川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
★自分用メモは、新聞・Webなどのノート書きです。

買いだめと大商社魔女狩り批判の記憶

2010-08-31 14:10:14 | Weblog


古い話を持ち出します。

1973年(昭和48年)10月、第四次中東戦争勃発。それにともなう石油危機をきっかけにして、極端な物不足が起きました。当時、私は東京の会社に勤める若いサラリーマンでした。時は今太閤と呼ばれて大人気の田中角栄首相の時代です。

勤務先の会社の独身寮が地下鉄「中野新橋」駅裏にありました。会社にはここにマンションを建築する計画がありましたけれど、生コンの価格高騰が激しいために、着工をいつにするか悩んでいました。そして、悩んでいるという話を聞いてからそんなに月日が経たたないうちに、建築計画が中止になりました。その理由は、「生コンが手に入らない」というものでした。

同じころ、1973年(昭和48年)の歳末だったと思いますが、京都で小さい小さい喫茶店をやっている母から電話が入りました。生活必需品は店頭に並びしだい、すぐに売り切れるという狂乱状態がつづいていました。

「店で使う砂糖がどないしても手に入らへん。店を閉めんならん。東京で手に入らへんか」

喫茶店を営業できなければ生活できません。非常事態。私が勤める会社は新宿2丁目にありました。夕方でしたが、すぐに会社を抜け出してスーパーに行きました。その店がどこにあったかなど細かいことはもう記憶にありません。店に行きましたらなんと幸運なことか、ちょうどダンボール箱から砂糖を出して棚に積み上げ始めたところでした。私はダンボール1箱分をそのまま買って、その日のうちに京都に送り出しました。

中東戦争による石油ショックで、日本経済は混乱状態にありました。そのころ、全国どこでもいろんな物資・品物が不足して、生活や生産に障害が起きていました。全国どこでも、生活必需品が入荷すると同時に売り切れになりました。そのありさまを、私はテレビニュースで見ていました。モノがなくなるという不安が人々の間に蔓延していました。

「誰かが買い占めているからモノがなくなる」とは、すぐに思いつくところです。また子どものいる家庭で、おかあさんがモノ不足に備えて買いだめに走るのは当然です。誰しもが生活防衛のための買いだめを経験していました。誰かが買い占めているにちがいないと思いつくのは当然のなりゆきです。

大商社がいけにえになりました。モノ不足は大商社が買占めをして出し惜しみをしているからだ。そいういう非難の大波が大商社に押し寄せました。三井でも三菱でも伊藤忠でも商社ですから、もうけるためにそういう部分がきっとあったでしょう。でも、ほかの企業もたくさん商いレースに参加しています。政府・地方自治体の対応遅れもあったでしょう。誰よりも、列島改造ブームという当時のバブル経済そのものが主犯でした。しかし、大商社だけが極悪人のように言われていました。

それは大きな経験でした。仕立てられたいけにえに、不満の矛先をつき向ける。正義の装いをまとって。私たちの心にはそういう気持ちが潜んでいます。

古いアメリカ映画の西部劇でリンチで絞首刑にするシーンを思い起こしました。学生自分に読書で学んだ、西洋中世の魔女狩りを思い起こしました。東京で、私の生活の場所で、生コンがなくてマンション建設が中止になりました。私自身が砂糖の買いだめに走って、京都の母に送りました。人々の気持ちが一つの方向に熱狂的に走るときは、何かがある。


コメント

民主党は分裂して出直した方がいい

2010-08-27 13:49:09 | Weblog


政権交代から1年が過ぎました。民主党政権に失望している人は多いでしょう。民主党は分裂して、出直した方がいいと思います。


甘チャン
民主党連立政権の新大臣や副大臣たちは昨年末の通常国会で、野党の質問に対して「自公政権の失政のツケだ」、「アナタに言われたくはない」と連発しました。居直りです。

昨年9月に政権交代したのですから、12月ごろの問題は自公政権時代の政治のツケだというのは正しい。けれども「それを正す」という旗印で政権を取ったのですから、「ツケ」とか、「言われたくない」とかの口上は卑怯です。私はこのありさまを見て、民主党の大臣たちの人間性を信頼できないと思いました。

政治家には力強さが求められます。口ばかり達者で、アンタが悪いとばかり言い募る甘チャン揃いでは頼りにできません。


身勝手で口先勝負
2007年参院選で、民主党は夢のようなマニフェスト(政策)を掲げて大勝しました。当時の与党が、財源批判をしました。政策には実現のための根拠が必要です。利害や意見の対立と、良い政策のためには常に不足している財源と、これらを調整し妥協させて政策が実現できます。100%の実現はあり得ないでしょう。しかし、野党時代の民主党は実行可能性への批判を一蹴して、「でき得る」として国民に約束しました。この一年の民主党政治を見れば、それらが詐欺的な約束だったことは明らかです。

