金沢城 2013/5/6
何だかだとしているうち、五月もあと6日、今月も大したことしてないのにあっという間に時間が過ぎる。本もいろいろ読んだけど、感想をまとめる余裕もなく・・・月末に向けてなるだけ頑張ってみます。
著者はNHKのBS歴史館のレギュラーの一人、「武士の家計簿」を書いた少壮歴史学者。そうそう、災害の歴史に関しても造詣が深い。史料の読み方にはアカデミズムの裏打ちがあり、かつ問題の立て方が現代的で解説の語り口も分かりやすい。そのあたりが魅力。歴史は現代と過去との対話というE・Hカーの言葉を思い出した。
この本は元禄期に書かれたと推定され、幕府隠密が各藩の内情を調べたもので当時としても極秘資料「土芥寇讎記」が基になっている。。書写本は東京大学史料編纂所と旧広島藩主浅野家にあったが、浅野家本は原爆で焼失したとのこと。(残念ですねぇ。浅野家は伝来の文書を疎開してなかったんだろうか。市内の商家でさえそうした家があったのに)
幕府隠密・・・なんかぞくぞくしますね。ということで読み進めていきましょう。
取り上げられた大名、武士10人、内訳は徳川光圀、浅野匠頭と大石蔵之助、池田綱政(岡山)、前田利家、前田利常(加賀藩三代目)、内藤家長(家康近臣、のちに譜代大名)、本多作左衛門(家康家臣、息子が大名になる)。
この中で特に有名なのが、徳川光圀(水戸黄門)と忠臣蔵の二人だろうか。昔からいろんな娯楽メディアで取り上げられた超有名人物。しかし史料を基に造形された人物は世情流布されているイメージとは異なるもので、それを知るだけでもこの本を読む価値はあると思う。
特に浅野匠頭、私は常々「気の短い愚かな殿様」と思い、忠義かなんか知らないけれど、その家臣が「殿の恨みを晴らす」と集団で人の屋敷に押し入り、殺人を犯すのが何で賞揚されるのか訳わからんかったけど(多分閉塞感のガス抜きという意味があったのだろう)、この本でその思いを強くした。
浅野の殿様、無能すぎ。政務はほったらかして家臣任せ、昼間から女性とイチャイチャ。大石家は、祖先が関ヶ原で、相手方の首を獲った軍功で筆頭家老に取り立てられたいきさつがある。なんか起こるべくして起こった事件じゃないだろうか。
四十七士の中には十代の若者もいたはず。殿様が無能なばっかりに落とした命。かわいそうである。平和な時代の殿様は、領民が困らぬように領国経営に心を砕き、跡継ぎを残して家を続かせることが本務、かっとなってはいけません。まあこれはどんな家にも、時代が変わっても大切なことかもしれませんけどね。
読みやすくてなかなかが面白い本でした。
きょうは孫娘の三歳の誕生日。本当ならみんなで集まってお祝いしようと言いたいけれど、きのうと一昨日、遊びに来てくれたので もういいかな。家で親子水入らずでお祝いするらしい。
近くにいるのでいつでも会える。お嫁さんが全然構えずにやってくる。遠くに孫の入る人は半年に一度くらいしか会えないと言っているので、ありがたいと思わないと。ありがたいと思えないほど普通になっている、これが何よりありがたいとことだと思う。
子供の育て方も人それぞれ。私は口出しは一切しない。
自分の子供たちに比べて孫娘のいいところ。活発で運動能力に優れ、社交性があり物怖じしない。歩く前から階段を上り下り、滑り台も怖がらないのでびっくりした。体も大きい。オシメも二歳三か月くらいで取れた。
でも根気がありません。「本を読んで」とせがむのに、途中で飽きてほかの遊びを始める。お絵かきもすぐ止めてウロウロ歩きまわっている。総じて知的なことに興味なし。うーーーむ、勉強得意だといいんだけど、祖母は限りなく不安。
人間って、生まれた時からもう決まっているんですね。周りがいいところを見つけて伸ばしてやれる部分はあるけれど、人はそれぞれどうしようもなくその人自身。その人らしさに向けて成長していくもの。孫の行く末は見届けられないけれど、幸せな人生を歩んでほしいと思う。