けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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再び 頭寒足熱(ずかんそくねつ) について

2008-07-05 03:33:41 | 東洋医学全般
先週、ある企業に招かれて、「東洋医学と自分でできる健康法」についてお話をさせていただく機会がありました。そこは大きくてきれいなオフィスビルディングで、まさに大企業という感じが致しました。しかし、オフィスの内部が寒すぎるのです。
もちろんこの会社だけではないのですが、特にアメリカのオフィスは日本人にとっては寒すぎる傾向があります。これはたぶん皮下脂肪の質がちがう米人に合わせた温度調整が関係するのかもしれません。

日本人社会で「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」という言葉を聞いたことがありますか?とききますと、40代以上は知っていて、30代以下は「知らない」とお答えになる方が多いようです。
「頭寒足熱」は読んで字のごとくですが、要は下半身が温かくしっかりしていて、上半身はそんなに熱くなくてすっきりしている感じ。という意味合いです。

しかし、冷房設備で足腰が冷えて、ストレスで頭や目を使いすぎていると、この状態が逆になります。業界では「上実下虚(じょうじつかきょ)」と表現します。

足腰が冷えてしっかりしなくなって、首や肩がしっかりとこってしまった状態です。

東洋医学的に物を考える場合、基本になるのは東洋哲学である易経の考え方です。
易経を易占という占いとしてだけ考えていると、全く見えてこないのですが、易経の基本である「易(えき)」刻々と変化する事象を読む。「不易(ふえき)」常に変化しているものの中に見出す不変の道理、法則を読む。そして「簡易(かんえき、易簡とかかれている書物もあります)」物事をシンプルに観ることによって全体を読み取る。これらが三大基本原則です。また、気をつけてみると、診る、見る、観るのそれぞれが別のニュアンスを持っています。

人体も簡易の考え方で診ると、上下もしくは上中下とシンプルに診ることによって、簡単で効果的な治療法、予防法が見つかることが多いものです。

頭寒足熱(ずかんそくねつ)イコール健康体であります。ときどき足湯などをして、構えてご自分のからだを可愛がってあげましょう。

日本伝統鍼灸漢方


この写真もシャスタの町外れ、Gayserの源泉の近くに咲いていた花です。

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