川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
★自分用メモは、新聞・Webなどのノート書きです。

<吉本騒動> お笑い大企業「吉本興業」大崎会長インタビュー(毎日新聞記事2019.7.14.転載)

2019-07-30 18:02:53 | Weblog
2019-08-01
安倍首相が吉本新喜劇に出演、官民ファンドが大阪・沖縄で吉本興業に出資、大阪市は吉本興業と包括連携協定締結


安倍首相の2019.4.20.吉本新喜劇出演以後、吉本興業のニュースを追っていて、吉本興業はわたしが思い込んでいた芸能プロダクションではなくて、実際は、政治や行政とコラボレーションしている(悪く現れるときは「癒着」している)スケールの大きいエンタメ企業なんだと認識をあらためました。

2019.6.7.発売の週刊誌「フライデー」が人気芸人宮迫博之さんが反社会的人間の主催するイベントに出演したと報じました。これに始まって吉本興業の芸人管理やタレント契約のあり方について内部騒動がもちあがっています。

吉本興業は政治・行政とも手を結んでいて、社会的影響力の大きいエンタメ大企業です。この問題について毎日新聞が吉本興業HD大崎会長にインタビューをしています。テレビを見て笑っているだけではわからなかった、吉本興業トップの考え方です。

批判は差し置いて、記事(毎日新聞 2019年7月14日 05時01分)を転載します。

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吉本興業HD・大崎会長「ウソは一番アカン、原因突き止めチャレンジ」 一問一答 詳細  毎日新聞 2019.7.14. 05:01


 所属芸人が反社会的勢力のパーティーに会社を通さず出席して謝礼を受け取っていた問題などについて、大崎洋・吉本興業ホールディングス(HD)会長に聞いた。一問一答は次の通り。【聞き手・油井雅和】


謹慎期間、本人が決める手伝いを

 ――これまでコンプライアンス対策に力を入れてきたが、今回の件をどう思うか。

 ◆よりによって、お年寄りをだました金を、知ってる知らなかったでなく、結果として受け取ったというのは、大バカ野郎ですし、ウソついたことない人間はいないでしょうが、ここ(宮迫博之さんらが金は受け取っていないと主張していたこと)は一番アカンやろ、ということ。それが若者だったらいざ知らず。これは、うーん、残念無念です。

 ――今の段階で社内ではどんな作業をしているのか。

 ◆(謹慎中の芸人)13人は毎日会社に来て、自分でまず考えること、担当マネジャーと話して考えること、みんな集まってグループで考えることを繰り返している。そもそもの原因や、気の緩み、問題点、今後どうするのか、被害者へのおわびなど。修正申告は済ませた。

 ◆(宮迫さんらの)謹慎期間をどれぐらいにするかとか、進退をどうするかとかは、本人が決めることだと思う。会社も一緒になって悩み、考え、本人が決めることの手伝いをしたい。フリーダイヤルで24時間のホットラインを設けて、何か不安があったらすぐに電話をと、10年近くやってきた。でも、この結果なんで、まだまだ道半ば、何事も完璧にはならないとはいえ、緊張感を持って、管理していくというイメージではなく、のびのびと自由な発想の場で、芸人たちを遊ばせながら、社会にも少しは役立てるよう、日々改良していくということしかない。


コンプライアンス対策「忘れず続ける」

 ――コンプライアンス対策で足りなかった部分があるとしたら、なにか。

 ◆結果としてこのようなことがまた起こった。100%完璧ではなかった。それを目指して非上場化したり、やってきたつもりだが、まだまだ足りないところがあると強く思った。コンプライアンス研修を実施し、小冊子も作り、定期的に警察の方を迎えて、毎年毎年、47都道府県、全芸人に繰り返して話をしてきたのに、まだ漏れがあった。より徹底する、日々それを忘れないで形骸化することなく続ける、あとは社員を含め、それぞれが社会人として自立する、強い意識を持つ、ということを毎日繰り返すということしかないと思っている。

 ――仕事相手が反社(反社会的勢力)といっても見分けがつかない。芸人の仕事に会社がタッチしていれば反社の可能性は小さくなる。どこから手を付けるか。

 ◆反社なのか半グレなのか、最近ますますわからなくなっている。かっこいいアイドルみたいな兄ちゃんだって、反社の人ということもある。非上場にして、反社を断ち切ったが、また今回、残念ながらこういう事件が起こってしまった。今一度、社員、芸人、一丸となって、共同確認書を作ることにした。これをひとりひとりに手渡して、文面を読んで、会話をして、ということを、7月中にやろうというのを始めたところだ。


「直の仕事はダメ」言ったことない

 ◆会社を通さない仕事、「直(ちょく)」「ショクナイ(内職)」の件だが、今までも「直の仕事はしたらダメだ」と、会社は言ったことはない。もちろん会社として、「直接仕事取って自由にやったらええで」と声に出して言ったことはないが、「ダメだ」と言ったこともないと思う。それは、「親戚のめいっ子の結婚式の披露宴の司会頼まれたので行ってきます」、あるいは、「お父ちゃんの行ってる会社の20周年のパーティーで漫才してって言われたんで行ってきます」、それに対して「そうなんや、気いつけて行っておいでな」という形でずっとやってきたので、程度の問題だし、芸人やマネジャーのそれぞれの判断ではあるが、「『直』したらあかん」と言ったことはない。もちろん、勧めたこともない。

 ◆ただ、今回残念だったのは、反社のところだった。直接頼まれた仕事でも、会社を通してくれれば、反社チェックをやるので、これからはすべて、会社に事前に報告してね、ということだ。


契約書を超えた信頼関係

 ――「ほとんどの所属芸人が紙で契約書を交わしてない。それが原因の一つだ」との意見もある。

 ◆会社と芸人との専属実演家契約に関しては、文書で契約書を作る形と、口頭で契約する「諾成契約」がある。吉本の場合、ほとんど諾成契約でやってきた。それは100年以上の歴史で、劇場を中心とした家族的な付き合いの中で、わざわざ身内でそんな契約書交わしたって意味ないだろうし、紙で書いた契約書を超えた信頼関係、所属意識があって、吉本らしさがあるのだから、そんな内輪で紙書いたってなあ、という認識でやってるだけで、契約はある。

 ――今回の件を受けて、諾成契約から紙の契約書にするという考えはあるか?

