◇消費税を上げたら財政が破綻しないなんてうそっぱちだ
よく菅(直人首相)さんがギリシャの話をしている。ギリシャが財政破綻したのだから消費税を上げるんだと聞こえる。でも、ギリシャの消費税率は破綻時21%。消費税を上げたら財政が破綻しないなんてうそっぱちだ。でたらめなおまじない経済学にだまされてはいけない。
(毎日jp 毎日新聞 2010年6月25日「遊説録:まじない経済学-みんなの党・渡辺喜美代表」横浜市での24日街頭演説で)
◇国家財政再建のための消費税増税=家計浸水
2週間先の参院選は「『国家財政再建のための』消費税増税」選挙です。参院選の論点は数多くありますが、投票の目安をこの一点にしぼるべきだと思います。
菅首相は、消費税増税は単なる提案で、そのまえに衆院解散総選挙で民意を問うと言います。しかし、そのときでは遅い。このたびの参院選で民主党、自民党に投票すれば、菅政権は「国民に認められた」と言うでしょう。
菅首相が消費税アップを打ち出して、自民党公約の10%も一つの目安だと言いました。
国家財政再建のための消費税増税です。なぜなら、菅首相が最初に言及したときに「ギリシアのようにならないために」という動機を示しているからです。動機は「国民生活」のためではありません。したがって、増税の動機は「福祉」のためでもありません。
◇国家=国民ではない
国家と国民はイコールではありません。その典型が平成の金融危機を救った金利政策でした。
普通預金や定期預金の金利はタダ同然になって、一般預金者の利益は無いも同然です。貸付金利との大きな金利差で、銀行などに莫大な利益を与えた。国家が国民に痛みを分かって、銀行を救ったのです。
小泉政権時代、当時の小泉総理は「国民も痛みを分かち合おう」とくりかえしました。その結果、私たちの家計が苦しくなる一方の時代が来ました。すでに十分痛めつけられて傾いた家計は、増税でまた打撃を受けます。
消費税増税は国民一般に痛みを分かち合うのではなく、国民すべてに痛みを押しつけるものです。
◇法人税減税
消費税増税と同時に、すなわち消費税増税とワンセットで、法人税減税も提案されています。
中小企業にはずっと前から「軽減税率」が適用されています。小企業や零細事業者はいつの時代も競争力が弱い。利益も極端に小さい。彼らはいつの時代にも赤字経営の淵に落ちそうになりつつ耐えています。こらえきれずに淵に落ちて溺れていくものも、つづきます。
そうなんです。法人税減税は強い企業、大きい企業のための政策です。
景気がよくなれば、国民一般の生計もよくなるというのは嘘でした。リーマンショックの前、企業好況が長く続いていました。国民にその利益がまわってくることはなかった。