テレビジョンが始まって,映画と違った文法でドラマを作り出しました。
テレビのカットの切り返しが映画と比べておかしかったりしました。
それが意外と新鮮に見えました。
映画にテレビの影響が及びました。
それがフランスのヌーベルバーグでしょう。
大会社の企画に縛られない、小さなプロダクションと
少ない予算で新しい実験的映画を
作り出します。
アンダーグランド映画が流行りました。
スクリーンも小さくない映画館で,
題名は「新宿泥棒日記」だったと思います…
を見に行きました。
映画が始まってしばらくして,
新宿の通りを全速力で走る青年をミディアム・ショットでとらえます。
青年をとらえるカメラも猛烈な勢いでドリーバックします。
演出意図なのか映画スクリーン一杯にグラグラの映像で何が写っているのか
わかりません。
そのグラグラがしばらく続きます。
そのグラグラ・カットを見た途端、気分が悪くなって,映画館を出ました。
… … …
私は映画が好きですから、ストーリーが良くなくても,
最後まで鑑賞することにしています。
しかし、このグラグラには我慢できませんでした。
以後,その監督さんの映画が評判が良くても、1本も見ていません。
ニューシネマで、映画文法を無視したカット割り、
切り返しのショットわざと無視したシーンも私は理解できます
。
映画も狭い場所を撮影するので手持ちカメラで撮って
多少のグラグラ・シーンは我慢できます。
… … …
例えば,エレベーターを待っている男女のカットがあります。
やがて、エレベーターが来て,ドアが開くと,
その男女をカメラはフォローしながらエレベーターに一緒に乗り込みます。
このようなカットは手持ちカメラでなくては、
男女の俳優さんとカメラのスペースが
ありません。
… … …
しかし、この「新宿…」のグラグラはいけません。映画以前の問題です。
テレビもドラマのドリー付きの大型カメラに交じって、
ハンディカメラが使われています。
フジテレビの「笑っていいとも」など、公開スタジオにハンディカメラが
入っています。
テレビ受像機の標準が14インチでは目立ちませんでした。
受像機もダンダン大きくなってきました。
受像機が小さい間は手持ちのハンディカメラでも
揺れが目立ちませんでしたが
大型テレビが普及するとカメラブレが目立つようになってきました。