 ◆ない。それは身内で水臭いということがあるし、もちろん、両方ともに、メリットもデメリットもあると思う。芸人って80(歳)になっても90(歳)になってもいてるんで、吉本のドアをノックした時から、一生の付き合いやな、という関係ができているので、そういう意味ではこの方が吉本らしいし、かつ僕はマネジメント、エージェントとしてもいいと思っている。


マネジャー増やせば門戸を閉ざす

 ――1人の社員が何人もの芸人を担当している。「社員が足りていないのでは」との批判もあるが。

 ◆もちろん、アーティストマネジメントの一番正しい形はマンツーマンだと思うが、ではマンツーマンでその人のマネジャーの給料や管理費を払えるかといえば、払えない子がいっぱいいる。その中で、複数を担当する、という中で、吉本しか行くところがない、吉本が大好きなので、どうしても吉本に来たい、という子供たちに門戸を閉ざすというのは、僕は違うと思う。その子が行き場を失うということにしかならない。なんでもかんでも、ではないが、熱意があってお笑いが好きで吉本が好きで、いつかスターになってみんなを笑わしてお金持ちになりたい、という子は、おいで、どうぞ、というスタンスだ。

 ――生活のためにアルバイトをしている芸人もいる。最低限の生活保障をすべきだとの意見もある。一方、芸の世界は競争社会。保障したら芸がダメになるということもあると思うがどう考えるか。

 ◆それ(生活保障)も一つの方法かもしれないが、それが本当に果たしてその子のためになるかといえば、ならないと思う。いつか一本立ちできるよう頑張ろうと、思い悩みながら日々努力を重ねている中で、何十年かかって自分の芸を完成させようとしている。

 ◆じゃあ何十年、生活費を毎月20万、30万、渡しましょうか、というのは、論理的にもおかしい。温室育ちの植物よりも、自分の手で風に乗って荒れ地に種が飛んで根をはやし水分を吸収し、太陽を受け大きくなった植物の方が強い、おいしいと言われる。たとえがよくないかもしれないが、芸人もそうだと思う。それを温室に入れて、生活費は心配しないで毎月30万払いますから、一生頑張りなさいというのがいいかといえば、そうではない。もちろん、つらい仕事もいっぱいあると思うが、それを乗り越えて、特に表現する人たちは一生かかって自分のスタイルができる、それを目指すというのが、正しい芸の道だと思う。


「政府ヨイショ」は違う

 ――先日、安倍晋三首相が、大阪・なんばグランド花月に出演した。公的機関との仕事も増えている。「お笑いの政治利用だ」などの批判もあるが。

 ◆安倍首相が花月に出て、今の政権のプロパガンダに利用されているのではないか、とか、意見があるが、別に体制におもねってるわけでも、体制の手先になってるわけでもない。あれはG20で大阪府民、市民に交通規制などで迷惑をかけるので理解してほしいという安倍首相の思いに、より広く伝える方法として吉本新喜劇を選んでいただいた。確かに大阪の人たちは吉本だったらよく見てくれてるし、安倍さんが出たら話題になるし、テレビでも放送されて、視聴率もよくって、少しは周知が広がる。僕たちでよければ、お役に立てるなら花月に来てくださいとお招きをしたわけです。それは政府をヨイショしてるとかとは全く違うこと。権力に対して正しいことは正しい、お手伝いさせてもらえるならさせてもらいたいと明言しますし、それは違うんじゃないですかということがあれば、違うじゃないですかと、普通のことをしたいと思う。

 ◆もちろん芸能は、ヒトラーの時代、戦争の時代も含めて、利用されやすいという過去の歴史があった。だからといって、それとこれを一緒にされるのは嫌だなと思う。

 ◆公的機関から、お手伝いの話があれば、受けているし、そういう仕事が増えている。芸人の意識も変わってくると思うし、(地方公共団体などとの仕事で)地元の人と苦労して課題を解決しようという子がいれば、悪さをしなくなるだろうし、間違ったこともなくなると思う。こんなお笑いの会社でも小さなことしかできないけれども、少しでも役に立てるならありがたい。

 ――まさか(新喜劇のベテラン)池乃めだかさんや(座長の一人)すっちーさんが安倍さんと共演する日が来るとは思わなかった。

 ◆聞いた話だが、めだかさんと安倍さんのツーショットが動画や写真で世界中に広がって、安倍さんが次に行かれた国の大統領さんか偉い人が、たまたまそれを見ていて、「この人はどういう人ですか?」と聞かれ、話が盛り上がったそうだ。バカバカしいというか、そんなことでもお役に立てたというなら、めだかさんも新喜劇の連中も喜んでくれていると思う。


「ギャラが安い」言われる理由は

 ――所属芸人は「吉本はギャラが安い」とよく話す。会社もその発言を止めることはないが、吉本のギャラについての基本的な考え方は?

 ◆僕たち社員はサラリーマンなので、蛇口をひねれば水が出る。でも芸人は「井戸掘り当てたろ」と考えている。喉かわいてるけど井戸掘り当てたら浴びるほど水飲める、そっちを選んだ、あるいは選ばざるを得なかった。

 ◆「劇場に出て最初のギャラが100円、200円やった」と、芸人は笑いを取ろうと話すが、お客さんはトップの芸人を見に来ている。漫才3分しても一度も笑いがない。それでも舞台に出してもらっている、プロとして吉本の舞台に出たんだから、たとえ1円でも払ってあげないといけない、その200円だと僕は思っていて、そうした発言をニコニコ見てる。芸人が吉本に不平を言ってることも、甘えてるということもあるだろう。そこには先輩たちへの感謝は忘れていないと思うが、その200円だけ番組で切り取られて、「えーっ?」となることもある。それをいちいち呼んで、「それはこうだよ」というのも嫌なので。

 ◆テレビの番組で、同じランクの吉本のタレントと別の事務所の子が出ていて、「他の事務所はギャラ10万、吉本は5万、どういうこと?」「吉本取りすぎちゃうの?」ということがある。吉本はこのタレントは10万で交渉して5万払った、ある事務所は50万で交渉して10万払ったとする。これはいろんな考え方があって、「50万で交渉したマネジャーがすごい」というのも事実だし、「うちの社員は10万で売ったけれど、この芸人は今、数をこなすほうが経験も増やせていいと思い10万で交渉した」ということもあり、一概に同じ番組で同じランクの芸人で、「オレ5万だけどあいつ10万だった」というのはそもそも違う。

 ◆もっと言うと、CM1本出て1億円の芸人がいれば、同じランクだけど「1000万円でいいです、でも10本やります。その方がいいです」という芸人もいて、それはそれぞれやり方がある。それは会社と芸人さんの信頼関係というか、あうんの呼吸だと思う。

 ◆(9対1=会社の取り分が9割、芸人1割、などと言われることがあるが)本当に9対1なら、国税か労基署か公取委かが来るでしょうし、契約がホントにないなら、みんな勝手にやめたらいいわけだし、他事務所に行ったり、あるいは自分でやればいいわけです。でも、ほとんど誰もやめてない。やめたって、B&Bや(太平)サブロー・シローのように戻ってきたりしてますからね(現在はサブローのみ吉本所属。シローは2012年死去)。

 ◆そうしたことを、ことあるごとに、会社から発言するのも、ダサい話だし、芸人本人たちも嫌だと思う。


「反省して強く」若い子のパワー頼り

 ――芸人が、会社に相談したいという場合も増えてくると思うが。

 ◆寄席小屋、劇場は芸人と社員、お客さんが一堂に集まるところなので、もっと活用したいし、小規模を含めもっと劇場を増やしたいとも思う。舞台袖や楽屋でコミュニケーションをできる、お互いを知り合う、悩みを聞ける場を作りたい。

 ――今後、何が変わったか、目に見える改革が必要だと思うが。

 ◆チャレンジして失敗して、怒られて、反省して、またチャレンジして、また失敗してたたかれて、またチャレンジして……。

 ◆今まだそんなことをいう時期ではないかもしれないが、怒られて謝って、またやった、また失敗して、というのを繰り返すのかもしれない。でも、そのたびに強くなって、今回も、社員のみんなは働き方改革なのに寝不足になりながら仕事をしてくれている。

 ◆やっぱり、立ち止まることなく反省して強くなって、もう一度顔を上げて、進むしかないと思っている。また失敗したら、反省して、原因を突き止めて解消して、またチャレンジして、をやり続けるパワーが、幸いにも、現場の子たちは毎日の仕事に励んでいる。若い子のパワーを頼りにチャレンジしていくしかない。



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「日本維新の会」の危険な体質――ニュースサイトハンター 2019.5.15.から転載

2019-07-20 23:03:17 | Weblog

以下、「ニュースサイトハンター」2019.5.15から記事転載します。


沖縄蔑視「土人発言」を擁護した松井大阪市長(当時大阪府知事)
 2016年10月、沖縄県東村(ひがしそん)高江の米軍ヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)建設現場で、警備にあたっていた大阪府警の機動隊員が抗議活動中の市民に暴言を吐いた。「ボケ」「土人」……。荒れる現場での出来事とはいえ、公務員の言葉とは思えぬ人権無視のチンピラ発言に批判が集中した。
 
 「土人」は差別語。機動隊員の暴言は≪沖縄県民=土人≫という沖縄蔑視の歪んだ考えに基づくものだった。しかし、この土人発言が問題となった際、当時大阪府知事だった松井氏はツイッターに『ネットでの映像を見ましたが、表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様』と投稿。翌2日には、土人発言を問題視する報道陣に対し「警察官個人を叩くのは間違い」とした上で、「もともと混乱地で、無用な衝突を避けるために警察官が全国から動員されている。混乱を引き起こしているのはどちらか」と語り、ヘリパッド建設に反対する沖縄県民を非難していた。これが松井氏の「本質」なのだ。

米軍に風俗の活用を勧めた橋下徹氏(当時大阪市長)
 維新の創業者である橋下徹氏にも、沖縄県民を土人と罵った府警の警察官を擁護した松井知事の思考法と、通底するものがある。2013年、当時日本維新の会共同代表を務めていた橋下氏は、旧日本軍の従軍慰安婦を巡る自身の発言が世論の猛反発にあったことを受け、次の様な発言を行っている。

―― 「慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる」
―― 「当時の歴史を調べたら、日本国軍だけでなく、いろんな軍で(慰安婦を)活用していた」
――(在沖縄米軍司令官に)「もっと日本の風俗業を活用してほしい」
 
 米兵による女性への暴行事件が相次ぐ現状の解決策として、沖縄の風俗嬢に米兵の慰安をしろと言ったも同然。維新幹部の認識とは、この程度のものだった。

危険な暴力的体質 
 橋下氏も、松井氏も言葉が荒い。自分たちを批判する相手を「ばか」「ボケ」と口汚くののしり、容赦なく叩くことが常態化。子供に聞かせることのできないような汚い言葉でも、平気で使ってきた。

その影響なのだろう、同党の足立康史衆院議員(比例近畿)は、「朝日新聞、死ね。」とツイートしたり、国会で他党の議員を犯罪者呼ばわりするなど過激な発言で度々物議を醸し、自分で“炎上商法”と胸を張る始末。常識を欠いた維新関係者たちの発言は、他者への誹謗中傷をよしとする党そのものの体質に起因していると言わざるを得ない。

 今回の日本維新の会の丸山穂高衆院議員(大阪19区)戦争発言についても、松井代表は当初「本当にばかだ。公人として(発言を)撤回し、謝罪するように伝えた」という対応。問題が大きくなり、都構想や参院選への影響が必至となったことを受けて、除名処分に至ったとみられている。

 国会では、特定秘密保護法や安保法の制定で右寄りの安倍政権に協力し、憲法改正にも積極的な維新――。賭博場であるカジノ誘致に力を入れる一方で、公明党を脅して都構想への協力を強要する姿勢は、まるで暴力団系の右翼団体だ。


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2019・7参院選で、山本太郎が風を起こしています

2019-07-18 23:30:39 | Weblog

2019・7参院選で、山本太郎が風を起こしています。

わたしは山本太郎というタレントが反原発運動をしていることを知っていただけで、彼に興味はなかった。2013・7参院選で、彼がたった一人の力で当選したときも興味はなかった。

山本太郎に興味を持ったのは、政党要件を失っていた「生活の党」に入党したときからです。党名はすぐに「生活の党と山本太郎となかまたち」に変わりました。彼は小沢一郎と共同代表になりました。

それは2014年12月のことでした。小沢さんの薫陶を受ければ、やがてしっかりした議員になるだろう。わたしの見方はそんなものでした。

次に、2015年9月18日、安倍内閣総理大臣問責決議案の参院本会議採決のとき。山本太郎ひとり牛歩戦術をして、そのうえ三段を上がって登壇すると議場に向きを変えて、神妙に葬儀の焼香のしぐさをしました。たいへんな勇気を見せました。

このときからわたしは山本太郎に注目し、彼の国会質疑も見るようになりました。小沢一郎の指南・助言を傾聴したうえの蛮勇だろうと思って、彼は買いだとみておりました。

今回の参院選では、「れいわ新選組」という政治団体を立ち上げたのですが、わたしのような年配者にとってはアニメのタイトルのようでなじめません。

しかしながら、山本太郎の過激な演説は「反緊縮策」という経済観に裏打ちされています。反緊縮策の理論家としては松尾匡立命館大学経済学部教授が知られていて、読みやすい著作がいくつも出版されています。

松尾匡教授の反緊縮策には賛同者が増えつつあります。とはいえ、松尾教授の反緊縮策は、MMT(Modern Monetary Theory)に似て同じではありません。松尾教授の緊縮策は財界・大企業・富裕層のための経済政策ではありません。中低所得層の人々のための経済政策です。

山本太郎は経済政策の基本ベースに松尾教授の反緊縮策理論を取り入れているようです。

反緊縮策が抑制的慎重さを要求されるのは、デフレが止まってインフレの流れに入ったときに、インフレの増長段階のどこかでインフレ抑制のための増税策に転じることです。このタイミングを捉えるのに失敗してハイパーインフレになってしまえばたいへんなのです。

さらにこんどの参院選比例名簿に入っている大西恒樹氏は国際金融の実務家です。一見、選挙用の暴走政策に見えても、山本太郎には経済政策論の裏打ちとブレーンがそろっているのではないかと思います。

先年の米大統領選では、民主党大統領候補バーニー・サンダースが人気を得ました。アメリカでこのタイプの政治家が台頭したことを喜ぶとともに、日本ではサンダースのような人がいないと嘆いておりました。山本太郎がサンダースタイプの政治家に成長してくれないか。

もちろんほかの有力野党が伸長してくれないと、焦眉の課題、安倍政治を押しとどめることができません。安倍政治ストップという目前の優先度では既存野党頼みです。




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参院選は、消費税凍結、5%へ戻す、廃止のいずれかの候補に 非正規労働の身分安定、報酬かさ上げを主張する候補に

