■■【経済の読み方】何が起こった2015年9月を時系列に見る 前半
世の中の動向は、アラカルト的に見ることも大切ですが、時系列的に見ると、また異なった面が見えてきます。
ここでは、これまでブログ掲載してきました内容を、月単位に、コンパクトにまとめてご紹介します。
※ 月により文字数が多くなりますと、分割掲載することがあります。
■ 2015年9月7日の週
中国経済の減速が尾を引いています。テレビを見ていましたら、あるエコノミストが、中国のように広大であると、経済指標などは、日本や欧米に見られるような精度を求めること自体が困難なため、ウソではないし、あたっていないわけでもなく、かといってあたっているとは限らないというようなことを言っていました。GDP7%も、実態はもっと悪いという、別指標からの推定ができるそうです。
そのような中、アメリカ経済を診る(見る)有益は指標としての雇用統計ですが、低水準でした。しかし、事前の予測よりは改善していることから、好感される数字であったようです。今週は、日本では景気動向指数や景気ウォッチャー調査が発表されますし、アメリカでは卸売物価指数が発表されます。
これらの数値がどの様に出るかにより、株価が動くのでしょうか?
7日(月) 日本:景気動向指数
8日(火) 日本:GDP、景気ウォッチャー調査
欧州:ユーロ圏GDP
10日(木) 中国:消費者物価指数
11日(金) 米国:卸売物価指数
14日(月) 日本:日銀金融政策決定会合(~15)、安保法案成立(14~)
16日(水) 米国”FOMC開催(~17)
■ インドネシアに新幹線が走るのか? 2015/09/04
日本と中国が激しい受注バトルを繰り広げた、インドネシアの高速鉄道計画は、日中いずれへの軍配でもなく、想定外の結末に終わりました。
インドネシア政府は、日中双方が提出した案のいずれも財政面の負担が大きいので、受け入れられないという結論でした。今後、コストを抑える方向で高速鉄道の計画そのものを見直す方針を示したのです。
断念したわけではありませんので、いずれ新しい方針が出されるでしょう。
関係者は拍子抜けしたかと思いますが、お疲れ様でした。是非、台湾、イギリス、インドやタイに続いて、受注できるようにがんばってください。 映像
■ 植村さん登頂のマッキンリーがなくなる??
世界的な冒険家の植村直己さんが1984年に、アメリカ・アラスカ州にある北米最高峰で消息を絶たれました。1970年8月30日に、植村さんが初登頂し、「冒険家の日」と定められています。このことは、わたくしのブログやサイトの【今日は何の日】欄でもご紹介しています。
「マッキンリー」という名峰名をご記憶の方は多いでしょう。ホワイトハウスは、その名称を、先住民族が古くから呼んできました「デナリ」に変更することを明らかにしました。アラスカ先住民族の言葉で「偉大なもの」という意味ですので、標高6194メートルという堂々たる名峰にふさわしい名前になったといえます。
そもそも「マッキンリー」という名称は、1896年、現地を探検していた男性が当時、共和党の大統領候補だったウィリアム・マッキンリー氏への支持を表明するために名付けられたといいますので、あまりにも俗世臭い起源だったのです。それを知ってマッキンリーという名称への愛着心も薄れました。 <詳細>
■ 東京オリンピック・エンブレム問題での費用を考えよ
東京オリンピックにまた、ケチがついてしまいました。それも大変恥ずかしい、“盗作”ということが原因です。大会の組織委員会が準備したエンブレムの入ったグッズやスポンサー企業への賠償など、その費用負担はどうなるのでしょうか。佐野氏が心から反省するような人物とは思えませんし、森元首相は、全然責任を感じていないようです。
国立競技場もエンブレムも”白紙撤回”といいますが、前回の応募・審査で次点を採用するなどで、時間も費用も少なくすることができると思います。なぜ、一からやり直すのでしょうか? 映像
■ 今年はデング熱は大丈夫
昨年は、東京代々木公園に端を発したヒトスジシマカが媒介するデング熱ですが、幸い今年はいまのところ治まっているようです。
海外からの外国人旅行者が多数流入していますので、感染者がその中にいる確率は高くなっています。政府は、観光地などの中から感染のリスクのある地域を選び出し、事前に蚊の生息状況を調べるように指示を出していました。ところが、全体の3分の1に当たる15の府県で実施していないことが判明しました。
専門家に寄りますと、蚊の生息場所が事前に解っていれば、蚊がウイルスを持っているかどうか直ちに調べることにより、拡大を防ぐことができるといいます。その調査をしないという御役人のリスク意識の低さが大問題です。 <映像>
■ 株価乱高下とアメリカ経済
中国経済の減速で世界的に影響が処々に出てきているようです。その典型が株価で、日本だけではなく、各国で乱高下をし、それに引かれて為替相場も変動しています。
アメリカのFRBでは、金利をいつ上げるか、9月説の判断が困難で、後ろ倒しになる雰囲気です。ということは12月説が有力となります。
そのような中、アメリカのGDP改定値が発表されました。企業の設備投資や個人消費が上向いたことで、プラスとなりました。年率換算で実質の伸び率は速報段階の2.3%のプラスから3.7%のプラスに修正されました。アメリカ経済が春から夏にかけて、より堅調に回復していたことが分かります。
中国経済の減速や、それを背景にしたこのところの株価の不安定な動きが、この先の景気や消費者心理にどのように影響を及ぼすかを見極める必要がありそうです 映像
■ 日本は宇宙技術を海外展開すべし
無人宇宙輸送船「こうのとり」が、日本人の連携で、見事ミッションを達成しました。今回は、飲料水精製用のフィルターをNASAから託され、失敗が許されないフライトでした。日本の技術の高さを世界に示せたと思います。なによりも、「こうのとり」は、過去に失敗がない高い成功実績を持っていることは、信頼性を示しています。
しかし、日本の宇宙政策は、2020年以降は白紙状態で、何を、どのように進めるのか未定で、極端な人はやめてしまうべきだとさえも口にしているほどです。中国は、独自の宇宙ステーションを2020年までに打ち上げると言っていますし、アメリカは2030年までに火星に人を送ろうという計画です。
日本の宇宙技術の高さは、海外でも評価されるようになってきています。例えばロケットの安定性は向上していますので、ロケットを持たない国の人工衛星打ち上げビジネスも始まっています。
その高い技術を海外展開するなど、官民一体となった市場開拓も積極的に進める時期に来ていると言えます。 映像
■ 東京パラリンピックは大丈夫か?
IOCから、2020年1月には新国立競技場の完成をするようにとJOCの4月完成を前倒しするようにと話がありました。やはり、スケジュールには余裕が必要です。
新国立競技場だけがクローズアップされていますが、障害者と街を歩きますと不便さを実感します。オリンピックだけではなく、パラリンピックもあります。登りのエスカレーターはありますが、下りのエスカレーターのないところが非常に多いです。下りるときには、そのたびにエレベーターのあるところまでぐるりと回っていかなければならないのです。健常者にとっては対したことでは無いですが、一歩でも歩く距離を短くしたいという人にとっては、大きな負担です。
国土交通省が公共交通機関のバリアフリー化にようやく腰を上げました。まだ、遅すぎるとは言いませんが、オリンピック開催は昨年決まったのですから、今年度予算から計上すべきです。
健常者の目からのバリアフリー化ではなく、当事者目線での設備かを強く望みます。 <詳細>
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