
35㍉フィルムの入れ物、パトローネには、
中に光が入らないようにフィルムの出入り口に,
毛足の長いビロードのような布がフィルムを挟むようについています。
これを「テレンプ」といっています。

その点,マガジンは,フィルムを装填して裏蓋を閉めると,
止め金具に連動してフィルムの出入り口を「ガバッ」と開きます。
撮り終えたフィルムをマガジンに巻き戻してカメラの裏蓋を開きますと,
止め金具に連動してマガジンのフィルムの出入り口はしっかり塞がります。


写真は,ニコンFのマガジンですが,ライカもコンタックスも大体同じ構造です。
… … …
レバー巻き上げ式のカメラで,マガジンを使用するならともかく、
パトローネを使用するカメラで、レバーで勢いよくフィルムを巻き上げると、
「テレンプ」とフィルムで静電気が起こり,フィルムに塵が付きやすい。
フィルムに傷が付きやすい。
といったことが雑誌に出ました。

レバー巻き上げ式の「レチナ」や「ビューティ35」は
パトローネを使うようにできたカメラです。
… … …
このことを私が覚えているくらいですから、
かなり論争が激しかったのでしょう。

ドイツから「ライカM3」がやってきました。
なんと、このライカM3はレバー巻き上げ機ではありませんか。
… … …
それまで、レバー巻き上げ機は、「どうの…」と言っていた
批評家,評論家はピタッと鳴りを潜めてしまいました。
… … …
日本の写真界にとっては、「ライカM3」があまりのできばえに,
「M3ショック」に陥ってしまいました。
世界中に「バルナック・ライカ」のコピーが広まっていました。
それを払拭するかのような「ライカM3」の出現です。

以後,日本の写真界はレンジファインダーカメラを諦めて
一眼レフに大方向転換します。
一眼レフの泣き所のシャッターを切ると画面がブラックアウトするのを
改良して,「クイックリターンミラー」を考案し,
レンズ開放の状態からシャッターを切ると,決められた絞りにレンズが絞られ、
ミラーが復帰したときには,レンズが再び開放になっている
「リ・オープンシステム」を考え出します…。

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