
イーストマンコダックのドイツの合弁会社から「コダック・レチナ」という
35㍉で蛇腹式のカメラが発売されます。
カメラと同時にパトローネという35㍉フィルムを金属の容器に
入れたものが発売されます。
これは、今も35㍉フィルムはこの容器に入って売られていますが,
コダックとして画期的な開発だと思っています。

パトローネは,マガジン使用カメラのライカやコンタックスにも使えます。
その後,世界中のカメラメーカーから,マガジンを使用しないで,
パトローネを使用するカメラが出てきます。

ツァイスイコンから「コンテッサ」「コンティナ」など
蛇腹式35㍉カメラが発売されます。

日本にも、蛇腹式のアルコ35があります。
カメラの上の大きなファインダーは、接写するときに使用します。
カメラの距離リングのカムと連動して,ファインダーを傾けて,
パララックスを極力なくす構造になっていました。

パトローネは 1回で使い切りでしたが,
写真愛好家は,ダークバックなどで、
何度もフィルムを入れ替えて使いました。
パトローネは,指で軸を押すと,反対側のパトローネの蓋が
パカッと外れます。

ダークバックでマガジンのフィルムを詰めるのに比べると、簡単に出来ました。
絆創膏をU字型にして軸にフィルムを固定して巻き込みます。
この絆創膏はしっかり止めないと,カメラの中で万が一外れると,
フィルムの巻き戻しができなくなります。

35㍉カメラのフィルム巻き上げは長い間ノブでおこなっていました。
戦後発売された「コダック・レチナ」のフィルム巻き上げノブが、
レバーになりました。
撮影後のフィルムを素早く巻き上げられるというのです。

早速,日本でも太陽堂光機(株)が「ビューティ35」で
レバー巻き上げ式を採用しました。
写真は,昭和30年6月ごろの雑誌に掲載された太陽堂の広告です。
スペックは、レンズ、ビューティ45㍉ F3、2
シャッターNKSーFB(B・1~1/300秒)
前玉回転式の距離目盛 ,目測式
シンクロ接点は,ドイツ式接点
(当時、コダック式接点というのもありました)
ブライトフレーム ファインダー
フィルムはレバー巻き上げ式

このスペックの最後のレバー巻き上げ式がカメラ雑誌で大論争になります…。

※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます