里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

畑の土壌改良にピートモスと木炭

2022年01月26日 | 畑:果菜類

ピートモスと木炭を使って畑の土壌改良をしています。
我が家の畑は粘土質の強い土壌です。土が固まりやすく、水が抜けにくい。
一方で、ミネラル分が豊富で肥料持ちが良いため、上手に作れば美味しいものができます。
それで、対策の一つとして用いているのがピートモスと木炭。
ピートモスは結構経費が掛かるので全ての畑に一挙にはできません。
やるのは畑が空いてくる冬期間ですが、予定より少し遅れました。
今年は少雪といえども繰り返し降るため、畑の乾きが良くありません。
ここ何日か天候が良く、ようやく機械が入る程度にで乾きました。
今回は3カ所に分かれています。畝を高くした所は一度耕耘。

まず畑を平らにします。


これがピートモス。3袋購入しました。


225リッター入りと大きな袋のためやや扱いにくい。
ただし、20リッター入りの袋よりはずっと割安です。


ほぼ毎年このくらいを順繰りに畑を変えながら使っています。
欧州産のピートモスは長持ちするといわれています。
真偽のほどは分りませんが、ピートモス自体に持続性があるのは間違いなさそうです。
ピートモスを全面にできるだけに均一に散らします。


平畝に近い畑は耕耘は省略し、全面に散布。


次に、木炭。


くずの木炭を全面に散らします。


これは、30年以上前に父が生前作ったもので、在庫として残っています。
耕耘を省略した畑の方にも同様に。


木炭は土壌改良とともに活性炭効果で水はけを良くすると言われています。
ピートモスは酸性なので、アルカリ性の木炭とは組み合わせが良い。
最低速度で深くゆっくりとロータリー耕耘。


重複して耕耘し、均一になるようにします。最後に、仕上げの耕耘。


少し水分が多めだったものの綺麗に仕上がりました。


ピートモスは育苗床土に使われることが多く、直接畑にやることは少ないでしょう。
継続的に使ってみると、効果が長持ちすることが実感できます。


ターサイと縮み雪菜を比べてみる

2022年01月25日 | 畑:葉菜類

11月半ばから株間を広げつつ抜き取り収穫を始め、2ヵ月余り。
ターサイと縮み雪菜は厳寒期に姿が大きく変わります。
姿が非常に似ていますが、日を追って違いがはっきりしてきました。
作り方は同じで9月21日の種播き。バラ播きです。
施肥と畝立てにミスがあり、一部に肥え切れ症状が出たのはまずかったですが。
ターサイ。


厳寒期になると葉が地べたに這いつくばった状態になります。


株間を十分に広げておかないと重なってしまいます。
抜き取り収穫を進め年内には30センチ間隔くらいにすべきですが、できていません。


低温で葉は一層濃緑になり厚みを増します。


縮みはより強くなり、外葉は次第に枯れて全体が小さくなってきます。
ピーク時の大きさから見ると大分小さくなりました。


縮み雪菜。


収穫の進み具合もターサイと同じです。
縮み雪菜はターサイの変異した株から育成されたと言われています。
初めのうちはターサイとほとんど区別がつきません。
しかし、今でははっきりと違いが出ています。
葉は横に広がっていますが、まだターサイのようには地べたに這いつくばっていません。


葉色はターサイより鮮やかで光沢があります。


葉柄が長く、縮みが細かくて多数。厚みはターサイの方が厚いか。


次第に外葉は枯れてはきますが、ターサイのように目立って小さくはなりません。


比べてみると全体的に縮み雪菜が一回り大きい。右がターサイ、左が縮み雪菜。


厳寒期になると、扱いやすさと見栄えで縮み雪菜が優るようです。
ターサイも縮み雪菜も一段と旨味を増しています。
しかし、ターサイはほとんど店に出回ることがありません。
縮み雪菜が普通に出回るようになり、市場性で両者にははっきり優劣が付いたのかもしれません。


文化財級育苗ハウスの点検と補修

2022年01月24日 | 田んぼ

我が家の水稲育苗ハウスは、正に文化財級。
耐用年数の数倍以上。40年を越えているでしょうか。記憶も定かでありません。
このようなタイプのパイプハウスはもう見かけません。
両親が健在の頃、我が家には数棟のパイプハウスがありました。
老朽化したので解体し、使えるパイプをこのハウスに集約しました。
全ての支柱をダブルにし、通常の2倍の本数にしたのです。
老朽化はしているもののダブル支柱なので大幅に強化されているはずです。


