放送作家、香川登志緒さん

会社の近所に「信州蕎麦」が

ありました。当時、世の中では

趣味？として「そば打ち」が

流行りだしていました

この「信州そば」はなかなかの美味で

昼食時は、いつも満員でした

…　…　…

そのお客にまじって，放送作家で

漫才作家でもある香川登志緒(かがわとしお)さんも

おられました



香川先生によると「ここ信州そばは大阪で一番旨い…」と

熱心に通っておられました

香川登志緒さんはテレビ公開番組

「てなもんや三度笠」や

「スチャラカ社員」のリハーサルで

よく客席で見ておられました



リハーサルが一段落してスタッフで

談笑しているところへと

香川先生が入ってこられて

「誰か私の洋楽のレコードを貰ってくれないか」と

云われました…

放送局近所の食堂で

ＡＢＣセンターが出来てから

社屋の近所に新しく飲食店が

建ち始めました。

蕎麦の美味しい「信州そば」や

昼食時にはランチと名付けられた

握り寿司を出す､寿司屋



街中の食堂のような店もありました

店に入ると色んなおかずがガラス戸内に

並べてあります。

客は、そのおかずとご飯をトレーに並べて

レジへ持っていって，精算するスタイルです



そしてレジでお客からお金を受け取るのは、

愛称「八ッちゃん」です

私も時々、この食堂で昼食をとっていましたが

いつ行っても私のトレーを見て

八ッちゃんは「６００円！…」と云います



私と一緒に行った友人のトレーも

「６００円！…」と云われています

おかずの皿が多くても，日によって少なくても

「６００円！…」なのでした

社員食堂の名物お姉さん

ＡＢＣセンターの社員食堂には

ＡＢＣで働く社員や出入りの業者さんの

ほかに､ドラマに出演されている

タレント（俳優）さんもちょくちょく

利用されていました

タレントさんの中には､あちこちの

出演しているテレビ局の社員食堂に

出入りしています。

そのタレントさんが東京へ帰って

ＡＢＣの社員食堂には暗算の

凄いお姉さんがいるよと、噂が広まって

お姉さんはすっかり有名になってしまいました



テレビ局の社員食堂は､朝から夜まで、

祝日も休みなしです。暗算の速いお姉さんも

休みの日があります。その時の臨時の女の子による

レジは会計が行き詰まって大変なことになりました



現在の社員食堂は食券の自動販売機システムになりました

もう、会計もレジもありません。

それに、近所のスーバーマーケットは

商品の計算はバーコードで、そしてお客がオートレジスターで

支払いするようになりました。世の中に暗算が得意な

女性が大勢おられるでしょうに…、

社員食堂の名物お姉さん

ＡＢＣセンターの社員食堂には

ＡＢＣで働く社員や出入りの業者さんの

ほかに､ドラマに出演されている

タレント（俳優）さんもちょくちょく

利用されていました

タレントさんの中には､あちこちの

出演しているテレビ局の社員食堂に

出入りしています。

そのタレントさんが東京へ帰って

ＡＢＣの社員食堂には暗算の

凄いお姉さんがいるよと、噂が広まって

お姉さんはすっかり有名になってしまいました



テレビ局の社員食堂は､朝から夜まで、

祝日も休みなしです。暗算の速いお姉さんも

休みの日があります。その時の臨時の女の子による

レジは会計が行き詰まって大変なことになりました



現在の社員食堂は食券の自動販売機システムになりました

もう、会計もレジもありません。

それに、近所のスーバーマーケットは

商品の計算はバーコードで、そしてお客がオートレジスターで

支払いするようになりました。世の中に暗算が得意な

女性が大勢おられるでしょうに…、

社員食堂のお姉さん

昨日は，野際陽子さんの訃報に接して

いろいろ思い出してみました

ＡＢＣセンターの社員食堂の話に戻ります

…　…　…

朝から深夜まで開いている社員食堂も

昼食時が一番､混雑します

社員それぞれがトレーに皿やご飯を並べて

レジ(会計)の前に行列を作っています



レジの前のお姉さんは、並んでいる社員の

持ってくるトレーを見て

「○○円です…」

「次の人は△△円！…」

「その後の人は××円！…」

と次々に金額を告げていきます



レジのお姉さんはトレーを見て

一瞬にして合計がわかるのでした

お姉さんは暗算の天才でした

一度私は､お姉さんに凄いねえ…

どうしてわかるのと聞いたことがありましたが

お姉さんは、その日のおかずの値段は

わかっているから､簡単よ…と

笑顔で答えてくれました

野際陽子さん

ニュースで野際陽子さんの訃報を聞いて

ビックリしました。

大阪テレビ時代、月金の１３時から１５分

ポーラ化粧品１社提供で主婦層を念頭に

「婦人ニュース」がありました

キャスターは玉井孝(たまいたかし)と

稲田英子、両アナウンサーでした

番組の後コマーシャルは､化粧品を持った

タレントさんのワンショットで､彼女のしゃべりとともに

手許の化粧品にドリー・インするカットでした



ＴＢＳでも資生堂提供の「女性専科」で主婦層を

ターゲットにした番組がありました

そして野際陽子さんが担当でした