2019-07-15 12:43:55 | Weblog

2019・7参院選は、一般国民の生活改善への折り返し点になってほしい。一般国民生活の窮乏化に対して、「自助努力」を説教する副総理なんぞ人間の言うこととは思えない。

安倍連立政権は、政権政治家に課された政府の「公助責任」を顧みず、機会あるごとに「自助努力」を国民に押しつける悪い政権です。

超高額の兵器購入をつづける一方で、現代版人頭税(消費税)増税を予定する安倍連立政権は悪い政権です。消費税は現代版人頭税であり、不公平税制の象徴です。消費税のなかった時代に戻りたい。

消費税を8%凍結、5%に戻す、廃止する――いずれかの人に投票する人が増えることを願っています。そして自分のくらしを分かってくれる人に、下積みの人々の支えになってくれる人に、投票しましょう。

ただし、日本維新の会の経済政策は安倍式新自由主義と同じなので、「消費増税凍結」は参院選のあとどうなるか信頼できません。維新の会の実態は、安倍党関西支店。


私は1988年(昭和63年)の売上税法案(消費税法案の前身)以来一貫して消費税反対の意見です。

歴史をWikiで見れば、
1979(S54)年、大平正芳首相が衆議院選挙で消費税(税率5%)導入を掲げて、
        自民党過半数割れ、大敗。
1987(S62)年、中曽根首相が売上税(税率5%)法案を国会提出、統一地方選
        自民敗北、廃案。
1988(S63)年、竹下内閣時代、12/30 消費税法成立
1989(H01)年、4/1 消費税法施行
  同 上    12月、参議院で消費税廃止法案を可決、その後、衆議院で
        審議未了により廃案


一般国民の実収入を増やす即効薬は、第一に消費税廃止です。
同時に、社会に定着した労働の正規・非正規階級化の是正です。
これを実行すればそれだけで、一般国民の実収入がかなり増える。



所得税・利子税ほか高所得者への課税率見直し、法人への優遇税制ほか、不公平税制を全面改革すれば、消費税の穴埋めになる。消費税創設以前にもどすだけのことです。

安倍連立政権は、国民のためのお金――福祉関係予算は削減しています。しかし安倍晋三は国を守るためにと言って、超高額兵器を買いつづけます。

その一方で富裕層、有力企業らは、投資利益、利子所得、固定資産、開発投資、消費税戻しなど国に数々の優遇税制を作ってもらって、税金値引きの特別待遇を受けています。短年数のうちに何百億という資産家になったサクセスストーリー、若いIT長者はそうした税金システムを体現しています。

これは、財源はどうにかなるという証拠です。だから中低所得層国民は、国の財政や財源なんか心配しなくていい。生活を守るための自分の願いを、選挙を通じて国に要求しましょう。

財源不足を国民に説教する政治家大臣官僚なんぞ、「♪財源な~い ♪財源な~い」と鳴くしか能のない黒いカラスにすぎません。それがもしもカナリアであったなら、国民のためにもっと美しく鳴いてくれるでしょう。

非正規・派遣労働がここまで拡大してきたのは、大企業・財界や竹中平蔵の会社パソナの望むことでした。

小泉以後の連立政権は非正規労働者拡大に拍車をかけて、全体的に平均的国民の低報酬化あるいは低報酬維持に貢献してきました。


安倍連立政権はそのうえ、より低廉な外国人労働力の輸入拡大を法制化しました。イギリス、フランス、スペインなどで、在住外国人と自国民との間であつれきが起きています。それを知りながら性急な外国人労働力輸入を図るのは国民のためではありません。関係業界のために急いでいるのです。

正規・非正規の労働身分については、東京ディズニーのオリエンタルランドがアルバイトの正規社員化を済ませ、これによって年収が一気に100万円も上がって喜んでいる人がいると聞きました。

目前の選挙対策として、どの政党も「子育て・教育」支援対策を目玉にしていますが、同時に、東京ディズニーが実施したと聞く「報酬のかさ上げ、社会保険加入による身分の安定化」に全力を尽くしてほしい。これは、家庭を作り育てる基盤的社会政策として緊要の課題です。

小泉政権以後の所得格差拡大によって、結婚することが難しい低所得層が増え、結婚しても安定した生活を守ることが難しい所得層が増えました。

安定した夫婦所帯や親子所帯を営むことが難しいことで、その人の生活は寂しく不安の多いものになります。人が住む場所としての地域社会もうるおいのない不安定なものになります。

小泉連立政権が進めたグローバル化時代から人が生きていく社会にうるおいがなくなり始めた、という実感があります。政治の一大転換を期待して、今回の参院選や次回の衆院選に一票を行使します。


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<森友> 松井一郎大阪府知事(当時)の森友談合 大阪私学審議事録が語る もの言わぬ私学課打ち合わせ回数が語る 

2019-07-07 02:21:31 | Weblog
2017-05-02
森友学園ダイアリー(1)
2017-05-05
森友学園ダイアリー(2)
2019-06-09
<森友問題> 松井一郎維新代表 大阪府知事初当選すぐさま森友陳情の小学校参入規制緩和を実行 大阪府HPが事実を語る
2019-06-17
大阪府の審査基準が改定され、森友学園の小学校設置への道が開かれた――2017(H29).12.1.衆議院財務金融委員会  義家弘介議員(自民党)発言




今回も森友学園問題と松井一郎維新代表(当時大阪府知事)の関与を推認させる事実を見ていきます。


まず、経過概要の見取りという意味で、森友学園問題の進行3ステージと、「第2ステージ前段 鴻池祥肇参議院議員」段階の三すくみの形を再掲します。


 第1ステージ
 〇松井大阪府知事就任~森友学園のための小学校参入規制緩和
         大阪府が森友学園に小学校参入の道を開いた
         主役――松井府知事(当時)=大阪府私学・大学課(当時)
 第2ステージ
 〇大阪府私学審議会「条件付き認可適当」答申(ゴーサイン)まで
        大阪府が豊中市国有地の森友学園宛て譲渡に道を開いた
        前段――鴻池祥肇参院議員事務所
        後段――近畿財務局=国=安倍昭恵首相夫人
            大阪府私学審議会=松井一郎府知事(当時) 
 第3ステージ
 〇豊中市国有地売払いまで / 幕引き―籠池夫妻、拘置所収監
        主役――近畿財務局=国=安倍昭恵首相夫人
        幕引き――①大阪府:森友学園を補助金詐欺で告発
             ②大阪地検:籠池夫妻、拘置所独房収監10カ月

    ※第1・第2ステージは、2017-05-02 森友学園ダイアリー(1)の表、
     第3ステージは、2017-05-05森友学園ダイアリー(2)の表を一覧
     していただくとわかりやすいと思います。




