しました。これを受け、内閣府の調査も行い、関係する文書等を明らかにしました。
(注)現実には、「記憶にない」「言ってない」「記録は廃棄済」「記録は不存在」のオンパレードで国民の不信を招いた。
しかし、最初に調査した段階では、それらの存在を確認できなかった。二転三転した形となり、長い時間が掛かることとなりました。こうした対応が、国民の皆様の政府への不信を招いたことは、率直に認めなければなりません。
信なくば立たずであります。
何か指摘があればその都度、真摯に説明責任を果たしていく。
先週も調査結果の発表後に予算委員会の集中審議に出席いたしましたが、4年前の原点にもう一度立ち返り、建設的な議論を行い、結果を出していく。そうした政治が実現するよう政権与党としての責任を果たしてまいります。
(注)通常国会の「森友・加計問題」審議が建設的でなかったと言うのでしょうが、安倍首相本人が疑惑の対象であり、官僚たちが事実を話せない環境に置いたからだ。疑惑対象である安倍昭恵夫人、加計孝太郎理事長も国会審議や報道から逃亡したままだった。いや、相手は奥さんと親友なのだから、安倍首相が保護したというのが本当だろう。
国民の皆様から信頼が得られるよう、冷静に、一つ一つ丁寧に説明する努力を積み重ねていかなければならない。その決意をこの国会の閉会に当たって新たにしております。
(注)実際は、大量のおしゃべりを早口でやりながら、こちらの知りたいことには何もしゃべらず。そのまま選挙入り。そこここに何本も立つ日章旗や振られる日の丸手旗の聴衆に向かって、得意な話題である国難「北朝鮮の脅威」を話すだけ。「私は国家・国民を守る」と。
■平成29年8月3日
■安倍内閣総理大臣記者会見(改造内閣発足)
【安倍総理冒頭発言】
先の国会では、森友学園への国有地売却の件、加計学園による獣医学部の新設、防衛省の日報問題など、様々な問題が指摘され、国民の皆様から大きな不信を招く結果となりました。
(注)2017.7.11.毎日新聞朝刊が7月7~9日の報道各社調査の内閣支持率を伝えた。 朝日 33% / 読売 36% / NHK 35% / 日本テレビ 31.9% この支持率急落によって、人心を一新するための内閣改造となった。
そのことについて、冒頭、まず改めて深く反省し、国民の皆様におわび申し上げたいと思います。
国民の皆様の声に耳を澄まし、国民の皆様とともに、政治を前に進めていく。
5年前、私たちが政権を奪還した時のあの原点にもう一度立ち返り、謙虚に、丁寧に、国民の負託に応えるために全力を尽くす。一つ一つの政策課題にしっかりと結果を出すことで、国民の皆さんの信頼回復に向けて一歩一歩努力を重ねていく。
その決意の下に、本日、内閣を改造いたしました。
今回の組閣では、ベテランから若手まで幅広い人材を登用しながら、結果重視、仕事第一、実力本位の布陣を整えることができたと考えています。
(注)このことば52日間の虚しさよ。安倍首相が胸を張って記者会見で話した虚言。
最優先すべき仕事は経済の再生です。安倍内閣は、これからも経済最優先であります。
■平成29年9月25日
■安倍内閣総理大臣記者会見(衆院解散)
(注)「北朝鮮危機・少子高齢化」国難突破解散であると表明した
【安倍総理冒頭発言】
5年前、国民の皆様のお力を得て政権を奪還しました。当時、私たちが公約に掲げた大胆な金融政策には大変な批判がありました。しかし、総選挙で勝利したからこそ実行に移すことができた。アベノミクス三本の矢を放つことで日本経済の停滞を打破し、マイナスからプラス成長へと大きく転換することができました。
今、日本経済は11年ぶりとなる6四半期連続のプラス成長。内需主導の力強い経済成長が実現しています。
――中略――
この5年近く、アベノミクス改革の矢を放ち続け、ようやくここまで来ることができました。今こそ最大の壁にチャレンジするときです。
急速に少子高齢化が進むこの国が、これからも本当に成長していけるのか。この漠然とした不安にしっかりと答えを出してまいります。それは、生産性革命、そして人づくり革命であります。この2つの大改革はアベノミクス最大の勝負です。
――中略――
幼児教育の無償化も一気に進めます。2020年度までに3~5歳まで、全ての子供たちの幼稚園や保育園の費用を無償化します。0~2歳児も、所得の低い世帯では全面的に無償化します。待機児童解消を目指す安倍内閣の決意は揺らぎません。本年6月に策定した子育て安心プランを前倒しし、2020年度までに32万人分の受皿整備を進めます。
2020年代初頭までに、50万人分の介護の受皿を整備する。最大の課題は、介護人材の確保です。これまで自公政権で月額4万7,000円の改善を実現してきましたが、他の産業との賃金格差をなくしていくため、さらなる処遇改善を進めます。
―略―2兆円規模の新たな政策を実施することで、この大改革を成し遂げてまいります。
――中略――
しかし、そのつけを未来の世代に回すようなことがあってはならない。人づくり革命を力強く進めていくためには、その安定財源として、再来年10月に予定される消費税率10%への引上げによる財源を活用しなければならないと、私は判断いたしました。
2%の引上げにより5兆円強の税収となります。
現在の予定では、この税収の5分の1だけを社会保障の充実に使い、残りの5分の4である4兆円余りは借金の返済に使うこととなっています。この考え方は、消費税を5%から10%へと引き上げる際の前提であり、国民の皆様にお約束していたことであります。
この消費税の使い道を私は思い切って変えたい。子育て世代への投資と社会保障の安定化とにバランスよく充当し、あわせて財政再建も確実に実現する。そうした道を追求してまいります。増税分を借金の返済ばかりでなく、少子化対策などの歳出により多く回すことで、3年前の8%に引き上げたときのような景気への悪影響も軽減できます。
他方で、2020年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成は、困難となります。
この解散は、国難突破解散であります。急速に進む少子高齢化を克服し、我が国の未来を開く。北朝鮮の脅威に対して、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この国難とも呼ぶべき問題を、私は全身全霊を傾け、国民の皆様と共に突破していく決意であります。