その番組を大阪テレビで一度だけ制作することになりました

どうして制作することになったのか私は知りませんが

私はスタッフの一員として、野際陽子さんを交えて打ち合わせに

でました



本編は印象に残っていないのですが、

後ＣＭでスタジオカメラを

使った、かなり難しい構成でした

スタジオでカメラリハーサルのときに、

「このコマーシャルがうまく出来たら

あとで、お酒を吞ましてね…」と冗談を交えながら

無事放送は終了しました



夕方、三階の演出部の席に戻っていると

「貴方との約束ですから梅田新道の

××クラブへ来てください…」となんと

野際陽子さんからのお誘いでした

「あれはほんの冗談です…」と申し上げたのですが

結局，ご招待にあずかることになりました



野際陽子さんは，元ＮＨＫ美人アナウンサーでした

ＮＨＫを退社されて，女子アナからやがて女優さんに

なられました。内田康夫の浅見光彦シリーズのドラマで

浅見光彦と兄の陽一郎の母親、浅見雪江役を見事に

演じておられました。

ＡＢＣセンターの社員食堂

ラジオとテレビの総合社屋の

ＡＢＣセンターの６階の社員食堂は

明るい窓のある広い場所でした



朝は、泊まり明けのアナウンサー

報道スタッフなどが利用していました

生卵、納豆、味付け海苔，魚の干物などが

並んでいました



１１時ごろから，昼食の時間になります

事務棟の社員、ラジオ、テレビのスタッフなど

１日で一番利用者の多い時間です

入口でトレーを一枚とって、ショーウィンドウに

並んだおかずを見て，長いカウンターに並んで

昼食のおかずを次々にトレーに入れていきます



トレーを持った社員が並んでいます

そのカウンターの先に

レジスターを前にして女の人が座っています

社員のトレーを眺めて

「○○円いただきます…」

「次の人は△△円です…」

と代金を受け取って，釣り銭があるときは

手際よく渡していきます

ＡＢＣセンターにて

ラジオとテレビが同じ社屋になった

ＡＢＣセンターでは、ラジオのスタジオや

スタッフと馴染みになりました

ラジオの番組制作のスタジオ・サブにお邪魔して

元ラジオ少年としては，合点がいく毎日でした

…　…　…

ラジオ番組の構成作家とも知り合いになりました

ラジオの番組を構成していた作家に藤本義一(ふじもとぎいち)さんも

社屋の喫茶室でよくお目にかかりました

藤本義一さんは、喫茶室や、ラジオ制作部の机で

原稿を書かれていました。

藤本さんは、思いついたアイデアを，その場で

サッと原稿を書き上げる器用な人だったようでした



当時、私が住んでいた枚方(ひらかた)市の香里団地に

おられたと噂で聞きましたが，団地ではお目にかかりませんでした

藤本義一さんは，直木賞を受賞されてから、ラジオ、テレビの仕事から

から離れて作家になられたようです。



ＡＢＣセンター６階の喫茶室の隣が社員食堂です

社員食堂は，朝食、昼食、夕食が用意されて

朝食は，早朝番組の関係者か、昨夜からの泊まり明け

スタッフやアナウンサーが、夕食は，テレビドラマの

スタッフやラジオの深夜番組関係者が利用していました

ＡＢＣセンターの喫茶室で

大阪のテレビ局の中では

わがＡＢＣテレビがドラマ制作では

多いほうでした

テレビのスタジオ棟にいつも

映画館のスクリーンでお馴染みの

映画俳優さんが来られていました



新しくなったＡＢＣセンタービルの

６階には社員食堂と喫茶室がありました

テレビドラマへ出演されている俳優さんも

休憩時間やスタッフとの打ち合わせに

この喫茶室をよく利用されていました

社内の喫茶室は社員が利用しますから

映画俳優さんと一緒になっても

別に騒ぎは起きません



ＡＢＣセンタービルにはこの６階の

喫茶室の他に、１階にもふたつ喫茶室が

ありました。これら喫茶室には俳優さんの

ほかに、料理番組の土居勝(どいまさる)

井上幸作(いのうえこうさく)，辻勲(つじいさお)先生

も、番組の打ち合わせでか、よく見かけられました。

テレビドラマのスタジオへ

連続ドラマの制作花盛りだった

当時をもう少し思い出してみます

…　…　…

「天保つむじ風」は５５分ドラマで

出演は本郷功次郎(ほんごうこうじろう)

津川雅彦(つがわまさひこ)三国連太郎(みくにれんたろう)

松岡きくこ

…　…　…

「戦国艶物語」(せんごくつやものがたり)では

若尾文子(わかおあやこ)，入江若葉(いりえわかば)

小松方正(こまつほうせい)，山本學(やまもとがく)



当時、テレビドラマが盛んに作られていたころ

スタジオ棟には，三つのテレビスタジオに向かい合って

衣装部屋、メーキャップ室に、俳優さんの控え室が

並んでいました。

テレビドラマに出演される俳優ｻﾝは，スタジオの出入りに

テレビ棟の廊下を歩いておられます

顔なじみになった俳優さんは、我々スタッフと

会釈を交わしてすれ違います



テレビ局事務棟の若い女性社員らは

スタジオに俳優○○さんが来ているらしいよ…と

噂が流れると、仕事の合間に何人か女性社員は

連れだって、スタジオにやって来ていました。

テレビ局の女子社員ですから、スタジオに出入りは

自由でした。