 ■三すくみの形――学校敷地(国有地払い下げ)問題

   ① 森友学園は、
    近畿財務局と借地契約して学校敷地を確保したい。でなければ小学
    校設置認可が下りない。

   ② 近畿財務局は、
    森友学園に小学校設置認可が下りた後でなければ、豊中市国有地
    の貸地契約も売却契約もできない。

   ③ 大阪府私学・大学課は、森友学園の学校敷地確保が確定的でなけれ
    ば、認可申請の正式受付けができない。私学・大学課が森友学園の申
    請を正式受付けしても、大阪府私学審議会は、森友学園が学校敷地を
    確保できていない間は設置認可を出せない。

   状況が「三すくみ」の形で停滞した理由は森友学園自身の問題です。森友学園は土地
   購入資金、小学校建設資金、開校後の経営資金のすべてが不足していました。自己資
   金は少なく、銀行融資の予定はなく、見込めるのは塚本幼稚園関係人脈の寄附金と国
   の建設補助金だけでした。



前回記事「第2ステージ 前段」で姿を見せた鴻池議員事務所は迅速に動きました。


 ■第2ステージ前段 鴻池参議院議員事務所の動き

 森友学園が黒川兵庫県議(元鴻池秘書)を通じて2013(H25)/8/5、売却公
 募中の豊中市国有地を小学校用地として借地したい旨、鴻池参議院議員
 事務所に陳情しました。

 近畿財務局から9/2、鴻池議員事務所へ「当初賃貸借契約・7~8年後
 売買契約」
という対案の提示がありました。

 鴻池議員事務所の陳情取次に対して所要1カ月弱という財務局回答は迅
 速で、この対案が役所事務処理の安全上、許容範囲に収まっていること
 を示唆しています。

 森友学園籠池理事長(当時)が2013(H25).10.12.、鴻池議員事務所に
 「上から政治力で早く結論を得られるようお願いしたい」。
 鴻池議員事務所は、この厚かましい願いに応じていません。

 近畿財務局が2013(H25)/11/19、大阪府私学・大学課を訪問(第2回)。
 近畿財務局はこの時期まで、鴻池議員事務所の陳情取次を基に大阪府に
 接触しています。

 この後、安倍昭恵首相夫人登場後の翌年2014(H26)年10月まで流れが
 変わることはなく、上記「三すくみの形」がつづきました。


 「三すくみ」の形がつづいている状態は、鴻池事務所、近畿財務局、
 大阪府が節度ある姿勢をつづけていることの証です。鴻池議員事務所の
 陳情取次の役目は実質的に、ここまでで終わりました。



 ■第2ステージ 松井一郎大阪府知事(当時)と私学・大学課の打ち合わせ
         鴻池議員事務所が窓口の時期

 〇黒川兵庫県議が2013(H25)/8/5、鴻池事務所に森友学園の陳情を伝言
  松井知事(当時)/私学・大学課打ち合わせ、8/8、8/23、8/30の3回。

 〇近畿財務局が2013(H25)/9/12、大阪府私学・大学課を訪問(第1回)
  松井知事(当時)/私学・大学課打ち合わせ、9/17、9/24、10/3、
  10/15の4回

   鴻池議員事務所の陳情記録によれば、2013(H25)/9/2、近畿財務
   局から鴻池議員事務所へ「当初賃貸借契約・7~8年後売買契約」
   という対案の提示がありました。2013(H25)/10/12、森友学園籠
   池理事長(当時)が鴻池議員事務所に「上から政治力で早く結論を
   得られるようお願いしたい」と頼んでいます。2013(H25)/10/16、
   近畿財務局から鴻池議員事務所へ「賃借の件は本省と打ち合わせ
   済み」と先の対案について伝えています。

   鴻池議員事務所と近畿財務局の間では「当初賃貸借契約・7~8年
   後売買契約」で納得しています。籠池理事長(当時)の無理な頼みに
   応えるつもりがないので「三すくみ」停滞期間がつづきます。



 ■第2ステージ 「三すくみ」停滞期間
          2013(H25)年11月~2014(H26)8月


 〇「三すくみ」停滞期間
  2013(H25)年 11月1回、 12月1回
  2014(H26)年  1月0回、 2月0回、 3月1回、 4月1回、
          5月1回、 6月0回、 7月1回、 8月1回、
   11月~8月 合計7回 → 平常はこのように打合せ回数が少ない
   のが常態です

   松井知事と私学・大学課の打ち合わせ回数が増えると、何かあった
   のか?と立ち止まります。


 〇近畿財務局が2013(H25)/11/19、大阪府私学・大学課を訪問(第2回)
 〇近畿財務局が2014(H26)/7/26、 大阪府私学・大学課を訪問(第3回)
 
  「昭恵効果」はまだ表に出ていません。「昭恵効果」が一気に表立って
  くるのは9月です。


2013(H25)年10月から2014(H26)年8月まで、森友学園の小学校計画の進行が停滞していました。小学校設置認可申請を大阪府私学・大学課に受理してもらえる予定が立っていなかった。そういう状況のところへ、安倍昭恵首相夫人が森友学園の後見人のような立ち位置で登場します。


 ■第2ステージ後段――安倍昭恵首相夫人登場

 森友学園の籠池理事長(当時)は、頼る先を鴻池参議院議員から安倍昭恵首
 相夫人に乗り換えました。

 〇松井大阪府知事/私学・大学課 打ち合わせ
  1月0回、2月0回、3月1回(3/6)、4月1回(4/18)、5月1回(5.27)、
  6月0回
 〇森友学園 2014(H26)/3/?
  籠池理事長(当時)上京、安倍昭恵首相夫人に面会
 〇安倍昭恵首相夫人 2014(H26)/4/25
  森友学園の塚本幼稚園(大阪市淀川区)を初訪問
  (証拠ビデオ)安倍昭恵、初めての塚本幼稚園訪問 by アキエリークス

 近畿財務局が7/26、大阪府私学・大学課を訪問。前年11/19以来のこと
 です。「昭恵効果」が始まりました。

 〇近畿財務局 2014(H26)/7/26 大阪府私学・大学課訪問第3回
 〇松井大阪府知事 2014(H26)/7/28 私学・大学課打ち合わせ
 〇       2014(H26)/8/27      〃     

 近畿財務局訪問翌々日の7月28日、私学・大学課が松井知事に近畿財務
 局来訪の内容を報告しました。安倍昭恵首相夫人の森友学園応援と4/25
 塚本幼稚園訪問が焦点になったでしょう。

 塚本幼稚園に首相夫人が現れ、森友学園を応援しているとなれば、この
 取扱いは地方行政にとって重要案件になります。しかも安倍首相と橋下
 徹前知事(当時)とのつながりは深い。


 しかしまだ、2014(H26)年8月の段階では夏休みであるかのように静かで
 す。



 ■第2ステージ 松井一郎大阪府知事(当時)と私学・大学課の打ち合わせ
         「昭恵効果」始まる

 〇近畿財務局が2014(H26)/9/18、大阪府訪問第4回
 〇松井知事(当時)/私学・大学課打ち合わせ、9月3回(9/18、9/19、9/22)
           10月6回(10/7、10/8、10/20、10/21、10/22、10/24)
 〇大阪府私学・大学課が2014(H26)/10/31、森友学園の小学校設置認可
  申請書を正式に受理



