里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

里山のナラとクリの木を伐採する

2021年01月16日 | 野山

ナラとクリの木を切っています。
我が家の里山の木です。
目的は椎茸の原木(ほだ木)用と水路や土手などの補修用です。
日本海側では大雪に見舞われていますが、この辺りは西高東低の冬型の気圧配置で大雪になることはまずありません。しかし、今年は厳冬で、こちらまで雪雲が流れ込んでいます。数センチ止まりですが、溶けたり積もったりを何度か繰り返しています。
日が当たらない所は少し雪が残っています。天候を見ながらの作業です。


この山はナラの木が最も多くクリの木が混在しています。
これがナラの木。正確にはコナラ。この辺りにミズナラはありません。


これがクリの木。


右がナラの木、左がクリの木。
完全に落葉しているので、慣れないと見分けにくいかもしれません。


チェーンソーを使います。まず点検と研磨。
安全第一で油断しないように心がけています。


ナラの木、クリの木それぞれ10本から10数本程度切ります。
切り倒すだけならもっと沢山切れますが、運び出し片付けるのが容易でないのです。
始まるまでは凍えそうですが、作業を始めると次第に汗ばんできます。
ナラの木は椎茸の原木(ほだ木)にします。
椎茸原木には直径10~15センチが良いとされています。ここで切っているナラの木は根元が20センチ位のものが多い。
伐採した後、3~4週間置いてから玉切りするのが理想と言いますが、大変なので、すぐに90センチに玉切りしています。


玉切りした後は寄せ、運びやすいところにまとめます。


こちらはクリの木。
補修用には長短様々な長さで利用できます。


クリの木は、木の形や大小を考えて、適当な長さに玉切りします。
玉切りした後は寄せ、運びやすいところにまとめます。
あとで見ると、うっすらと雪が積もっていました。


生木を扱うので、結構重労働です。加えて今年は冷え込みが厳しく、手先が凍えて長時間の作業は無理です。
最近は身体に反動の来ることが多くなりました。
この辺りでドカ雪になるのは太平洋側を低気圧が北上する、いわゆる爆弾低気圧。東京にも雪が降るような時です。数年に一度やって来るので油断はできません。

小正月の行事「団子刺し」

2021年01月15日 | 暮らし

小正月には「団子刺し」をするのが習わしです。
この辺りでは1月14日から15日が小正月で、「鳥追い」に続いて行われるのが「団子刺し」。
文字通り団子の木に団子を刺して飾ります。
これが団子の木。


ミズキ(水木)のことです。放っておけば高木になります。
この辺りではミズキとは言わず皆が団子の木と言います。
小正月に団子刺しに用いる木なので、そう呼ばれます。
これはまだ幼木。


ミズキは枝がすっと伸び肌がなめらかで赤みを帯びる美しい木です。全体のバランスが良く扱いやすい。枝先も団子が刺しやすく、なかなか代替えできる木はありません。


私の仕事は、専ら団子の木すなわちミズキを切ってやるのが主な役割。


「団子刺し」は、ミズキの枝先に紅白や緑の団子を刺し、さらに鯛や宝船などの飾り物をぶら下げて神棚や部屋に飾ります。


五穀豊穣や家内安全・家内繁栄などを祈願するものです。
これは助っ人が作ってくれたもの。

昔の団子刺しを思えば誠に慎ましやかなものです。


私が幼少の頃は大変な行事でした。木まるごと使って沢山の団子を刺したものです。特に大黒柱には一番大きな木を括り付け、部屋中いっぱい紅白の花が咲き乱れるようになりました。
小正月は女の正月とも言われます。当時、団子刺しは、数少ない華やかな楽しい行事だったのでしょう。
当時はまだ居間に囲炉裏がありました。
団子も米粉を練って作るのではなく、餅をついたものでした。団子の数が膨大なので臼で餅をつき、それを小さくして団子の木に刺したのです。
また、15日は夜明け前に起こされ、「暁(あかつき)団子」というものを食べさせられました。
囲炉裏に掛けた大きな鍋に薄い小豆粥に団子が入ったようなもので、あまりおいしいものとは思いませんでした。半世紀以上も前のことで、記憶も朧気です。
昔は本当に色んな正月行事がありました。次第に姿を消していった風習も多い。

小正月の行事「鳥追い」

2021年01月14日 | 暮らし

小正月の行事「鳥追い」です。
この辺りでは今日までが松の内。
しめ縄や松飾りなどをすべて下ろします。


鎮守の神社に掛けたしめ縄も外します。
ほぼ原型のまま残っていました。
強風の日もあったのに、これは稀なことです。



下ろしたしめ縄や松飾りは「どんと祭」で燃やすのが当地方では一般的です。
「どんと祭」とは、神社の境内や広場で古いお札や松飾りなどを燃やす風習です。
我が家ではほんの一時期「どんと祭」に参加したのを除き、ずっと「鳥追い」を続けています。
「鳥追い」とは、文字通り鳥を追い払う正月行事。
農村では害鳥に荒らされ農作物が被害を被るので、「鳥追い」をすることで豊作祈願をするわけです。今ならさしずめ「猪追い」をしたいところ。
我が家の「鳥追い」は、正月の松飾りをおろした後、それをしめ縄で我が家の裏山の御神木と定めた杉の木に括り付け、納めます。
家から松飾りを納めに行く途中に、大声で「ヤー、ホイ、ホイ、ホイ」と繰り返し叫び、鳥を追い払うのです。
幼少の頃、父に促されて必死に叫んだのが懐かしく思い出されます。
今は、さすがに恥ずかしいので誰にも聞こえないよう小声で言います。多分これでは効き目がないでしょう。
我が家では、古いお札などは大晦日に山の神様のほこらに納めます。


