1等航海士と豚インフル
私の住まいの近くに、豪華客船の1等航海士が住んでいます。年齢は三十代、180cmくらいの長身でハンサム。人当たりが良くて謙虚な人柄です。この人はいま2年間の陸上勤務とかで、船を離れています。船を離れているとはいっても、航海コースの企画や寄航地の世話や手配などいろいろとあるらしく、国内・海外ともに頻繁に出張しています。
ちょっとした用事があって、きょうのお昼、さきほどその1等航海士の携帯に電話を入れました。きょうは休みだと思っていたら、出勤していますということでした。
豚インフル対策でずっと緊急会議をしているのだと言います。おそらく会社の豪華客船はお客をたくさん乗せて、海外の各地を寄航しながら船旅をしているのでしょう。
寄航地の変更があるかもしれません。その変更はしろうと考えでも、数多くの手続きが必要になることがわかります。寄航地の上陸がかなわないかもしれません。それなら豪華客船での船旅の楽しみが損なわれるでしょう。燃料をはじめ、運航経費がどうなるかという問題もあるでしょう。旅客への一部旅費返却もあるかもしれません。
WHO警告のメキシコに向かった新婚さん
WHOのフェイズ4という警告が出たわけですが、フェイズ3の発表が出た時点で、「いまさら中止はできない」とメキシコに向かう新婚さんがテレビニュースに出ていました。
私はそれを見てあきれました。仕事ならやむをえない。しかし、私用でWHOの警告地域に出かける愚かしさにあきれました。
もし、万一、豚インフルに感染したり、その疑いが持たれたりすれば、恐ろしいほど多くの人に迷惑をかけることになります。ほかの人に感染しなくても、防疫のために動員される医療・検疫機関の人員・費用、それによる運輸機関、物販店、飲食店などの逸失利益は莫大なものになるでしょう。
もし、メキシコに観光に行った新婚客が豚インフルに感染したとしたら、そういう大変なめいわくを社会に及ぼすことになります。余りに利己的に過ぎる旅行、と思いませんか。