 2014(H26).10.31、大阪府私学・大学課が森友学園の小学校設置認可申
 請書を受理しました。正式受理ということには、認可前提という意味が
 あります。

 2014(H26)年9月3回、10月6回、計9回という異様な集中打合せは、
 森友学園の「小学校設置認可申請書受理」が大阪府にとってそれほど重大
 な案件であったと教えています。


 [三すくみの形] 近畿財務局は豊中市国有地を森友学園小学校用地に提供
 する前提に立っています。ところが、それには大阪府の設置認可が必要で
 す。一方、大阪府は森友学園が小学校用校地取得済みか、裏付けのある取
 得見込みが無ければ、設置認可できません。しかし森友学園は、小学校用
 校地を近畿財務局から徒手空拳で調達しようと考えています。これが「三
 すくみ」の形です。

 森友学園の小学校設置認可申請書を私学・大学課が受理するということ
 は、大阪府=松井知事(当時)が設置認可を出してこの「三すくみ」を解消
 する、「近畿財務局から森友学園に豊中市国有地を引き渡す」道を開く役
 割を大阪府=松井知事(当時)が引き受けた
ということです。

 これはすなわち、松井一郎大阪府知事(当時)が近畿財務局に協力し、安倍
 昭恵首相夫人やそのバックに控える安倍首相のために働く、貸しを作る、

 という意味があります。

 
昭恵効果の3ステップ
 ①大阪府私学・大学課が「森友学園小学校設置認可申請書」を正式受理
  したのは2014(H26)年10月31日。

 ②ここから年末年始を挟んで実質2カ月半後の2015(H27)年1月30日、
  大阪府私学審議会が「条件付き認可適当」答申。ゴーサインが出ます。

 ③その11日後、2015(H27)年2月10日、近畿財務局で第123回国有財産
  近畿地方審議会が開かれて、豊中市国有地の貸付・売却に「処理適当」
  という審議結果が出ました。大阪府(=松井知事)と近畿財務局(=安倍
  昭恵首相夫人の威光、その後ろに控える安倍首相の影)の合作です。


 ・安倍昭恵首相夫人 2014(H26)/12/6
  大阪・塚本幼稚園(森友学園)で講演
 


証拠となる大阪私学審議事録ピックアップ
下二つのコマのうち、上のコマは、「継続審議」という審議結果になった大阪私学審 2014(H26)年12月定例会の議事録です。下二つのコマのうち、下のコマは、「条件付認可適当」という審議結果になった大阪私学審 2015(H27)年1月臨時会の議事録です。

〇12月定例会の事務局説明
 「大阪府の私学審議会で認可しかるべしという答申が出るという前提のもと
 で国の審議会が行われる」


〇1月臨時会の事務局説明
 「(※大阪府の私学審議会で)条件付で認可しかるぺしとなりますと、国は
 契約に走ると、そういう手はずになっています」



2015(H27)1/27臨時会の事務局発言によると、豊中市国有地を合法的に森友学園に引き渡す目的で、国と大阪府が談合をしています。大阪府私立学校審議会が出すべき結論と、2015(H27)年1月のうちにという期限が示されています。


事務局の説明内容は:

 ① 豊中市国有地を森友学園に貸地のち売却の条件で引き渡すために、国
  (国有財産審議会)と大阪府(私立学校審議会)の双方で認可が下りる
  こと前提で話を進めてきた。

 ② 2月7日に国の国有財産審議会がある。それまでに、大阪府私学審1月
  臨時会で「条件付きで認可しかるべし」と答申を出せば、国は(※土
  地の)契約に走る。そういう手はずになっている。


現実は、大阪私学審2015(H27)/1/30「条件付き認可適当」答申、国有財産近畿審議会結果2015(H27)/2/10「豊中市国有地貸付・売却に「処理適当」、という日付になりました。

国=近畿財務局と大阪府の連携プレイは、2014(H26)年9月10月計9回もの松井一郎大阪府知事(当時)と私学・大学課との打ち合わせの時点で、大筋のレールが敷かれたものと推測できます。

国の機関が絡み、安倍昭恵首相夫人の意向と威光が明らかであり、安倍首相自身も森友学園を好感している(国会答弁でそれらしきことを答えています)状況下で、計画当初から一貫して資金不足が主要なネックになっている森本学園に認可を出す決断は、松井府知事でなければできないことです。私学・大学課の公務員に国がからむ政治的案件を片付ける権限はありません。

松井一郎府知事(当時)は、子ども人口激減の時代なのに、小学校新設参入の資格要件を欠いていた森友学園のために規制緩和を行いました。そのときは松井知事(当時)の単独意志で、森友学園のために道を開いてやりました。

こんどは、豊中市国有地を森友学園に供与したいという国の意志に迎合する形で、森友学園のために道を開いてやりました。大阪私学審1月臨時会議事録にある通り、大阪府私学審の「認可適当」という前提あってこそ、国は森友学園と国有地処分契約ができたのです。


 2014(H26)/12/18 定例会
[大阪府私立学校審議会 平成26年12月定例会 議事録17枚目から]

[事務局]
土地の契約につきましては、2月に国の審議会を通した上で契約を交わすということになってございますので、その来年2月の審議会については、大阪府の私学審議会で認可しかるべしという答申が出るという前提のもとで国の審議会が行われると聞いておりますので、最終的に土地を借りられる契約につきましては2月の審議会の後ということになりますので、そこが通らないことには土地を借りるという話も進みませんし、当然そこに建設されるという行為が進むこともないと。

[委員]
 1月の末にですね、臨時の審議会なり何なりを開いてですね、判断するというのが一つ。二つあるんです。今ここでダメというふうに出すか、あるいは資料をもう一度出してもらって、1月の末にもう一度やってもらって、そこで判断を出すということなんですが、皆さんの方で何か。確かに臨時をやるというのはしんどいのはしんどいんだけども、慎重に我々でていねいにていねいにやるとすれば、そういう流れになるんですが。皆さんの方でご意見いかがでしょうか。 ※何人かの委員も合格答申前提の発言をしていて、この審議会は
             森友学園を合格させるために運営されていました。

          (参照)大阪府私立学校審議会 平成26年12月定例会 議事録 2/2


 2015(H27)/1/27 臨時会 平成26年度大阪府私立学校審議会 平成27年1月臨時会議事録
[大阪府私立学校審議会 平成27年1月臨時会 議事録6枚目から]

[委員]
 この計画ですが、国有地の借り上げについては、今回の私学審でOKが出れば、おそら借り上げ申請されて、OKが出るんですかね?

