短編集で、直木賞受賞作。
いずれも失われた、あるいは失われつつある家族の絆を描いた作品。ほろりとして読みやすく、文章の描写力はさすが。短い作品一つ一つに、落ちがついているので読後感は嫌な感じではないけれど、話がうまく出来すぎているなあという不満は感じた。
現実はなかなかどうして、結論のない長い長い散文のようなもの。
常識を根底から覆され、不安になるような、世界が違って見えるような作品集ではなかったけど、そうだよなあ、わかるわかると心穏やかになるのも小説の効能。
30代の5年間ほど、地元の小説の同人雑誌で活動していたけど、こんな小説は真っ先に否定されたと思う。書く人間の苦悩が出ていないとか、作り話みたいだとか、世間話に過ぎないとか言われて、落ち込んだり、悔しがったりしたと思う。
でも今になれば、文章のレベルてさえ、全然及んでいない。プロとアマの厳然たる違い。いえいえ、振る舞いはそれらしかったですけどね。初心な私は、その頃専業主婦だったし、なかなかそれに馴染めなかったけど。
今度はまた、長くてめんどくさい小説読みたいもの。最近全然書店に行かないので、世間で何が流行っているか全然知らないのです。
昨日の映画で、日本会議の一番偉い人が(映画館の冷房があまりにきつくて寒くなり、途中で手洗いに。肝心の名前のところは見落とした)、他人の本は一切読まないと豪語し、韓国人は駄々をこねる子供のようなものと言っていたのに驚いた。あたらしい教科書をつくる会の藤岡?何とかという人が「国家は謝罪してはいけない」と言うすぐ後に、レーガン大統領が第二次大戦中、アメリカの日系人を強制収容所に入れたことを謝罪していた映像が流れた。
日本会議の中心人物があまりに普通(以下)の知性しか持ち合わせてないように見えて唖然とし、愕然とした。あの団体が今の内閣にも隠然とした力を持ち、日本の右傾化、反動化を企てている。絶対に許してはいけないと思った。
つくる会代表の言うことも「日本は絶対に間違ってない」という信仰からくるものだと思った。
LGBT発言の某女性国会議員は、ものすごく尊大に見えたし、国会で「アメリカの韓国人の子供が日本人の子供をいじめている」と発言したことを質されると「そういう話を聞いた」と逃げていた。「従軍慰安婦の話があいまいなので信用できない」と言うなら、あなたの言うこともそうだと追及される場面も。
総じて、いろいろな意見をうまく編集しているなと思った。
憲法学者が「殺されてもいいと思って発言している」と聞くと、今の日本は憲法守るのも命がけだと知った。アメリカの始めた戦争に、世界のどこであれ日本人がはせ参じる、なぜそこまでしないといけない。反日と言う者が、いちばんの国民の敵だと私は思う。
昨日よりも今日余計に不安になった私。
どうやら上映差し止めの訴訟になるそうですね。
すればいいと思う。言ったことを変えたりゆがめているわけではなく、他の意見をすぐ後につけたりした編集の結果、プロパガンダ映画になったというのが主張らしい。
うーーーむ、ちょっと無理がありそう。
いっそ、自分たちで自分たちの主張を入れた映画を作ればどうでしょうか。
春先だったか、市内で展示は見ましたけど。気分悪かった。慰安婦の人たちが海水浴で笑っているので性奴隷でないって。人間毎日泣いてばかりはいられない。それは与えられたつかの間の休息だったのでしょう。生き延びるために、楽しいことを見つけようとするのは自己防衛本能。
こちらもどうぞ。映画を見た方の感想です。
https://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/1801ccc89bf824a871a9c1189e784390
それと以前県の公文書館の古文書講座で勉強していた時、敗戦後、占領軍が来るのに備えて広島市ではいち早く公設の慰安所を作って、働く女性を募集したそうです。十日市のあたりにその施設があったそうで、それは一般女性に被害が出てはいけないという心配から。要するに普通に生活している日本女性がアメリカの兵士に襲われないようにとの計らい。
そんなことをすぐに思いつくなんて、戦地では日本兵がどんなことしていたか、の裏返し。
売春しなくて済む女性が、「要するにあの人たちは売春婦でしょ」と言うのを聞くのは本当に嫌な感じ。そういう境遇の女性へのひとかけらの思いやりもない。あの性的少数者への問題発言をした人です。
慰安婦と騒ぐのはポルノ的興味と言ってた人もいましたね。どうかそういう人たちが集まって、映画作ってもらいたいもの。10年以上前、南京大虐殺がなかったという映画が大コケしたけど、今度こそ頑張っていただきたい。