野党時代の民主党は、政府を追いつめるためには日銀総裁を空席にすることを厭いませんでした。ガソリン税を短日月の間、失効せしめました。すぐに復活するのがわかっていながら、無用な混乱を引き起こしました。力を見せつけるためです。政権与党になった後の国会運営においても、前例のない独断・強行を連発して身勝手な強引さを見せました。

政権を取るために掲げた公務員改革は、実質的なところで何も進んでいません。みんなの党が批判をくりかえしている通りです。年金も保険も、政権交代1年になっても、手をつける気配がありません。ガソリン税はパーになりました。高速道路無料化も社会実験の名の下にパーになりそうです。

私はもともと、財源確保と温暖化対策の観点で、ガソリン税維持、高速道路有料維持の意見です。


恩知らず
小沢一郎は民主党にとって政権奪取の大功労者です。私にとっては闇の独裁者です。かばうべき理由がありません。しかし民主党有力者の多くが大功労者を足蹴にする姿は、私には「恩知らず」とうつります。カネの黒い疑惑で世間が小沢批判一辺倒であることを、小沢排除権力闘争に利用しています。要職に置けずとも、功労者として党内で尊重する形が、菅首相一派の有力者にあるべきでしょう。恩知らずの人は人間的に信頼できません。


国家運営方針がわからない
鳩山前首相は「友愛政治」を掲げました。安倍元首相が「美しい日本」を掲げたときと同じように私は落胆しました。ことばだけで具体的な裏づけがなにもありません。名家の子には世俗の生活がわからないのでしょう。

平成に入ってからというもの、私たちふつうの人々の生活はきつくなるばかりなんです。友愛に満ちた暮らしも、美しい暮らしも、夢の向こうのかげろうなんです。

菅首相に変わりました。その第一声、消費税増税10%! 生活にパンチです。ほかにはまだ何もわかりません。きょうのニュースで小沢への激しい闘志を見せる菅首相を見ました。菅首相も、ふつうの人々にとって味方になってくれそうにありません。

どちらにしても、民主党が話題になるときはいつでも、小沢流か非小沢流かが軸になります。一日も早く小沢流人脈と非小沢流人脈が分裂して、民主党が一から出直すことを期待します。そして、もっと議員本人の人間性の厚みを鍛えてほしい。総体として軽薄で信頼性に欠ける印象が強い。私のようなふつうの人々は「自助の力」が弱いものですから、政治を頼りにしたいのです。


コメント

人を見分ける単純な基準

2010-08-24 15:47:39 | Weblog


私には長年の生活経験から、人を見分ける単純な基準があります。

まず論外なのは、見るからに悪そうな人。悪人面と悪い空気を体から発散している人です。近づくと何かえらい目に会いそうな人です。そして威張り屋さんも論外です。とにかく人を見下して威圧的な人です。従属的な関係を強いられます。この論外二種族は、社会に出てから二、三十年の生活経験のある人でしたら、直感的に見分けています。

私の個人的な基準は次の二つです。

一に、決めつけて人に意見を言わせない人。このタイプの人は独善的です。小泉元首相や前原国交相なんか、このタイプではありませんか。

二に、口達者で、滑り台をすべり降りるような感じの話し方をする人。このタイプの人は言葉に頼って行いをおろそかにします。民主党の枝野幹事長は、民主党のスポークスマンというより、リップサービスマンというように私は感じ取っています。

(追記2019.05.18.)このタイプで今最悪の人物は安倍晋三首相だと、私は思います。枝野幸男衆院議員については、話し方やしぐさに落ち着きが出て良い方に変わったと、今では好感を持っています。

この二つの人種は、自分のことばかりが先に立って、ほかの人を尊重しない傾向があります。人を尊重しない人柄ということは、人を踏み台にしても足蹴にしても、またはしごを外しても、悪意なくして心の痛みを感じない傾向にあります。

当人がまじめで悪意がなくとも、ふつうの人は力で負け口で負けてしまいます。お近づきになれば、利用されるだけで終わってしまいます。

要するに、いろいろな人に共感を覚えるタイプの人でなければ人を大切に扱うことができません。人を大切に扱う人でなければ、弱者にやさしい政治ができません。


コメント