ですから、新年の松飾りはたいした量ではありません。
この御神木の杉の木は2代目。もともとの杉の木は太くなりすぎて括り付けるのが困難になり、近くの杉の木に変わりました。


古い松飾りは朽ち落ちています。
昨年のしめ縄は原型がまだ残っています。


この上に今年の松飾りを括り付けます。縄は鎮守の神社の鳥居に掛けたしめ縄。


昔は夕方に行っていたものでした。今は早いうちに済ませます。


このようなことも我が家の裏山なればこそできることです。
わらや紙だけでできているので、朽ちれば自然に土に帰っていきますが、公の場なら不法投棄扱いされてしまうかもしれません。
いつまでできるか。しかし、止めると落ち着かないものです。
「鳥追い」の行事を七草の日に行っている地方もあるようで、正月行事は本当に様々です。


ビワの花を水墨画で描く

2021年01月13日 | 水墨画:菜果

画仙紙 半切1/3


ビワの花を水墨画で描きました。
ビワの成るのは初夏の頃。
ビワの実を知らない人はまずいないと思いますが、ビワの木が身近になければ花は分らない人が多いのではないでしょうか。
まして、冬分に咲くのをご存じないかもしれません。
ビワの花は数が多く、11月中から咲き始め1月になっても咲いています。
ビワの北限地はどの辺りなのか、調べたことはありませんが、幼少の頃、我が家の裏にはかなり大きな木がありました。
小さい実ながら甘く、沢山成り、木によじ登って盛んに穫ったものです。
この木は切られてしまいましたが、しばらく後、植えたのが今あるビワの木です。それなりの実が成ります。
ビワの生産地は長崎県や千葉県など暖地です。しかし、営利栽培は無理としても寒冷地でも結構育ちます。
ビワは専ら実だけが注目されますが、花も興味深い姿をしています。
小さい花が固まって咲き、なかなか面白い。
そして、長く厚みのある大きな葉。実が着いていなくても画の対象として面白い題材ではあります。
 

酷寒に蕾を着ける健気な菜の花

2021年01月12日 | 畑:花菜類

ナバナ類の「寒咲花菜」。
酷寒の中で、健気にも蕾を着け茎を伸ばしています。


11月20日くらいから穫り始めました。主枝(親茎のトウ)の収穫はすべて終り、側枝(子茎)を収穫しています。
今年は何年ぶりかの厳冬です。
当地方も、今月に入り、真冬日を記録する日が出ています。特にここ数日は厳しい冷え込み。最低気温が10℃近くまで下がっています。
日本海側は大変な大雪に見舞われていますが、この辺りは西高東低の気圧配置で大雪になることはありません。しかし、山脈を越えて雪雲が流れ込み2、3センチの雪が積もっては溶けるを繰り返しています。
この「寒咲花菜」も先月とは姿が一変しました。(先月の寒咲花菜


外葉は厳しい低温ですっかり垂れ下がりました。暖冬だった昨年とは様変わりです。
この畑は南向きのごく緩い傾斜で日当たりが良く、日が射せばすぐ雪は溶けますが、外葉に隠れたところには雪が僅か残っています。


先月は蕾が葉に隠れていました。今は蕾が見えています。


伸びている側枝(子茎)もさすがに少し萎れているものがあります。
このくらい冷え込むと凍害を受ける危険が高まりますが、頑張っています。


暖冬なら花もチラホラ見ますが、今年は蕾から進みません。


植物は寒くなると糖分を蓄え、体内濃度を高めて寒さから身を守ろうとします。
これまでの経験で、「寒咲花菜」は厳冬にもしぶとく耐えることが分っています。
収穫したわき芽(子茎)からはさらに孫に当たるわき芽が出ています。この厳しさに耐え、春に向かって子茎から孫茎へと収穫を続けていきたいところ。


数株収穫した「寒咲花菜」。


この寒さで、ボリュームは落ちてきましたが、旨味は一層増しています。
花芽、茎、新葉余すことなくすべて軟らかくおいしい。ナバナ類の中でも人気は一番です。
これは同じナバナ類のアスパラ菜。


かなり傷んではいますが、茎は立ち、花が咲いています。
急激な低温に見舞われると弱いものの徐々に低温になっていくと作物の耐寒性は増していくようです。
こちらは春先から収穫する茎立ち菜(トウ立ち菜)。


仙台雪菜、かき菜、三陸つぼみ菜の3種あります。何の問題もありません。