[事務局]
 国有地の方は、実際、国が優先的に売却する相手先としては公益法人(※小学校は公益法人の一つ)となっており、今回、森友学園が学校教育法の一条校である小学校を作るということで認められるということになっています。本審議会での認可の条件は土地が所有できるということであり、国の土地売却に関する審議会では、一条校ができるということが条件となっています。

「一条校」とは……学校教育法第一条に定められた学校の総称。幼稚園・小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・大学・高等専門学校・盲学校・聾学校・養護学校。各種学校や職業訓練校、保育所は含まない。

 双方で認可が下りるということを前提で話を進めておりましたので、2月7日に国の審議会がございますので,例えは12月の審議会でOKとなっておりましたら、その契約条件の細部の詰めに入つて契約に移るということでしたが、1月の臨時会にということになりましたので、条件付で認可しかるぺしとなりますと、国は契約に走ると、そういう手はずになっています。 (※「瑞穂の國小學院」を押し込んでいく大阪府私学課と近畿財務局との連携プレイです。これが、大阪府知事と近畿財務局―財務省理財局―総理大臣の連携への疑惑を呼びます。なにしろ松井府知事は国政政党の代表で、安倍首相と親密な仲なのです。)

[委員]
 国との契約は売買契約ですか?

[事務局]
 10年間の定期借地契約を行ったうえで、その契約期間内に購入予約をするという内容で締結すると聞いております。


 政府の審議会であっても、地方自治体の審議会であっても、政権の意向に逆らってばかりいる人が審議会委員に推薦されることはありません。穏やかなで審議会事務局の誘導に逆らわないよう心がける人柄の人や、政権とぴったり意気が合っているか、政権の意向をかついで突っ走るような人柄の人が審議会委員に推薦されます。

 今年2019(R1)/5/29、森友学園補助金詐欺事件第2回公判がありました。毎日新聞が次のように伝えています。

 毎日新聞記事] 2019年5月29日 20時44分

 学校法人森友学園(大阪市)を巡る補助金詐欺事件で、
 国と大阪府・市からの補助金をだまし取ったとして詐欺などの罪に問わ
 れた前学園理事長、籠池泰典(66)と、妻諄子(じゅんこ=62)の両被
 告の第2回公判が29日、大阪地裁(野口卓志裁判長)で開かれ、証人尋
 問が始まった。この日は、学園が国有地で開校を計画していた小学校の
 設置認可に関わった府職員ら4人の尋問があった。

  出廷した府私学課の職員は、学園から開校の相談があった2013年9月
 ごろの計画について「借金が多く、認可基準をクリアできていなかっ
 た」
と述べた。しかし、学園は大口の寄付金を確保したとして資金計
 画を変更。15年1月に条件付きで認可適当の答申を得た経緯を証言した。

                      (新聞記事引用、終)


上の職員証言にもかかわらず、「条件付認可適当」を出した大阪私学審2015年1月臨時会にあっても、審議委員から森友不信・森友不安を述べる見解が続出しています。こんな状態でも、審議委員会は「条件付き認可適当」と答申したのです。

審議委員から森友計画に不安・不信の意見がつづく

(参照クリック)大阪府私立学校審議会 平成27年1月27日臨時会 議事録
[大阪府私立学校審議会 1月臨時会 議事録から]

▼ 2015(H27) 1月臨時会 4枚目 ▼

[委員]
 今、事務局からの説明は、はっきり言って建築費用は低いですよ。入札予定の際の担当者から「これで何とかしましょう」という覚書を入れている状況です。心配はあるんですが。資材の購入についてはこの設置の趣旨に賛同するところから、安く提供しますという話になっています。 (※私学課や松井府知事の「わからなかった、だまされた」という弁明が「ウソ」であるとわかる発言です。)


▼ 2015(H27) 1月臨時会 5枚目 ▼

[委員]
収支上何というか、ウルトラC以上のすごい実態になるんですが、これは信ぴょう性があるのかどうかと…。私学経営をしている我々としても、私学課は毎年、財務状況調査をしておられ、実態もあるていど掴んでおられるかと思いますが、その点を踏まえて、不正の可能性はないよと仰られるんでしょうか? いかがですか? (※申請の「経営計画」を酷評、根強い不信を事務局に問うている。)

[事務局]
 提出された財務辞表に添付されている、公認会計士からの書面を確認させていただき、適正なものと判断をしているところです。


[委員]
 次に、寄附金が入った段階で次の関門を通過すると。こういう手順を明らかにしていただいて、その手順が整った段階で私学・大学課として整理された内容を、皆さんがいいのかどうかという判断になろうかと思います。

細かいことを言うと、ありえないような内容ばかりがあり、こんなことがあるなら僕もやってみたいと、冗談ですけど、思うぐらいのことですので、こんな絵空事でうまくいくとは、私もとても思えないのですが。 (※この委員は、申請書類中の経営計画(財政基盤)について、「ありえないような内容ばかり」、「こんな絵空事でうまくいくとは思えない」と率直に酷評しています。)


▼ 2015(H27) 1月臨時会 7枚目 ▼

[委員]
  人件費比率が30%行かないような状態で小学校を経営できるんでしょうか? 高校の場合でしたら、相当ひどいことをしないとできないと思います。 (※人件費率が極端に低いことから、教員数のごまかしや教員の質を懸念している)

[委員]
 事務局のほうで何か。

[事務局]
 平均的な幼稚園の人件費比率は、帰属収入に占める人件費の割合が50数%を占めるということになっておりますが、こちらの幼稚園では40%台前半であり、他の幼稚園に比べますと低い状況です。

[委員]
 50%から40%前半の一桁%台の差はがんばれるとは思うんですが、この40以下の30%というこのあたりの10%を削るということは私には想像がつかないです。

[委員]
 5月に判明する決算の内容を踏まえて、私学・大学課に例えば寄付金のことであるとか今の話についても、7月の審議会で報告をいただきたいと思います。いくら監査法人でOKが出たといっても、報告は必要だと思います。我々委員や事務局がまとめて騙されたということのないようにしたいものです。 (※これはたぶん会長の発言でしょう。「だまされたということのないように」とは、なんと悲しいことばでしょうか。それほどの危うさを覚えながら、「条件付き認可」を答申するのです。)

[委員]
 書類の提出はありましたが、それぞれに何の根拠も無いということが散見されます。特に決算書資料の3ですが、我々学校法人は通常、監査資料に関して税理士に依頼をするということは極めてまれです。ましてや資料の2の [〓〓] の資料はM学園の小学校を受注しましたというような資料を提出して、すでに先々に進んでいますということなのでしょうが、なぜこんなことになったのかと今後新聞沙汰にならないようにならなければと心配です。 (※心配を越える大事件になりました。) ※[〓〓]は伏字です


▼ 2015(H27) 1月臨時会 8枚目 ▼

[委員]
心配です。アンケートの件やそういう不安材料の一つです。もし何かあった場合には、「なぜ認可したのか」といった話にもなってくるわけです。従いまして、認可しかるぺしなのか、認可しかるぺしの方向で色々な書類の提出を求めていくのか、そこははっきりときせなければいけないと思います。


[委員]
 率直に申しあげて、さまざまな議論がある中にあっても、条件付き認可となると、やはり後段に記載の言葉から考えますと、「認可」ということになるので、提出された資料が妥当であると認めることになるのではないかと、違和感を覚えます。

