スタジオのセットは美術部の大道具係で
建てられますが、出来上がったセットだけでは
ニュータウンに完成した新築住宅のようなものです
そのセットからは生活が感じられません
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その部屋にソファー、テーブル、花が活けられた花瓶
和室では床の間に掛け軸、キッチンのセットでは料理器具、
オーブン、冷蔵庫が並んで初めて、生活感があふれてきます
その部屋のセットの壁に掛ける額縁など、部屋を
装飾を担当するパートを美術部、小道具係と呼ばれます
この大道具、小道具と名付けられる係は
テレビスタジオに限らず
映画スタジオ、劇場の舞台でも云われています
ソファ、テーブル、掛け軸、床の間の花瓶などから
始まって、時代劇の刀剣、ご用提灯、額縁、絵画、食器
瀬戸物など、ありとあらゆる小道具が、
小道具倉庫に収納されています
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小道具倉庫を眺めると、古都の骨董屋の店先、
縁日の道具屋を眺めているようで、
いつまでも飽きません
現代劇のドラマで、銀行の窓口の場面では小道具として
紙幣が必要になります。紙幣が点景として描写される場合は
本物でなくてもいいのですが、紙幣のやりとりのシーンでは
どうしても本物の紙幣が必要になります
テレビ局の経理局から本物の紙幣を借りてきます
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紙幣が登場する場面では、その場面を撮り終わったあと、
その偽物の紙幣はどう処理されたか、また、
本物の紙幣の場合はキチッと経理局に返却されたかなど
小道具係さんは神経を使います。