さらに筋交いをし、パイプどうしを縛ることでも強化を図りました。
それでも、大雪や強風被害のリスクは避けられないので、今は水稲育苗期間だけの利用です。
過去に2月の重いドカ雪でさんざん苦労しているので、もう無理はしません。
昨年の育苗時の黒マルチは張ったままです。
今年はもちろん張り変えますが、育苗時の均平などの手間を省くことができます。
冬期間にやっておかなければならないのが点検と補修。
まず針金の締め直し。


補強杭の点検と締め直し。今年は杭の取り替えはありません。


一番は被覆ビニール抑えのマイカー線を止める足場用パイプの点検。
この昔ながらのハウスはマイカー線が命です。
足場用パイプを固定する杭は、山から切り出した栗の木。
栗の木の杭は市販の杭よりはるかに強い。
ただし、このように次第に腐ってきます。

点検しながら弱っているものを交換します。
一挙に交換するのは大変なので、数年で一巡する程度が目安。
この杭はすっかり腐っていました。

新しい杭と交換します。


杭を掛矢で打ち込みます。


太い針金で縛ります。


こちらも新しい杭と交換。


針金でしっかり縛って出来上り。


さらに数本を交換しました。経費はほぼゼロ。里山資源の有効活用です。
側ではスイセンが咲き始めており、一時の和み。


水墨画「人参と葱」

2022年01月23日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙 

ニンジンとネギは秋冬期の代表的な野菜です。
中でも厳寒期の今が最も美味しいと言って良いでしょう。
強い低温から身を守ろうと体内糖度を高めるため甘味が増します。
元が甘いニンジンは、果物並みの糖度にまで高まります。
皆が、甘い甘いと異口同音に言うのも当然でしょう。
しかし、旨くなるのは糖度が高まるためだけではないはずです。
その野菜そのものが持つ旨味、ビタミンやミネラルなどあらゆる成分が濃縮されるからでしょう。
また、柔らかさや歯触りなど味以外のものも旨さに関係しています。
最近、テレビを見ていると、旨い=甘いが同義語のように使われているように感じます。
食レポなどでは、甘いの連発で、さして甘味を求められない作物にまで「甘い甘い」。
甘さ以外に作物本来の持つ旨さを伝える表現がないのかと思ってしまいます。







一段と甘味増す冬ニンジンと長ネギ

2022年01月22日 | 畑:根菜類

厳冬下、様々な野菜が低温への自己防衛反応で体内糖度を高め甘味が増します。
中でも、皆が「甘い、甘い」と異口同音に言うのがニンジンとネギ。
これが冬ニンジン。


ニンジンは2回に播いており、これは2回目。8月8日に播いたもの。
1回目の秋ニンジンは終了し、2回目の冬ニンジンを穫り始めたところ。
品種はトーホク種苗の「黒田5寸陽彩」。
今年は量が多く、半分は囲いに回し、半分は畑にそのまま残しています。


ニンジンは根が完全に土中に入っているので、凍害の影響をあまり受けずに済みます。
ただし、ドカ雪に見舞われれば、穫るのは大変。
一方、強粘土質のため乾燥して土が硬くなっても、簡単には引き抜けなくなります。
今年は幸か不幸か、少雪が降っては溶けを繰り返しているため適度に湿って抜きやすい。
さすがに葉は倒れ、少し黄ばんできました。


まだ沢山残っており、手頃なニンジンが穫れています。


5寸は15センチですが、20センチくらいのものが多い。


今のニンジンは甘味が際立っています。
これが囲いに回し、埋め込んだニンジン。


取り出しやすいように10本くらいずつ纏めて葉の根元を縛って埋めています。
手を付けるのは大分先になるでしょう。


長ネギ。


品種はタキイ種苗の「ホワイトスター」。
長ネギは10月から穫り始め、穫り続けていますが、厳寒期の今がとりわけ旨い。
葉は垂れたり折れたり、寒さに必死に耐えている様子が窺えます。


寒さで凍みてしまいますが、大丈夫。


甘味、旨味が一段と濃くなりました。
もっと土寄せできれば白根(軟白部)を長くできるのですが。
湿害対策を優先して浅植えに変えたので、これが限界。


青みが残ってしまうのは残念ながら、柔らかさは確実に増しています。


少し纏めて穫り、家のすぐ側に小さく囲って置くようにしています。
こちらは、白根(軟白部)を確保するため、曲がりネギ風にしてみたもの。


少し始めるのが遅かったですが、かなり新葉が立ってきました。


穫るのはあとしばらくしてからになるでしょう。
今年はニンジンもネギも豊富にあるので皆にバリバリ食べてもらいたい。