 もう一点は、アンケートの回収率が、園内の保護者からの回答率が極端に低いと…。一般的に幼小中と、学年が上がるごとに回収率が低くなるのは理解できるんですが、園についてはだいたい100%というのが通常かな、と思っておりまして、在園児の50%以下の内容ではこれをもって良しとすることは納得がまだいかないように思います。 (※この委員は、たとえ条件付きであっても、「認可反対」の理由を述べています。)


[委員]
 開校するまではもちろんのこと、開校した後も、今日いろいろとご指摘やご意見のあったカリキュラムや財務的なものなど、とりわけ入札の結果は3月審議会に、また会計に関する内容は7月の審議会に報告いただくようにしていただくということを条件付きとして記録にとどめて、今月の原案として認可しかるぺしということで皆きん如何でしょうか?  ※これはたぶん梶田会長。「条件付き認可」という結論です。

            (反対意見なし)

 これから難しいところがあるかと思いますが、今日の審議会の結論はそのようにします。ありがとうございました。最後になりますが、吉本課長からご挨拶がございます。

[事務局]
 本日は委員の皆さま、ありがとうございました。最後になりますが、吉本課長からご挨拶がございます。  

[吉本課長]
 今日は条件付きということでございますので、先ほど梶田会長はじlめ、委員の皆さまからご意見をいただいた内容として、寄附の状況やエ事の価格については3月審議会に、また7月審議会には監査法人の監査を受けた決算書についての報告、また小学校の教育課程についてもご意見とご懸念をいただいておりますという内容を森友学園に伝えまして、きっちりとしていただくよう、またどういった体制でやっていただくかということで、カリキュラムについては今、いつになるとは申し上げられませんが、どこかの段階で報告いたします。よろしくお願いいたします。本日は誠に有難うごぎいました。

――以上、1月臨時会議事録ピックアップ、終わり――


表2
(注1)回数欄の「〇回」は、松井一郎大阪府知事(当時)と、私立学校新設申請審査を所管
    する大阪府私学・大学課(当時)との打ち合わせ回数です。
(注2)2回以上は、赤数字で記しました。
(注3)回数表示の右欄の日付は、松井府知事と私学・大学課との打ち合わせ日です。
(注4)森友学園に貸付(のち売却)された豊中市の国有地を、ここでは「豊中市国有地」と
    表記します。
(注5)森本学園の瑞穂の國記念小學院を、ここでは瑞穂の國小学院と略記します。
<
 2013年
 (H25年)
 1月
2回 1/16、1/21、
 2月
0回
 3月
3回 3/7、3/14、3/22、
   04/?

 4月


2回
・大阪航空局(国土交通省)、近畿財務局(財務省)に
 豊中市国有地売却を依頼
・4/10、4/17、
 5月
0回
   06/?

 6月


0回
・近畿財務局、豊中市国有地の取得希望者を公募
(期間:6月~9月)

 7月
0回
 8月
3回 8/8、8/23、8/30、
   09/2

   09/12

 9月




2回
森友学園近畿財務局に豊中市国有地を取得希望
 申し出
近畿財務局、大阪府私学・大学課訪問第1回
 小学校設置認可について情報交換

・9/17、9/24、
 10月
2回 10/3、10/15、
   11/19


 11月



1回
近畿財務局、大阪府私学・大学課訪問第2回
 小学校設置認可の見通しを照会,府側は相談を受けて
 いるていどの段階と説明

 11/25、
 12月
1回 12/10、
 2014年
 (H26年)
 1月0回
 2月0回
   03/?

 3月


1回
森友学園籠池理事長、東京で安倍昭恵首相夫人に
 面会

・3/6、
   04/25

 4月


1回
安倍昭恵首相夫人、大阪市淀川区の塚本幼稚園(学
 校法人森友学園)訪問

・4/18、
 5月1回 5/27、
 6月0回
   7/26

 7月


1回
近畿財務局、大阪府私学・大学課訪問第3回
 小学校設置認可申請状況を照会
・7/28
 8月1回 8/27、
   9/18

 9月


3回
近畿財務局、大阪府私学・大学課訪問第4回
 小学校設置認可申請状況を照会

・9/18、9/19、9/22、
   10/31

 10月


6回
森友学園、大阪府へ「小学校設置認可申請」を
 正式に提出

 10/7、10/8、10/20、10/21、10/22、10/24、
 11月0回
   12/18

   12/22

 12月




1回
大阪府私学審議会 12月定例会
 審議結果:森友学園小学校設置申請は「審決保留」
大阪府私学審議会 12月定例会
 答申:森友学園小学校設置申請は「継続審議」
・12/16、

 2015年
 (H27年)
   1/8


   1/27

   1/30

 1月








1回
近畿財務局、大阪府私学・大学課訪問第5回
 小学校設置認可申請進行状況を照会

大阪府私学審議会 1月臨時会
     審議結果「条件付き認可適当」
大阪府私学審議会 1月臨時会
     答申「条件付き認可適当」
・1/7、

   2/10

 2月


3回
近畿財務局 第123回国有財産近畿地方審議会
 審議結果:豊中市国有地貸付・売却に「処理適当」

・2/2、2/6、2/18、
 3月1回 3/16
 4月0回
   5/29

 5月


1回
近畿財務局と森友学園
     「国有財産有償貸付合意書」締結

・5/19、
 6月0回
 7月0回
 8月1回 8/24、
    9/3

    9/4









    9/5



 9月
















2回
安倍首相、迫田英典財務省理財局長を官邸に呼ぶ

安倍首相、大阪トンボ返り 正午ごろ伊丹空港着、
 午後6時過ぎの飛行機で帰京。安保法制国会開会中
 の大阪とんぼ帰り、何があったのか?

近畿財務局午前 大阪航空局、財務局、森友側設計
 会社、建設会社が地下ごみ処理と費用につき協議

安倍昭恵首相夫人 奈良県三郷町の奈良学園大学信
 貴山グラウンドで行われた午後のイベントに参加。

 大阪府私立学校審議会会長である同大学梶田叡一
 学長も参加していた。


安倍昭恵首相夫人、森友学園「瑞穂の國記念小學
 院」名誉校長就任 塚本幼稚園(森友学園)で「瑞穂
 の國記念小學院を語る」講演、これは「学校説明・
 生徒募集」行事の一環

・9/8、9/15
   10/26

 10月


0回
森友学園籠池理事長、昭恵首相夫人付谷氏宛て陳情
 手紙発信


   11/17

   11/22
 11月



0回
昭恵首相夫人付谷氏、10/26付け籠池陳情に対する
 回答FAX送付

松井一郎氏、大阪府知事再選


   12/18
   12/?
 12月


0回
森友学園 「瑞穂の國小學院」建築確認下りる
森友学園 「瑞穂の國小學院」地鎮祭 


 2016年
 (H28年)
松井一郎大阪府知事と教育委員会私学課の打ち合わせ
は、2016年(平成28年)1年間で、2/19、1回だけ
   4/1

<大阪府の私立学校担当課>
知事部局の私学・大学課から「教育委員会教育庁私学
課」へ編成替え
 2017年
 (H29年)
松井一郎大阪府知事と教育委員会私学課の打ち合わせ
は、2017年(平成29年)1年間で4回(2/28、7/19、
8/31、11/9)




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